『FOLLOWERS』本気で仕事がしたくなる、その気にさせてくれる作品
ジャンル | TVヒューマンドラマ |
公開日 | 2020年 |
話数 | 全9話 |
配給 | Netflix |
主な出演者 | 中谷美紀(奈良リミ) 池田エライザ(百田なつめ) 夏木マリ(田嶌エリコ) 板谷由夏(群青あかね) コムアイ(サニー) 中島美嘉(sayo) 浅野忠信(望月民生) 上杉柊平(野間ヒラク) 金子ノブアキ(ゆる子) ゆうたろう(ノリ) |
色彩豊か、Instagram多め、豪華キャスト、東京あるある苦労話、みたいな感じのドラマ。
物語や演出にはちょくちょく違和感を覚えることがありましたが、言葉と向きあえる素晴らしい作品でした。
マリコがなつめに向かって一流の意味合いについて言い放ったセリフだとか、サニーがなつめに向かって傷ついた心ときちんと向き合おうよ的なことを言い放ったセリフだとか、心にグッときました。
まぢでよかったです。それにとあることがきっかけで、マリコの生き様を写真に収めるシーンは感慨深いものがありました。
微妙だなと思うシーンもありましたが、良くも悪くもその辺はっきりとしていました。
あらすじ
インスタにアップされた1枚の写真がきっかけで有名になった女優の卵をはじめ、東京で悩み傷つきながら幸せを追い求める女性たちの人生が意外な形で交錯していく。
引用:Filmarks
感想
まず、本気で仕事がやりたくなります。
別に今、手を抜いて仕事をやっているとかの話ではなくて、感化されました。
誰に?って、中谷美紀演じるリミだったり、夏木マリ演じるエリコだったり、板谷由夏演じるあかねだったり、金子ノブアキ演じるゆる子だったり……。
つまりいつもなにかと仲の良いこの4人を見て、一生懸命仕事するってこういうことだなって思いました。同時にこんな仲間がいて羨ましいとさえ思いました。
なつめたちヤンググループを見てもそう思いましたし、若いって正義だなって。可能性に満ち溢れていました。
リミ。
この女性はとにかくやばい。
雰囲気がナチュラルすぎ。不思議と写真を撮ってほしい、てなってしまう。
その雰囲気がモニターからも伝わってくるので、あの感じの緩さ……好きです。
以外にも金髪姿は似合っていましたし、絶対真似をする輩がこのあと世に出てくることは容易に想像できました。ぼくが女性だったら間違いなく真似します。まー、働いている職場にも寄りますけど。ヴィレヴァン辺りで働いてたら速攻で美容室を予約してゴー、ですけどね。
ファッションもやばい。
カジュアル系、きれいめ系、モード系、フェミニン系のどれにも当てはまらない……。じゃ、何系だよって話ですが、しいてあげるなら蜷川系。
色使いが独特で、綺羅びやかすぎてこちらはとてもじゃありませんが容易に真似できるものでもありません。次元や経験値が違います。リミ、富裕層の設定だし。
じゃあれかな、普通にセレブ系なんじゃないかな。
エリコ。
この女性はある意味やばい。
バリバリの仕事モードのときはめちゃめちゃかっこいい。自信に満ち溢れているというか、言葉に芯があってへたすると陶酔してしまいます。
ですが、なんでしょう、恋愛モードに切り替わった途端にげんなりしてしまうのは……。おばさんの恋愛模様をまざまざと見せつけられて、一体誰得?なのでしょうか。
できれば満腹時は避けて見るべき。空腹時でも場合によっては、ただらなぬストレスによって発狂してしまいます。
恋愛に年齢なんて関係ないと便利な言葉が存在していますが、いざ目の当たりにするとダメですね。見るに堪えません。
でも乳がんの影響で片乳になったとき、上半身ヌード撮影に臨んだシーンには鳥肌が立ちました。リミとの関係性も素晴らしくて、生き様を写真に残すっていいなって思いました。
あかね。
一番大変そうだった。そのイメージが強い。
主にsayoのお守り役みたいな感じで(実際はマネージャー)、職種は違えどもスケジュールの調整だとか心の支えだとか、仕事の面において通ずるものがあって一番気持ちをわかってやることができました。男性の趣味は唯一わかってあげられませんでした。
リミの言葉を鵜呑みにしてそのままの内容を行動に起こさなかったのは予想外でした。てっきりsayoのことを突き放すかと思っていたので、後先考えずよく決断したなと思います。
