映画『スクリーム(2022)』恐怖感と犯人像はそのままに、新旧世代交代となる節目の作品
上映時間 | 114分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | マット・ベティネッリ=オルピン |
音楽 | ブライアン・タイラー |
配給 | パラマウント・ピクチャーズ |
公開日 | 2022年 |
主な出演者 | メリッサ・バレラ(サム・カーペンター) ジェナ・オルテガ(タラ・カーペンター) ジャック・クエイド(リッチー・キルシュ) ディラン・ミネット(ウェス・ヒックス) メイソン・グッディング(チャド・ミークス・マーティン) ジャスミン・サボイ・ブラウン(ミンディ・ミークス・マーティン) マイキー・マディソン(アンバー・フリーマン) デヴィッド・アークエット(デューイ・ライリー) ネーヴ・キャンベル(シドニー・プレスコット) コートニー・コックス(ゲイル・ウェザーズ) マーリー・シェルトン(ジュディ・ヒックス) |
帰ってきた、帰ってきた、伝説の90年代スラッシャー・ホラーの傑作シリーズが11年の月日を経て黄泉の国から帰ってきた。と、まー、乙事主のモノマネはさておき。
これ、安定の展開。そして、安定の怖さ健在だった。本当は内心、常識破りの怖さを期待していたんですがね……。良くも悪くも、安定という言葉以外表現できへん。
あらすじ
ティーンエイジャーのタラ(ジェナ・オルテガ)にかかってくる不穏な電話。出るとタラをゲームに誘う不気味な男の声が…。
怖くなり外へ出ようと玄関を開けると、ゴーストフェイスの仮面を被った人物が待ち構えていて、タラは腹部を切りつけられる。
辛うじて逃げ惑う中、家中のドアの鍵が誤作動で開閉を繰り返し始め、ついに、ゴーストフェイスが家に侵入し、タラを襲うのだった―。
この事件から、また連続殺人鬼がウッズボローの若者を標的にしていることを知ったデューイ(デイヴィッド・アークェット)は、シドニー(ネーヴ・キャンべル)をウッズボローに連れ戻し、ゲイル(コートニー・コックス)とともに、再びゴーストフェイスに挑む。
新たな犯人の狙いとは?やがて襲われている犠牲者の共通点を知った彼らは、ゴーストフェイスの謎を解き、無事その魔の手から逃れることができるのか―!?
引用元:https://www.amazon.co.jp/スクリーム-ブルーレイ-DVD-Blu-ray-ネーヴ・キャンべル/dp/B09VP36FP4
感想
うーん、なんだろう。物語の展開で言うといまいちかなー。ストレートに言えば、いい加減飽きてしもうた。言いようによっては、確かに安定のスクリームといった感じで。長年シリーズを観てきた人にとっては安定、安心を与えるというもの。
だけど僕が求めていたのは、5作目にでもなるともうそろそろ転換期と思って違った恐怖を演出してくれるだろう。どこかで犯人の正体にひねりがあるだろうと。でも実際は違った。直球ドストレートに演出するものだから、「なるほどね、そうだろうと思った」屈辱的にもこの感想を強制的に抱かせられてしまった。
恐怖の度合いで言えば、確かにところどころのシーンでビビることはあった。でもそれは映像に合わせた音が恐怖を煽ってて、映像としてはそこまで恐怖は感じなかった。これなら、Netflixドラマ『スクリーム』を観たほうがよっぽど怖い。夜中トイレにも行けずに、常に背後を気にしてしまうような恐怖を味わえてしまうからだ。
それにやっぱり、ゴーストフェイスのお面のクオリティがドラマ版のほうが恐怖を表す感じをリアルに作っちゃったものだから、映画版がどうしても可愛く見てしまう。これはかなり致命的。やらかした感がある。スクリームのお面といえば、まるでムンクの叫びを連想させるかのようなイメージが定着していますけど、ドラマ版のやつはまぢで反則。お面のデザインの闇が深すぎて、どうか気になる方は見比べてみてほしい。
「恐怖のなかにもユーモアを込めたからだよ!」と言われてしまえばそれまでですが、明らかに真剣さが異なる。単純なことで、怖さを象徴としているのは間違いなくドラマ版に軍配があがる。
話は変わって、今回新しい試みとして新キャストを迎えつつ、従来のキャストを絡ませる展開はひとりのファンとして心に熱いものを感じた。しかも、ビリー・ルーミス役でおなじみのスキート・ウールリッチまで登場させられたときにはググッときた。
物語の設定が影響して、周りのレジェンドキャストが年老いているのも関わらず、ひとりビリー・ルーミスだけはメイクと編集によるマジックによって若い映像を見せられ、やっぱかっこいい男だった。まったく、男から見ても惚れぼれしてしまう。これは単純に女性ファンに対するご褒美であると勝手に解釈している。
そんなレジェンドキャストの登場に興奮するのも束の間、何人かは容赦なく帰らぬ人になってしまい、これはまるで旧時代から新時代を予感させるものだった。本作は序章に過ぎず、これは新しいスクリームの幕開けといっても過言ではない。それを象徴とするかのように、本作のタイトルも『スクリーム5』と表記されるのではなく『スクリーム(2022)』となっている。
