映画『ペンギン・ハイウェイ』おっぱい星人とお姉さんとの甘く切ないひと夏の青春を描いた作品
上映時間 | 119分 |
製作国 | 日本 |
監督 | 石田祐康 |
音楽 | 阿部海太郎 |
主題歌 | 宇多田ヒカル「Good Night」 |
配給 | 東宝映像事業部 |
公開日 | 2018年 |
主な出演者 | 北香那(アオヤマ君) 蒼井優(お姉さん) 釘宮理恵(ウチダ君) 潘めぐみ(ハマモトさん) 福井美樹(スズキ君) |
ナイス、おっぱい…ナイス、青春…。
少年、いいキャラ。おっぱいが好きで、探究心があって、何事にも物怖じしない性格とか、どストライクなキャラクターだった。
『サマーウォーズ』や『時をかける少女』に隠れてあまり注目されていないような気がしますけど、控え目にいって、もう最高。厳選、夏におすすめしたいアニメ映画のひとつに間違いなく入る。
あらすじ
少し不思議で、一生忘れない、あの夏が始まる。 小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録している男の子。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、「きっと将来は偉い人間になるだろう」と自分でも思っている。そんなアオヤマ君にとって、何より興味深いのは、通っている歯科医院の“お姉さん”。気さくで胸が大きくて、自由奔放でどこかミステリアス。アオヤマ君は、日々、お姉さんをめぐる研究も真面目に続けていた。夏休みを翌月に控えたある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。街の人たちが騒然とする中、海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか・・・。ペンギンヘの謎を解くべく【ペンギン・ハイウェイ】の研究をはじめたアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」一方、アオヤマ君と研究仲間のウチダ君は、クラスメイトの ハマモトさんから森の奥にある草原に浮かんだ透明の大きな球体の存在を教えられる。ガキ大将のスズキ君たちに邪魔をされながらも、ペンギンと同時にその球体“海”の研究も進めていくアオヤマ君たち。やがてアオヤマ君は、“海”とペンギン、そしてお姉さんには何かつながりがあるのではないかと考えはじめる。
引用:Filmarks
感想
少年というのは、登場キャラクターで言うところのアオヤマ君(以下、少年と呼ぶ)のことを指している。絶賛、片思い中のお姉さんが彼のことを名前ではなく少年と呼ぶ。その理由はわからない。
この二人の関係性は本当に素晴らしかった。少年にとっていつしかお姉さんの存在が大きくなってて、離れたくない、寂しい、悲しいとかの感情が汲み取れてしまうので、ぐっとくるものがあった。少年にとっては、お姉さんという存在は謎めいたところがあったので、ある意味研究材料の対象者みたいなところがあったかもしれない。
探究心がくすぶられるというか。そこから徐々に関わりをもつようになり。そんな彼も謎の物体(巨大な球体)の存在を知り、お姉さんとの関連性を見つけていく過程が描かれていますが、あれはまるでシャーロック・ホームズみたいだった。
どんだけ凄まじい頭脳をもっているのやら、普通にびびる。あれで小4は、ずるい。てか、すごい、としか言いようがない。
その脇を固めるウチダ君、ハマモトさん、スズキ君とそのゆかいな仲間たちも、それぞれがいい持ち味を出していた。
ウチダ君は、弱虫(心の優しい人とも言える)でクラスメイトのボス的存在のスズキ君には一切逆らおうとはせず、友人である少年を置いて逃げ出すところとか。助けてもらっているのにも関わらず、それを問い詰めない少年の性格の良さは際立っていた。小学校の世界を、結構な具合でリアルに描いていると思う。
その一方で、クラスメイトのマドンナ的存在のハマモトさんは、少年に惚れているところがあって、それを心の内に秘めていてなんとか振り向いてもらおうとアピールをするのだけれども、これが全部スカしてしまう。リアルにこれが悲しい現実で。
お姉さんにヤキモチを焼いて冷たく当たってしまうその行為は、男女関係なく誰もが通る共感ポイントすぎてやばかった。うんうん、そうだよね、と思ってしまう。逆に、スズキ君がハマモトさんのことを好きだってことを少年の口からお告げするシーンは、不謹慎にも笑ってしまった。
少年にとっては曖昧さを含んでいる人の気持を理解することが難しい傾向にあるので、なぜ嘘をついてまで隠す必要性があるのか、その疑問を抱くところは職業柄、そうだよなーと思わずうなった。お互い言えることですが、この年頃でそれを理解するのは難しい世界なんだろうなと思う。
マドンナの勢いはこれだけに留まらず、スズキ君に対してブチ切れるシーンは、これでもかというくらい気迫が感じられた。生理的に受けつけないだとか、二度と私の前に姿を表さないでとか、そんな意味をもたせるくらいの気概があった。
怖い、やばい、クレイジー。この言葉に尽きる。でも、彼女の気持ちはおおいにわかる。スズキ君のせいで、研究員の父にも秘密にしていた大切な研究材料を奪い取られてしまったのだから、気が狂ってしまうのは誰かてそうなってしまうと思う。
しかし、深く反省するスズキ君が段々かわいそうに思えてしまうのもあった。完全に噛ませキャラみたいな立ち位置で、気の毒。そのままうつになってしまうんじゃなかろうかと、深読みしてしまった。現実ならありえそうな話ではありますが。
それぞれがどこにでもいそうなキャラクターで共感度は高めですが、それ以上に演出が凄まじくよかった。どこぞのわからない平凡な街並みに、山奥にはきれいな草原が広がってて、行きつけの喫茶店があって、好奇心がそそられる出来事に遭遇して、最後はファンタジーで押し切って。大人になっても、こんなひと夏に憧れを抱かないわけがない。