あの様子だと病院行きかなと思うような出来事でしたし、展開が完全シンデレラストーリーになっていたのにはちょっと現実味がないかなーて思いました。
TOKYOのリアル?描けてないじゃん。
ゆる子。
この人、すごい。
リミへのスケジュール管理能力が一流すぎて、先の先の先まで読んで行動しているし。
それ、都会じゃ当たり前とか言わるかもしれませんけど、相手がやってほしいと思うようなことを一歩も二歩も簡単にやってのけて、こんなマネージャーいたら最高だろうなーと思いながらいつも見てました。
しかも明るいゲイだからなおのこと重宝される逸材かなって思います。
ただひとつ問題がありまして。彼自身に問題があるんじゃなくて周りのことで、付き合っている相手が髪金長髪といかにもステレオタイプの外人さんで、あれはなんとかならなかったのか。
1話だけで数億円使っちゃっていると言いますし、予算を捻出できなかったとしてももうちょっといい人材を揃えてほしかったです。
なつめ。
まず全然関係ないけど、ヒラクが羨ましい。
だって付き合って、あんなことやこんなことやっちゃっていると思いますから。相手は池田エライザ(なつめ)ですよ。誰だって羨ましいと思うに決まっているはずです、普通。
役柄やファッションセンスについては、うーん、微妙だなって思うことが多かったです。
Instagramをきっかけに人生の振れ幅が一躍すぎて、落ちるのも早かったですがその後復活するのも早くてビビり上がりました。ドラマだからしょうがないとは思いますが、ちょっと、ね。
ファッションでは、「Uber Eats」で働いている格好が超絶奇抜でした。ジーパンの後ろも前も破れかぶれで完全にお尻が見えていましたし。本物じゃなくて見せパンがですけど。
あれは今どきのファッションだったのかな。だったら危ないですよね。盗撮されるほうも気をつけようね、と思っちゃいます。
サニー。
はじめましての女優さん。
普段どんな印象なのかわかりませんが、髪金ヘアーがリミと被っていたのは気になっていました。おしゃれだと思うけど同じ感じのものは2人もいらないかなー、と。
今までこういった感じの人が周りにいなかったのもあって、雰囲気は惹かれるものがありました。可愛らしい一面もありますが、不思議な空気が漂っている感じ。
精神的に脆いところは若者特有の未熟さを表していて、むしろ素敵でした。
ノリ。
物事を冷静に捉え端的に話すキャラクター。
いちいち良いことを言ってくれていますが、見ようによってはキザなやつだなと思われてしまうことも……。何気にさりげなく優しいところが、女性ウケしそうな気がします。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
この場合迷うことなく、夏木マリ演じるエリコを選びました。理由はただ単に生き様がかっこいいと思ったからです。
何度も言いますが、上半身ヌード撮影のシーンは本当に本当にいいものを見させてもらいました。ヌード的ではなくて、感情論的に。
もちろん前触れとなる経緯があってのことで、今まで仕事一筋に生きてきた女性がこれからは愛だとか生活だとか、心情や行動も移り変わる様は見てて楽しかったです。
生きるって、仕事がすべてじゃない。そんなことを教わったような気がします。
最も美しいで賞
中谷美紀演じるリミを選びました。理由は1番は見た目です。2番目はおっとりとした性格が感じられたのと。3番目は仕事に対して常に真剣に向き合っていたところです。
エリコ同様になってしまいますが、生き様自体に美しさが感じられました。
しかもフォトグラファーの肩書でプロの仕事をやっている時点で、カメラで写真を撮ることが趣味のぼくにとってこのキャラクターに興味が湧かないわけがございません。
被写体の対象が人であるとき、撮られる側の意識も大切だと思いますが、撮る側の雰囲気づくりも同じように大切なことに気づかせてくれました。
さいごに
監督である蜷川 実花さんの実体験に基づいたドラマなのかなと思っていましたが、どうやら違うみたいです。主人公の仕事がプロのフォトグラファーだったので、てっきりそうなのかなと思ってましたが……。わかってしまったとときはやや残念でした。
ドラマの評価は賛否両論あるようですが、個人的に思うことは人の言っていることに耳を貸すな、です。だって得るも得られないのも人それぞれですし、凝り固まった固定観念こそとっぱらって観るべきだと思います。