2020-06-19

映画『ブルー・リベンジ』これがリアルだ!復讐者の恐ろしい行く末が描かれた作品

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上映時間90分
製作国アメリカ合衆国
フランス
監督ジェレミー・ソルニエ
音楽ブルック・ブレア
ウィル・ブレア
配給トランスフォーマー
公開日2013年
主な出演者メイコン・ブレア(ドワイト)
エイミー・ハーグリーブス(サム)
デビン・ラトレイ(ベン・ガフニー)
イブ・プラム(クリス・クリーランド)
ケヴィン・コラック(テディ・クレランド)
デビッド・W・トンプソン(ウィリアム)
総合評価
『ブルー・リベンジ』:

 

決して、『96時間』に出てくるリーアム・ニーソンみたいな人物を想像してはいけない。

なぜなら、本作に登場するのはごく普通の人間による人間のための復讐者であり、復讐をはじめたけど終わり方がわからず、結果的には望まない形で人生を歩むことになった愚かで切ない物語だからだ。

アクションを駆使するわけでもなく、だからといってかっこいい場面があるわけでもない。ただただ現実味のある復讐劇が繰り広げられているだけの話。

リアルゆえに考えさせられる、そんな映画です。

あらすじ

とあるビーチで廃車同然の青いセダンにひっそりと暮らす、ホームレスのドワイト。ある日、警察に呼び出さされた彼は、そこで衝撃の事実を告げられる。彼の両親を殺害した犯人が司法取引に応じ、刑期満了を前に、釈放されるというのだ。あまりのショックに我を失ったドワイトは、オンボロの青いセダンを走らせると、釈放された犯人のもとへ向かう。ただ一人、金も地位も理解者もないまま、「復讐を果たす」という、唯一の目的のためだけに・・・。

引用:Amazon.co.jp

 

感想

誰がどういう風になんの目的で殺したのか、復讐は驚くことにはじまってものの数分で事を終えてしまう。このことから復讐そのものが重要視されていないことがわかる。

やるかやられるかの弱肉強食の世界を表現したいのではなく、本作でもっとも伝えたいのは復讐によって破滅してしまう人生を描き出している点である。

争いによって次なる争いを招くこと、憎しみの連鎖が軸となっている。

実際復讐をはじめた主人公ドワイトは、事態が悪いほうに向かえば向かうほど焦りを感じてけじめの付け方に困惑してしまう。殺しに手慣れているわけでもなく修行を積んで強くなるわけでもないので、これがときにもどかしく感じてしまう。

その姿が惨め、だけど「がんばれ!」とついつい応援してしまう自分がいて、復讐を追った人がどんな結末を迎えてしまうのかは、悲惨といった言葉以外内容はほとんど理解できていない。これはドワイトにも同じことが言える。

ウェイド殺害後、なぜクリーランド家は通報しなかったのか。

事件をテレビで確認するつもりがニュースになっておらず、事態は思わぬ展開へと進み焦るドワイト。もしかして……。最悪のシナリオが脳裏を過り慌てて姉のサムの元を訪ねる。

一方でウェイド亡きクリーランド家は、ドワイ卜に関係のある住処を見つけ報復の準備にとりかかる。

「目には目を歯には歯を」

この言葉の通り、彼らもまたウェイドの仇をとるために報復という道を選択をする。事態は悪化の一途をたどり、最終的には血を血で洗う展開へと発展してしまう。これがなんとも悲しい結末で、もはや皮肉としか言いようがない。

結局は彼らがはじめたことも元を辿ればきっかけはお互いの両親が原因で、復讐の前にそのことを知っていればドワイトは果たしてウェイドらを憎み、そしてこのような展開へと発展したのか。憎しみの感情がある限り争いは避けられないものなのか。

正しい情報を知っていれば冷静に判断できたのかもしれないと考える反面、それでも許せないといった感情が湧き上がってしまうのはやはり制裁を下したいといった気持ちに尽きてしまう。

それが人間だし、人間である以上感情はつきもの。感情が抱けない状態にでもならない限り、人と人の間には必ず摩擦が生じてしまう。

どこかのタイミングでなにかのきっかけで、誰しもが暴力性をもった生き物なんだと思う。

 

