『13の理由〈シーズン2〉』キャラクターたちに自己投影するといろいろなことが見えてくる作品

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ジャンル ティーン向けドラマ
ミステリ
原作 ジェイ・アッシャー
公開日 2018年
話数 全13話
配給 Netflix
主な出演者 ディラン・ミネット(クレイ・ジェンセン)
キャサリン・ラングフォード(ハンナ・ベイカー)
クリスチャン・ナバロ(トニー・パディーラ)
ブランドン・フリン(ジャスティン・フォーリー)
アリーシャ・ボー(ジェシカ・デイビス)
ジャスティン・プレンティス(ブライス・ウォーカー)
ミシェル・セレーネ(コートニー・クリムゼン)
スティーブン・シルバー(マーカス・コール)
ロス・バトラー(ザック・デンプシー)
マイルズ・ハイザー(アレックス・スタンダール)
デヴィン・ドルイド(タイラー・ダウン)
ティモシー・グラナデロス(モンゴメリー・デラクルス)
総合評価
『13の理由〈シーズン2〉』:

 

カセットテープで証言されるハンナの悲痛の叫びが懐かしいシーズン1に続いて、今回シーズン2では彼女の自殺を巡って裁判が行われます。そう、ブライス・ウォーカーというモンスターに制裁を下すために。ハンナに関わった生徒や先生が証言台に立ち、カセットテープでは語られなかった衝撃の事実が次々に明かされていきます。

果たして、ハンナが証言していた内容はすべてが本当のことなのか。シーズン1では自殺したハンナの心情が強く描かれていたのに対し、シーズン2ではそれ以外の周りの人たちの心情が強く描かれていました。共感できるところもあればできないところもあって、なにもかも考えさせられる内容でした。

あらすじ

ハンナの死の余波に揺れながらも、登場人物たちがそれぞれに傷を癒やし、乗り越えようとする複雑な過程が描かれる。

引用:Filmarks

 

感想

キャラクターに自分を重ねてみたり俯瞰してみたりするとめちゃくちゃ面白い

そういう楽しみ方ができるドラマかなと思います。むしろそういう楽しみ方をすると、彼らが抱く心情に強く共感できて世界観に浸れました。なかでもタイラーとマーカスはある意味対局の存在で、なかなか面白いキャラクターでした。

 

タイラーとマーカスの場合

まず一目散に証言台に立って真実を語ったタイラーには、正義感の強いキャラクター性を感じました。真実を語った点だけを見ればですけどね。

証言内容は最低なことで、いくらハンナへの気持ちがあるからといってストーカーは完全にアウト。しかも隠し撮りをしていただなんて、犯罪レベルの行為に至るという愚行をやってしまった過去を正直に話しました。ただそれには理由があって、周りの女子生徒たちから撮影を断れるなか、ハンナだけは自分の姿を撮ってほしいと歩み寄られました。

これは確かに反則的。ハンナのような美女に写真を撮ってほしいなどと声を掛けられてしまえば、写真好きとしては彼女の繊細な表情を撮り続けていたいと思うのが普通で。写真に収められたハンナの姿は本当に美しいものがありました。稀に見る美女です。

ストーカーに走ってしまう気持ちもわからなくもありませんが、それを行動に移してしまったというのは一瞬の狂いなのかなと。でもそういうのって誰にでもあることだと思いますし、それを証言台の場面で語れるタイラーの勇気がある意味すごいなと感じました。

そんなタイラーも一本のネジが外れてしまえば、人が変わったかのうように危険な人物に成り下がってしまいます。どれもこれも彼を取り巻く環境がきっかけで起きてしまう問題ではありましたが。心に傷を負った人間っていうのはなにをしでかすかわからないことを劇中で表現されていましたが、それは誰しもが心の奥底で秘めているものであって、タイラーの場合はその行動が異常すぎました。

人を殺したいほどの怒りを覚える気持ちは理解できますが、ストーカー同様それを行動に移してしまうところが人間の恐ろしさでもあります。なにも彼ひとりだけが悪いといった話ではなく、学校全体がタイラーという人間をつくりあげてしまった、その自覚をもつことが大切なのかなと思います。何事もそうだと思いますが問題を自分事として捉えているかいないかで、その後の解決方法にも影響してくるものと思います。

 

