映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』人間ゴリラが暴れ回る完全娯楽作品
上映時間 | 135分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | デヴィッド・リーチ |
音楽 | タイラー・ベイツ |
配給 | ユニバーサル・ピクチャーズ(アメリカ合衆国) 東宝東和(日本) |
公開日 | 2019年 |
主な出演者 | ドウェイン・ジョンソン(ルーク・ホブス) ジェイソン・ステイサム(デッカード・ショウ) イドリス・エルバ(ブリクストン) ヴァネッサ・カービー(ハッティ・ショウ) ヘレン・ミレン(マグダレーン・ショウ) |
もはや、ワイルド・スピードの要素はどこへ行った?
ヴィン・ディーゼルはおろかミッシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター、タイリース・ギブソン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジスのワイスピファミリーのメンツはまったく登場しないスピンオフ作品。
しかも魅せる映画をつくりましたというのがバレバレで、エンタメ作品としてみれば最高に面白かったです。
ただねー、ICE BREAKあたりから気づいてはいましたが、内容的に段々無理があるような話へ発展してきているので、ワイスピはいつからトニー・スタークを雇っていたの?と思うような代物まで今回登場していたのでもはや言葉になりませんでした。
前作に登場したサイファーといいどんだけすごいやつと戦っているのか、むしろそれを相手にしているワイスピファミリーの方々がすごいと思いますけどね。完全に完璧に人間離れしていますから、それってワイスピ的にどうなの?
あらすじ
ロサンゼルスで娘と暮らす、ワイルドなスタイルで超重量級のクルマを操る追跡のプロ・元FBI特別捜査官ルーク・ホブスと、ロンドンで優雅な生活を送る、クールなスタイルで超高級なクルマを駆る規格外の元MI6エージェント・デッカード・ショウ。
2人の元に、行方をくらませたMI6の女性エージェント・ハッティを保護して欲しいという政府の協力要請が入る。
ハッティは全人類の半分を滅ぼす新型ウイルス兵器をテロ組織から奪還したが、組織を率いる、肉体改造を施された超人的な戦士・ブリクストンに急撃され、ウイルスと共に消息を絶った。しかも、彼女はショウの妹でもあるという。ホブスとショウは「こんな奴と誰が組むか!」と協力を拒否するが、ウイルスの回収を最優先するため、仕方なく手を組む事に…世界の命運はこの2人に託された!
引用:Filmarks
感想
これ観ちゃうと、ハンが報われないと思ってしまうのはぼくだけでしょうか。なんだかんだでいつの間にかデッカード・ショウがワイスピファミリーの一員になりつつありそうな……むしろ主役の座を奪いそうな勢いすらありました。
まぁ、確かにホブスが入る前の出来事なので、直接的には面識がなく関係ないといえばそうなりますが。その時点で敵討ちする義理もありませんし。この御二方は、やたら息が合っていて面白い反面複雑な心境でもあります。
言ってもハンを殺していますからね、ショウは。いくら弟の復讐とはいえ、ファミリーの一員を葬りさっていますからそんな奴が活躍する場面を安々受けいられるはずがありません。
でも面白いし、強いし、かっこいいし……これが皮肉なもので、だからこそいつかはヘマをするだろうと密かに待っていたりします。たぶん、しないだろうけど。
いつの間にかジェイソン・ステイサム本来の役柄にカムバックしているような、本作で繰り広げられるカーアクションシーンが、どう考えても『トランスポーター』にしか見えませんでした。
めちゃめちゃすごい、けどその辺も複雑で。どんだけヴィン・ディーゼルの座をかっさらおうとしているのか、もはや脅威にしか思えません。
同じハゲだし、筋肉モリモリだし、クールだし、家族思いだし……。それでいて、アクションやらせたらピカイチって、どう対抗しても勝てる気がしない。ヴィン・ディーゼルのドミニクとはほとんどキャラが被っているようなものなので、脅かされているみたいでちょっと悲しくなります。
どうすればいいのでしょうね。あとは見た目で勝負するしかありませんかね。それでも今回の活躍ぶりを見てるとショウの存在は偉大でした。
演出にちょっとひと言いいたいと思いまして。そのシーンはホブスとそのファミリーたちがブリクストン軍を迎え撃つやり方に対して……。
どんだけ原始的なんだよ、と。
斬新かつ今の流行を抑えた形での演出なのかもしれませんが、ハカとかラグビーで一躍注目されましたし。でもね、言ってもこれは映画ですから。
今からラグビーやるわけじゃないんですから、少しでも時間が惜しいという場面でどうして尺をとるようなことをするのか、言っていることとやっていることに矛盾が生まれていて、その辺めちゃめちゃ気になりました。
しかも、ですよ。お母さんが全部銃を捨ててしまったらしく、銃撃戦必須の相手に対してこれまた原始的な戦い方で挑むというわけですから、どう考えてもありえないですし、普通に考えたら負ける戦なわけです。
でもそこは屈強なサモア人たちです。完全肉弾戦で相手を丸め込む作戦で、たいがいが裸になりたがる人がほとんどで、まるでその光景はサモア人によるサモア人のための酒池肉林祭りのようでした。
あれだったら、映画『スコーピオン・キング』でやってくれと思いましたね。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
言ってもこれはホブスかショウのどちらかになりますが、個人的にはホブスのほうがキャラクター的には愛せるので彼を選びました。
肉体もあいかわらずバッキバキのムッキムキですごいですから、これ以上のかっこいいはないと思います。
戦い方にショウほどのスマートさはありませんが、有り余るほどパワーですべてを薙ぎ払い、THE・肉弾戦車と言えるような豪快なシーンばかりで観ているこちら側としては興奮して楽しかったです。
ビルの上から飛び降りて、ロープを伝ってブリクストンたちを追うシーンなんて衝撃的ですから。屈強のなかの屈強すぎでしょ。この男は。
どこまで大きくなるのでしょうか。最先端のテクノロジーをもってさえも、この男のパワーは誰にも止められません。
最も美しいで賞
ハッティ・ショウ役を演じたヴァネッサ・カービーを選びました。GENKINGと能年玲奈を足して2で割ったような顔をしていて、一瞬見てこの人しかいないと思いました。
いや、普通にお美しいですから、過去にどのような作品に出演していたのかを調べてみると、有名どころでいえば映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』に出演していました。
こんなにお美しいのに、どうしてまったく気がつかなかったのか不思議でなりませんけど。
アクションもかなりいける口で、ジェイソン・ステイサム顔負けのキレッキレで身のこなし方とかめちゃめちゃかっこよくて最高でした。できることならスピンオフ作品以外での出演を望みたいところです。
さいごに
スピンオフは所詮スピンオフといった感じで、本家に通ずるものはさほどありませんのでおまけ程度に観る部類なのかなと思います。むしろ、そういう気持ちで観たほうが気楽に楽しめます。
もしかしてエンドクレジットで、とどこかしらワイスピファミリーの登場を期待していましたが……。それは観てのお楽しみということで、2人の人間ゴリラが暴れまわるエキサイティングな映像をぜひご覧になってみてください。