それはそうと本作には目も当られなかったシーンがある。リアルな描写とはまさにそのことで、クリーランド家のひとりがドワイ卜に向かって放った矢が片足へ直撃してしまう。

負傷してしまったドワイ卜は薬局で必要な道具や薬を揃えて自ら治療を試みるのですが、あまりの痛さに発狂。絶句ではなく発狂。何度も言う、発狂の姿が映し出される。

矢を抜こうとすればするほどじゃんじゃん血が溢れるので、これがなんとも痛たましい。

やばい、えげつない。見るに耐えられないくらいに負荷がかかってしまうので、ストレスの度合いは尋常じゃない。凝視すれば間違いなく禿げてしまいそうな勢いすらある。だらかやめておいたほうがいいと思う。

ここまでリアルを追求しなくてもと思うが、こういった些細な点に配慮がなされているゆえに作品としての完成度の高さが伺える。

 

最も○ ○で賞

出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。

 

最もかっこいいで賞

メイコン・ブレアを選びました。ドワイトを演じていた人物です。

確かに復讐というのはよくない、これは誰しもが頭ではわかっていますが、実際その立場に立たされたときにどうなのか、といった疑問が浮かぶ。

賛否両論あると思いますが、ドワイトの行動に対して共感できる部分とよくやったと称える部分はあったのかなー、と。

得た情報と事実に違いはあれど、じゃ、だからといって相手のことを許せるのかどうなのかはまた別問題になると思う。

姉のサムはドワイトに対してチキンと言い放つ場面がありますが、まさにその通り。ただチキンだからこそ冷静でいられなくなるのはごくごく自然で、それでも立ち止まることなくやってのける行動力と覚悟にかっこよさを見出しました。

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名前:メイコン・ブレア(Macon Blair)

生年月日:1974年 (年齢 46歳)

出身地:アメリカ合衆国

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主な出演作
映画Murder Party(2007年)
You Hurt My Feelings(2011年)
Hellbenders(2012年)
ブルー・リベンジ(2013年)
グリーンルーム(2015年)
ゴールド/金塊の行方(2016年)
フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年)
ローガン・ラッキー(2017年)
Thunder Road(2018年)
The Hunt(2020年)

 

 

最も美しいで賞

エイミー・ハーグリーブスを選びました。サムを演じた人物です。

昔美しかっただろうなーという理由で選びました。見る角度によってはロバ顔に見えなくもないですが、とろけている目元にだけは色気をグイグイ感じます。

それに只今絶賛『13の理由』シーズン4を観ているのもあって、「あっ、あの女優さんだ!」ってなりました。だからなんだと言いたいですが。

どちらかと言えばライニー・ジェンセンの役柄のイメージが強くて息子思いのいいお母さんだなー、と役柄的には好印象しかありません。

本作では出番こそ少ないですが、もしかして子どもがクリーランド家の者にやれているかもしれないと急いで自宅に戻るシーンでは、緊迫した空気を作り出すいい演技をしていました。

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名前:エイミー・ハーグリーブス(Amy Hargreaves)

生年月日:1970年1月27日 (年齢 50歳)

出身地:アメリカ合衆国

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主な出演作
映画ブレインスキャン(1994年)
Mary Higgins Clark’s Remember Me(1995年)
Growing Down in Brooklyn(2000年)
フィクサー(2007年)
El Camino(2008年)
Against The Current(2009年)
襲撃者の夜(2009年)
SHAME -シェイム-(2011年)
ブルー・リベンジ(2013年)
Shelter(2014年)
buck runプリズム(2015年)
How He Fell in Love(2015年)
プレッピー・コネクション(2015年)
ぼくらと、ぼくらの闇(2017年)
ワンダーストラック(2017年)
Sister Aimee(2019年)
Buck Run(2019年)
ドラマMatt Waters(1996年)
Law & Order:特別犠牲者ユニット(2003年‐2019年)
Homeland(2011年‐2020年)
13の理由(2017年‐2020年)

 

さいごに

けして後味がすっきりするような内容ではありませんが、強烈に感情へ訴えかけてくるものがあり大切なことが学べた作品です。きっと観る人を選ぶ作品ではあるので、万人におすすめというわけではありませんが得られるものあって観てよかったです。

復讐の道を選んだ人がどんな結末を迎えるのか、その行く末を知るだけでも十分楽しめると思います。

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