正直者が救われるかと言われれば世の中そう甘くないことを体系化しているのがタイラーであって、その対局にいるのがマーカスになります。

証言台で真実を語ったタイラーに対して、マーカスは嘘の証言をします。自らの将来を守るためなら人のことは二の次で、ましてや生徒会長でありながら強い者には媚びを売るなどの愚行に走ります。この時点でゲス野郎と思いましたが、確かに周りにもこんな奴がいるなと妙に親近感が湧きました。

そんな彼の人間性についてブライスははじめから見抜いていたようで、マーカスから助けを求められても相手にはせず、ブライスが有利になるように証言台で語った内容に関しても頼んでいないと一蹴されてしまいます。若干可哀想そうではありましたが、どれもこれも自業自得であり同情できない残念なキャラクターでした。

外道なことをやっているうちはしっぺ返しがくることを、自らの身をもって諭してくれた点に関しては感謝しますが、ハンナの弱みにつけ込む行為に関しては本物のろくでなし野郎でした。こんな人間にこそ制裁が必要であると強くそう思いました。処刑人の要請を求めます。

 

クレイとザックの場合

この2人以外に強烈なインパクを残していたのが、クレイとザックになります。

クレイといっても彼自身が印象的だったというよりかは、ハンナ以来の恋人の存在のほうです。クレイとは釣り合わないような体中にタトゥーが入ったワイルドな女性で、意外性No. 1でした。なにがどうなればそんな出会いになるのか、むしろそちらの説明をドラマのなかでしてほしいと思いました。

たかがいち男性と女性の馴れ初め話なんていうのはいらないのかもしれませんが、これは完全に例外の部類で。しまいには彼女の影響でクレイは手首にタトゥーを入れようとするので、脱まじめキャラかいとつっこまずにはいられませんでした。突然のキャラ変に、「あの、まじめなクレイが。こんな展開ありなの」と普通に驚きました。

まぁ、ハンナの幻覚のせいで2人はそう長くは続きませんでしたが。最後悲しいお別れをするときに、クレイのぐっと涙をこらえる姿には思わずもらい泣きしてしまいそうでした。

好きなんだけれどもお互いにとってよくない複雑な心境。クレイにとっては甘酸っぱい思い出になりました。残念ではありましたが、個人的はハンナのほうがお似合いかなと思います。ごめんね、スカイ。

 

続いてザックはというと、意外にもハンナと長きに渡って交際をしていた事実が判明しました。えっ、まじ、そんなのシーズン1では聞いていないけど。てっきりクレイが本命かと思っていましたが。けっこう本気の恋愛のようでした。クレイのことを好きになる前の話ではありますが。

それでもですよ。うそでしょー、とこのときからハンナ自身のことがわからなくなってきました。クレイも劇中でそう言ってましたし。こういうときって思い出のすべてがマイナスに捉えられてしまい、ダンスパーティーでのことや今までのことで、実はあのとき彼女はこう思っていたのかもしれないと変に考えたりしますよね。

急に自信がなくなってしまうというか。その気持ち、すごく共感できました。心が痛めつけられ、クレイにとってはある意味公開処刑みたいなもので。淡い、ほんと淡すぎました。

 

ジャスティンとジェシカの場合

変貌ぶりに驚いたキャラクターといえば、ジャスティンとジェシカの2人になります。

特にジャスティンに至っては、薬中のホームレスに成り下がっていたのには1番の驚きでした。ここまで劣悪な環境で生活する状況になっていたとは、これが現実かと心が痛みました。家庭環境がもたらすジャスティンの精神状態というのは、あまりにも孤独で哀しい世界を生きているんだなと感じました。薬に頼ってしまうのも無理ありません。

最終的にはクレイから救いの手を差し伸べられるという意外な展開になりましたけど。なかなか感動的でした。丸く収まってよかったです。1番安心しました。

 

見た目や生活環境など目に見える変化が大きかったジャスティンに対し、ジェシカはどちらかといえば心の面で大きな変化がありました。

ボーイフレンドだったジャスティンの親友ブライスにレイプをされてしまったことで深い傷を負ってしまったジェシカは、男性に対する恐怖が心と体中に染み付いてしまいました。

ブライスの姿を学校で見る度にレイプされてしまったことが思い起こされ、はっきりと記憶はなくても触れられる感覚だけは覚えているせいで、彼女の人生はそのことに縛られ生きていく状況になってしまいました。生きている心地がしないというのはそういうことなのかなと思います。