1作目は1996年に公開され、その翌年1997年には2作目、3作目は3年の間があいた2000年、4作目は2011年とずいぶんと年月を重ねてきたシリーズでもある。長年に渡って出演してきたキャストも作品と共にずいぶんと成熟されてしまった。この辺で新しい風を吹かせるためにも、新キャストの登場は必然的だったのかもしれない。それも親子といった形で登場させる胸熱な演出のおまけ付き。
もしかしたら本作の演出に関しても、単純な恐怖を味わうものから次なるステージへとアップデートされた作品なのかもしれない。それは「恐怖はあなたの身近に存在しているよ」的なメッセージと共に、進化をしつづけている。そう思って観ると味わい深く感じられたのかもしれない。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
ウェス・ヒックス役のディラン・ミネットを選んだ。選んだ理由はNetflixドラマ『13の理由』のときの見た目真面目キャラとはうって変わって、金髪頭がおしゃれだったから。普通に似合ってた。かっこいい。
本作でもいたって真面目キャラでしたけど、活躍シーンが少なかったのは残念だった。もっと活用できたと思う。
だけどこうやって知っている俳優が登場しているというのは妙にテンションが上がる。こちらで活躍できなかった分、『13の理由』では泣かせるよ、この男は。
[box class=”glay_box”]名前:ディラン・ミネット(Dylan Minnette)
生年月日:1996年12月29日 (年齢 25歳)
出生地:アメリカ合衆国
身長: 173cm
Twitter:@dylanminnette
Instagram:@dylanminnette
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]クロエ・グレース・モレッツ主演の作品。『ぼくのエリ 200歳の少女』と合わせて観ることで作品の深みが味わえる一本となっている。監督・撮影・音楽の担当が『THE BATMAN』と同じであることから、作品全体に漂う重厚感がやばい。
本の中から恐ろしいモンスターが世に解き放たれてしまい、学生と小説家らが奮闘するさまを描いたホラー&ファンタジー作品。原作は、世界で累計3億部以上売り上げたアメリカのホラー作家:R・L・スタインの人気小説「グースバンプス」。
自殺した少女の謎を追う少年と、周りを取り巻く学生らの繊細な心情を描いた作品。いじめや性被害をテーマに衝撃的な内容を描いた話題作となる。
[/aside]最も美しいで賞
アンバー・フリーマン役のマイキー・マディソンを選んだ。選んだ理由は、ジェナ・オルテガもメリッサ・バレラも確かに可愛かった。メリッサ・バレラなんかは、普通に美しい。でも、マイキー・マディソンがそれを上回った。ただそれだけの話。
純白なお肌がまるでマシュマロのようで、ルックスに関しても断然好み。めちゃくちゃ可愛いってわけではありませんが、不思議と惹かれるものがある。これと同じで、作中ではどこかミステリアスが感じられる役柄を演じている。
[box class=”glay_box”]名前:マイキー・マディソン(Mikey Madison)
生年月日:1999年3月25日 (年齢 23歳)
出生地:アメリカ合衆国
身長: 163cm
Instagram:@mikeyymadison
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]- Better Things(2016年 – 2022年)
ロサンゼルスで3人の娘を育てる母親の姿をコミカルに描いた作品。マイキー・マディソン主演のドラマで、2016年からはじまり2022年のシーズン5まで製作されている。
17歳の少年が強盗殺人で逮捕される物語を描いた作品。黒人差別をテーマに、ラストの衝撃的な展開には考えさせられてしまう。
レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの初の共演作品。クライマックスシーンには予想だにしない展開が待ち受けている。マイキー・マディソンは殺害事件の主犯役で出演している。
[/aside]さいごに
11年ぶりの新作シリーズは僕の中ではやや不発に終わってしまったので、お口直しのためにシリーズのなかでも人気の高い『スクリーム2』を改めて鑑賞してみたくなった。それかドラマ版をまた観るか。
どちらとも恐怖を植え付けられた苦い思い出しかなく、今観たとして昔のように怖がれるかどうかちょっと気になる。本作程度で怖いと感じた人なら間違いなく怖がれるはずだ。
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