映画『ALONE アローン』地雷を踏んで死ぬかもしれないという緊張感と恐怖感がハンパない作品
上映時間 | 106分 |
製作国 | イタリア / アメリカ合衆国 / スペイン |
監督 | ファビオ・レジナーロ |
音楽 | ルカ・バルボーニ アンドレア・ボニーニ |
配給 | Eagle Pictures(イタリア) Well Go USA Entertainment(アメリカ合衆国) パルコ(日本) |
公開日 | 2016年(イタリア / スペイン) 2017年(アメリカ合衆国) 2018年(日本) |
主な出演者 | アーミー・ハマー(マイク・スティーブンス) アナベル・ウォーリス(ジェニー) トム・カレン(トミー・マディソン) クリント・ディアー(ベルベル人) |
地雷を踏み、身動きが取れなくなった兵士の孤独な戦いを描いたアクションスリラー作品。
戦地へ出向いて敵と戦うわけでもなく、銃撃戦が繰り広げられるわけでもなくて……。ただひたすら自分との戦いを繰り広げる内容。一見するとこの地味な戦いをどのようにして描くのか。もしかするとまったくつまならいかもしれませんし、面白いかもしれない。これはある種、賭けでもありました。
鑑賞してみて、アーミー・ハマーの圧巻の演技力に圧倒されてしまいました。けして地味ではない、どのシーンも見逃せない手に汗握る106分間でした。今でも心臓がバクバク鳴っています。
あらすじ
テロリストの暗殺に失敗したアメリカ軍の兵士マイク(アーミー・ハマー)は、逃走中に誤って3,000万以上の地雷が埋まる砂漠の地雷原に入ってしまう。仲間が目前で爆死した直後、彼も地雷を踏んでしまい一歩たりとも動けなくなる。救出隊の到着までの52時間、自然の脅威や過去のトラウマのフラッシュバックに襲われながら、自分との戦いを強いられ……。
引用:シネマトゥデイ
感想
地雷を踏んでから52時間ものあいだ生き延びる自信はあるか
この問いに対してのボクなりに出した答えは……断固として「ない」のひと言です。だって、2日と4時間ですよ。まともな環境ならまだしも、どう考えても条件悪すぎますから。砂漠地帯にひとりだし。喉が乾いて、自分の尿を飲むしかない極限状態にもそりゃなりますよね。
砂漠地帯で地雷を踏むのは、過酷さのレベルでいうなら上位に位置するんじゃないかな。恐怖で支配されるのもうなずけます。悲しいことに、救助隊も応援は今から52時間後って……。死刑宣告を受けたも同然ですよね。これ。
ただいろいろな意味で、主役のマイク・スティーブンスからは、生きる強さというものを学ぶことができました。……この男、普通に強いですから。
生死について真剣に考えさせられる
今日死ぬか、明日生きられるかわからない極限状態のなか、マイクはなんとか生き延びようとするわけですが、この姿からは考えさせられるものがありました。しかも目の前で仲間の死を見せられましたから、これまた考え深いものがありました。
砂漠地帯のどこかで日中はギンギンに照りつける太陽の熱や砂嵐が容赦なくマイクを襲うかと思えば、夜は冷え込み辺りは真っ暗でほぼ視界はゼロ。時折聞こえてくる「ガルー」と鳴く声と、不気味に光る2つの目に瞬く間に恐怖心が芽生え、突然死と直面するような状況に陥ります。ただでさえまもともに寝ることも食べることもできにない状態にも関わらず、必死に生きる姿がそこに描かれていました。
アーミー・ハマーのあまりの名演技に凝視するのも辛くなりました。生きるために必要なもの、結局たどり着く答えは愛なんだなあというのがなんとなくわかりました。
どんな展開になるのか緊張の連続で疲れ果てた
地雷を踏んでしまいその場で52時間動けない状態から一体なにをおっぱじめるの?と思い、興味津々で観てみたこの作品も最高に面白かったです。レンタルして大正解。
結末に至るまでは本当に緊張しっぱなしで、頭の中は終始「どうなるの?」の連続でした。最後の展開はそれまで緊張していた糸が緩んでしまい、観終えた頃にはすごく疲れました。運動もなにもしていないはずなのに、その日の夜はぐっすり眠れました。
いやー、反則的な脚本と演出ですよ。この作品は。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
かっこいいもなにも、この方しかはじめから考えていませんでした。そう、マイク・スティーブンス役を演じたアーミー・ハマーです。見事なはまり役で、どうしてこんなにも外人って坊主が似合うんでしょうね。かっこよすぎます。
代表作は、『ソーシャル・ネットワーク』『ローン・レンジャー』『コードネーム U.N.C.L.E.』。
父は複数の会社を経営する社長で、曽祖父は世界的にも有名な石油王の一人、アーマンド・ハマーというから驚きです。生粋の御曹司とはまさにこの人のことで、弱点が見つかりません。プライベートでは妻にエリザベス・チェンバースをもち、2人の子どもに恵まれています。
ご両親の反対を押し切ってまでも俳優の道へ進んだようで、その覚悟や実力はまさにこの作品がものがたっています。最高にクールな俳優さんです。
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最も美しいで賞
出演している女優さんはボクが確認した限り2名ぐらいで、選択権はあってないようなものですが、どちらかといえばマイク・スティーブンスの婚約者のジェニー役を演じたアナベル・ウォーリスになります。
本作はアーミー・ハマーのための作品といってもおかしくなくて、ほかの方の出演時間は短く、アナベル・ウォーリスにいたっては回想シーンと最後だけでした。まあ、それでもマイクの母役のジュリエット・オーブリーよりかはましかなと思いました。
きれいな顔をしているのはしているのですが、うーん……。好みではないかなあ。ジェニー・ハルジー役で出演している映画『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』のときは色気を感じたのですが、出演する作品や演じる役柄によっていろいろ変わってくるものですね。
最近では、交際がウワサされていたクリス・パイン(37)とロンドンで手つなぎデートがパパラッチされたのが記憶に新しいかと思います。
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さいごに
結論、観てよかったなあと思いました。
緊張の連続で観終えた頃には疲れるには疲れるのですが、それが本作の良いところではあります。数少ない価値ある作品で、娯楽がてら観るのもいいですし生死について考えるために観るのもいいと思います。見方によって深い味わいがある作品ですので。