誰にも言えずに苦しむジェシカの心情は、男性であるわたしには到底理解できないことではありますが、男性であってもクレイは彼女が変わるきっかけをつくりました。証言台でブライスからレイプをされてしまったことを証言し、ほかの女子生徒のことも代弁し、強くたくましく変貌を遂げたその姿はまるでジャンヌ・ダルクのようでした。なにかが吹っ切れたかのように覚悟を決め、意志が固まった人間というのは本当に強いなとジェシカを見てそう思います。

 

ブライスの場合

最後に紹介するのは、ドラマにおいて切っても切り離せないキャラクターで、悪の元凶でもあるブライスについて。

はい、この方生まれもったゲス野郎です。最低以上の人間性を兼ね備えた極悪非道の稀有な種族と言えます。またブライスだけでなく家族も権力と非道だけは達者で、こういう人たちとはわかり合えることは一生ないと思いますし、むしろわかり合える人間なんているのかな……同じ穴の狢であれば可能かもしれませんが。

モンゴメリーや他の生徒たちもよく友人でいられるなと理解不能でしたし、ガールフレンドのクロエに至ってはブライスの知らないところで悲劇を生むような形となり、人間としての価値はさらに暴落しました。救いようのない人間の誕生です。けしてめでたいことではありませんが。

親友であったジャスティンや親しかったザック、一見すると穏やかそうなクレイをも変えてしまうほどの有害をもたらし、これほどのキャラクターはさすがにわたしの身の回りにはいないのかなー、と。稀に見るラスボスですよ。このキャラクターは。一切の共感や同情はもてませんでした。

 

最も○ ○で賞

出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。

 

最もかっこいいで賞

ルックスであればジャスティン役のブランドン・フリンであったり、トニー役のクリスチャン・ナバロと言いたいところですが、どうしてもこの方の顔がちらついて離れません。そう、この方。クレイ役のディラン・ミネットです。

先ほど述べた男性2人と比べると若干のルックスの見劣りはあるのかもしれませんが、そのことを補うかのようにキャラクター性の良さが際立っていました。こんな人間この世にいるの?と思いたくなるようなレベルで。責任感、思いやり、芯が強い、真面目、熱い男といったイメージのキャラクターです。

まぁ、その反面傷つきやすく脆いところがあれば、怒りで感情が高ぶるところもあって、感受性が豊かなぶん血の通った人間らしさが感じられました。そういうところがクレイのキャラクターの良さだったりします。

少なくともブライスとは正反対にいる人間ではあります。ただ、怒りの感情に関しては行き過ぎるところがあるため、クレイという人間であっても必ず欠点はあるもの。そういったメッセージ性も込められたキャラクターなのかなと思いました。

 

最も美しいで賞

シーズン1で登場するのも終了かと思いきやシーズン2でも登場し、しっかりと自らの役割を果たしていた人物といえば、そうこの方です。ハンナ・ベイカー演じたキャサリン・ラングフォードです。

この娘、稀に見る美人さんです。13の理由の枠を超えても十分やっていける女優さんだと思いますし、もっとこの女優さんの演技を観ていたいと思いました。残念なことにシーズン1の自殺シーンは社会現象になったとして物議を醸し、今では別のシーンに切り替えられています。それくらいの破壊力はあったかなと思います。非常にデリケートな役柄をやってのけ、すごい女優さんだと思います。

『13の理由』をきっかけにこれからの活躍を期待していきたいところですが、ほかの出演作としては『アベンジャーズ/エンドゲーム』でモーガン・スターク(10代のスタークの娘)役として出演を果たし、一気に出世街道かと思いきや残念なことにそのシーンはカットされてしまったみたいです。理由はわかりませんが、大人の事情ってやつでしょうか。仕切り直して、次頑張ってほしいものです。

 

さいごに

ドラマを観て考えさせられることも多く、ついつい感じたことをそのまま書きなぐってしまいました。キャラクターひとりひとりの個性がほんと面白く、観ててまず飽きることはありませんでした。

レイプ、自殺、いじめなどのテーマが取り扱われた非常にデリケートなドラマではあります。もし今同じような悩みをもつ人がいれば抱え込まず勇気をもって誰かに相談すること。ドラマを通して、今一度子どもの将来について考えさせらました。子どもとは大きくなっても、なんでも話し合える関係でいたいかなと思いました。

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