映画『エターナルズ』情報量が多くて理解に苦しんだけど、愛に溢れる瞬間が感じとれ心が温まった作品
上映時間 | 156分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | クロエ・ジャオ |
音楽 | ラミン・ジャヴァディ デイヴ・ジョーダン |
配給 | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ(アメリカ合衆国) ウォルト・ディズニー・ジャパン(日本) |
公開日 | 2021年 |
主な出演者 | ジェンマ・チャン(セルシ) リチャード・マッデン(イカリス) クメイル・ナンジアニ(キンゴ) リア・マクヒュー(スプライト) ブライアン・タイリー・ヘンリー(ファストス) ローレン・リドロフ(マッカリ) バリー・コーガン(ドルイグ) ドン・リー(ギルガメッシュ) キット・ハリントン(デイン・ウィットマン) サルマ・ハエック(エイジャック) アンジェリーナ・ジョリー(セナ) |
怒涛の2時間37分。いや、長かった。すこぶる長かった。椅子に着座して観てるのが苦痛に感じてしまうほど長かった。
アベンジャーズ/インフィニティー・ウォーやエンドゲームのときは、まったく平気だった。製作会社は違えど、ジャスティス・リーグの ザック・スナイダーカット版の4時間2分と比べたら屁のカッパなのかもしれない。けど、むしろ、今回これくらいないといけなかったのかも。
あらすじ
半分が消滅させられた全宇宙の生命は、アベンジャーズの尽力により復活した。しかしその際に生じた強大なエネルギーは、新たな脅威を生み出していた。地球に迫る大きな危機に立ち向かうべく、7000年に渡って密かに人類を見守り続けてきた10人の守護者・エターナルズが集結する。
引用元:Google
感想
極論、なにひとつ頭の中に残っていない。と言うと、それはさすがに語弊があるのかもしんないけど、でも、実際記憶に残っているのはごく僅か。総勢10名のスーパーヒーロー(エターナルズ)が登場するのは良しとして、さすがに一人ひとりのことを丁寧に描いちゃうと……うん、こうなるよね。
『ジャスティス・リーグ』でさえ、たった6人のスーパーヒーローたちと合流するのに時間を割き過ぎて(致し方ない)、退屈なものになってしまった経験があるのに。やっぱ、あれかな。他社の作品とかを参考にしない風習がうずめいているんかな。参考にさえすれば、こうはならなかったと思うんですが。
『エターナルズ』もジャスティス・リーグのスナイダー・カット版のように、再編集が加わったものになれば、絶対面白くなると思う。
ほんと、時間が足りていなさすぎですから。10人のことをしっかり描ききったことが逆にすごいと思う。しかも戦いきる場面も描いて。でも、悲しいかな、情報量が多過ぎて僕の記憶には定着しなかった。スケールがでかすぎた。
これ、むしろ、1回で理解して把握できる人間とかいるんかな、て思う。エターナルズの名前すら誰ひとりとして思い出せない。ここまでくると、なんだか笑えてくる。
唯一覚えているのは一人ひとりの能力。そして、巨神兵みたいな奴がいて、直属の部下であるエターナルズが命令に反いたため、表情が一切わからなかったですけど、あれは確実に怒ってた。顔の半分だけ地球から出てしまってて、硬直するシーンは吹いた。どう考えても巨神兵にしか見えん。
君の誕生のために地球が滅亡するか、しないかだったら、地球を助けるよね。7000年もの間、どんな付き合い方をしてたわかりませんけど、誰かのために戦っていたエターナルズは、結局は「愛」こそがすべてだった。
いつしか地球の環境に溶け込んで、生活に馴染んで、それぞれがそれぞれの人生を歩み進んでいた。その過程のなかで生きがいを見つけて愛を育んでいた。いくら直属の上司とは言え、これには誰も勝てん。使命感からいつしか倫理観を学んで、人間から在るべき姿を見つめ直して、めっちゃいい話だった。話自体は難しくはなかったから、その辺は理解できた。
映像もきれいだった。ディヴィアンツの見た目はキモかったけど、それでもアバターみたいで造形自体は美しかった。
エターナルズの能力も魅力的なものばかりだった。幽遊白書の霊丸(レイガン)にインスピレーションを受けた能力とか、むっちゃかっこよかった。個人的に冨樫義博の漫画が好きなので直感でグッときた。なぜかそのキャラクターはストーリーの途中でフェードアウトしてしまって、活躍が見られず残念でしたけど。
インスピレーションを受けたのはそれだけじゃないと我ながら勝手にそう思う。だって、どう考えたってHUNTER×HUNTERの類と思った。いろいろな能力者がいて、キメラアントみたいな生物がいて、これだけでも影響を受けているというか、まんまじゃん。
だからかな、そこまで面白くないことはないと思ってしまったのは。ストーリーは長かったけど。あとは見せ方の問題かな。時間をかけてより丁寧につくられたものだったらもう一度観たい、て気分になる。つか、エターナルズは数回にわけて作品をつくるべきだった。そしたら、もっとイケてる作品になってたはず。
愛がテーマで個人的にグッときたのは、アンジェリーナ・ジョリーとマ・ドンソクのふたり。アンジーの役柄が自我を失って誰かれ構わず攻撃してしまうキャラクターだったので、それに対して何世紀も一緒にいて支えているのがマ・ドンソクが演じていたキャラクター。いいー、むちゃくちゃこのふたりの関係性にほっこりした。献身的な雰囲気が伝わって心に刺さった。
こういった愛の形は、ある種憧れの領域でもある。どうやったらこんな男になれるのか、学べるものがあったら学びたい。優しさだけじゃ足りないような気がする。強さも必要なんでしょうけど、きっと打撃系じゃない。心の強さだと思う。
ふたりもそうだけどエターナルズを見てると、「愛するものがあると強くなる」といった言葉の意味を理解した。この素敵な感じ、心にじわじわとしみるわー。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
エターナルズのリーダーだし、スーパーマンみたいで、見た目的にはイカリスですけど、優しさが全面的に溢れていた男のギルガメッシュを選んだ。観てると妙に安心するキャラクターだった。なにがなんでもセナを全力で守ろうとする姿に心が打たれないわけがない。しかも強力な打撃系の技を駆使して、強い。
一瞬、『ドクター・ストレンジ』のウォンにも見えましたけど、そんなことないよなーと思ったら、やっぱ人違いだった。似てるけど。
演じていた俳優は、『悪人伝』で超強烈な凶悪感を出していたマ・ドンソクになる。この作品の役柄とあまりにも雰囲気が違い過ぎて、ギャップに心が追いつかなかった。つか、追いつけない。『エターナルズ』を観た方は、ぜひ『悪人伝』も観てほしい。その逆も同じ。つくづく役者のすごさを感じる。
[box class=”glay_box”]名前:マ・ドンソク(마동석)
生年月日:1971年3月1日(50歳)
出身地:韓国(国籍:アメリカ合衆国)
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]マブリー無双解禁。てな感じでタイトル通り、愛する妻と静かに暮らしていた男の無双が殺烈する。原因は、何者かによって妻が誘拐されてしまったから。なにも考えずシンプルにアクションが楽しめる作品。
ヤクザと暴⼒刑事が共闘して、凶悪殺⼈犯に立ち向かう作品。テンポよし、アクションのキレよし、コミカルなシーンもあって全体的に清々しい気持ちになれる。いい終わり方で、最後まで楽しませてくれる。
さくっと観られて、気軽に楽しめるクライムサクペンス。剛力だけで悪を倒す痛快さがたまんない。テレビシリーズを知らない方でも楽しめる内容となっている。
[/aside]
最も美しいで賞
普通に考えたら見た目やストーリー重視でアンジェリーナ・ジョリーが演じたセナ……なんですが、今回いつもとは視点を変えてローレン・リドロフが演じたマッカリを選んだ。理由は、MCUで最初の聴覚障害者のスーパーヒーローという点が大きい。そして、自らも聴覚障害者であるというところにも注目したい。
『RUN』に主演していたキエラ・アレンといい、障害がそのまま役柄に反映されて演じているケースが目に付く。確かに、どうして今までその設定がなかったのか不思議なくらい、今回初であったことに驚いた。
障害があるない関係なく、多様性の意義を『エターナルズ』という作品が象徴していた。その人物として、誰よりも美しく輝いていたのがマッカリだった。笑顔も素敵でしたし。彼女の障害と理にかなった技にも注目してもらいたい。
[box class=”glay_box”]名前:ローレン・リドロフ(Lauren Ridloff)
生年月日:1978年4月6日 (年齢 43歳)
出身地:アメリカ合衆国
[/box]おすすめ作品2選
[aside type=”boader”]聴覚を失ったドラマーの青年の葛藤を描いた作品。これを観ると、突然音が消えてなくなるという意味がわかってしまう。それくらいリアルが追求されている。耳が聞こえなくなる車でのシーンの演出音はまぢでやばい。
コニー役で出演している。シーズン9ではサブ・キャストとして、シーズン10からはメイン・キャストとして登場する。かわいすぎるキャラクターとして一躍有名になった作品。
[/aside]
さいごに
やっぱり、やってくれました。エンドロールとエンドクレジットで大興奮を巻き起こした。衝撃的、これから起こりえる展開を考えるだけでもわくわくが止まらない。これだからMCUはやめられないし、とまらない。かっぱえびせんのノリで、いくらでも最高潮に達する。
ネットの評価は割れているようですが、そんなことは関係ない。視点を変えることでいくらでも学べてしまう。そんな実りある作品ですし、いろいろな愛がいっぱい詰まっているので、1回目で面白くないと感じた方には視点を変えてもう一度観てもらいたい。
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