笑えて、わくわく・どきどきして、時にはひやひやして、悲しんで、でも最後にはやっぱり温かい気持ちになって、観る者に対する感情の起伏が激しいシーンが満載で。おっぱいのことなんか、観終わる頃にはすっかり忘れていた。どちらかといえば、少年の青春物語が心の奥深くに刻まれた。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
主人公のアオヤマ君を選んだ。理由は、求めていたキャラクター像がそこにいたから。おっぱい好きで、勉強ができて賢くて、それでいて度胸があるなんて、超どストライク。
その遺伝子の根源となる父もかっこよかった。子どもに助言を送る言葉がいちいち心に刺さって、むちゃくちゃためになる。少年がどんな成長を遂げるのか、大人になった姿を見てみたいと思った。
ちなみに声優を務めているのは北 香那になる。2010年に舞台「赤毛のアン~アンからの手紙~」で主役のアンを演じ、2012年には映画「震動」でヒロインを務めた人物。テレビ東京ドラマ「バイプレイヤーズ」ではジャスミン役を好演し話題となった。特技は韓国語(日常会話)、クラシックバレエ、 料理、作詞・作曲になる。
[box class=”glay_box”]名前:北 香那(きた かな)
生年月日:1997年8月23日 (年齢 24歳)
出身地:日本(東京都)
身長:155 cm
血液型:A型
Instagram:@ kitakana..official
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]- 震動(2012年)
児童養護施設に暮らす高校生の男女が、音楽によって傷つき、やがて愛を深めていく様を描くドラマ。ほのかで純粋な愛情が感じられる感動の作品。
監督は宮藤官九郎で、長瀬智也&神木隆之介が共演する奇想天外コメディ作品。長瀬智也の怪演と笑いに徹するクドカン節が炸裂していて、観る者を選ぶような内容となっている。
総勢100人の役者陣が本人役で出演する一風変わった作品。役者たちでにぎわう富士山麓の撮影所「バイプレウッド」を舞台に、濱田岳を中心とした若手俳優たちが犬を主役にした映画の撮影に奮闘する中で、ベテラン俳優たちを巻き込みさまざまなトラブルが引き起こってしまうさまが描かれている。
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最も美しいで賞
歯科医院に勤めるお姉さんを選んだ。理由は直球ストレートにおっぱい……ではなくて。つか、お姉さん以外まともに女性キャラクターが登場していない。
ハマモトさんは年齢的にまだ幼いですし。美しいというよりかは、どちらかといえば可愛らしさのほうが強くて。なんなら彼女を選んだその瞬間に、途端に犯罪者に成り下がってしまうといった理由もついてくる。
まー、それを抜きにしてもお姉さんの魅力には勝てない。勝てるわけがない。ミステリアスな一面があるんだけれども、一緒にいると楽しそうな感じがして、そこが一番の理由になる。
ちなみに声優を務めているのは蒼井 優になる。福岡県出身の女優さんで、数多くの大ヒット作品に出演し第30回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、第49回ブルーリボン賞主演女優賞をはじめ多くの映画賞を授賞ている。夫は南海キャンディーズの山里亮太で一時期話題となった。
[box class=”glay_box”]名前:蒼井 優(あおい ゆう)
生年月日:1985年8月17日 (年齢 36歳)
出身地:日本(福岡県)
身長:160 cm
血液型:A 型
[/box]おすすめ作品3選
■映画
[aside type=”boader”]好きな男の子を巡って三角関係に陥った女の子が、恋と友情の狭間で揺れる様子を描いた青春映画。明るく素直なハナ役は鈴木杏、おてんばでいつもハナを振り回しているアリス役は蒼井優が演じている。好きな男子高校生が好きになったのは幼なじみという究極に甘酸っぱい展開に、終始感情が揺さぶられてしまう。
昭和40年の福島県いわき市の炭鉱町を舞台に、時代の移り変わりとともに廃れていく町の危機を救うために立ち上がった、常盤ハワイアンセンター(スパ・リゾートハワイアン)の誕生と軌跡の実話をもとにしてつくられた作品。フラガールたちが赤い衣装にまとって一心不乱にダンスを踊るシーンは圧巻。鳥肌もの。
原案は、沼田まほかるの人気ミステリー小説。蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊という豪華キャストが登場する。嫌な女と下劣な男、ゲスな男とクズな男という4人が、美しく残酷な想像を絶する物語を描く。
[/aside]■ドラマ
[aside type=”boader”]落語を題材とした、長瀬智也&岡田准一のW主演のドラマ。長瀬智也は落語家を目指す山崎虎児を演じ、岡田准一はどん兵衛の次男であり洋服屋「ドラゴンソーダ」の店長でもある谷中竜二を演じている。蒼井優はそこで働く店員・リサ役で出演している。ちょい役だけれども、竜二のことを陰ながら支える重要な役柄となっている。
- おせん(2008年)
原案は、きくち正太原作の同名人気コミック。蒼井優は主人公の半田仙を演じている。舞台となっている老舗の料亭「一升庵(いっしょうあん)」で繰り広げられる、グルメ人情物語。蒼井優の可愛すぎる着物姿は必見。
原案は、新井英樹原作の同名漫画作品。蒼井優は、文房具メーカーのマルキタに勤める宮本浩(池松壮亮)の先輩社員の中野靖子を演じている。社会の荒波に揉まれる中で必死に自身の生き方を模索していく過程を描いた青春サクセスストーリー。
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さいごに
まさかの主人公の少年がおっぱい好きという、なんともハレンチな作品かと思いきや、観ると違った。只者じゃない。クレヨンしんちゃんもハレンチで賢い子どもだけれども、ユーモアを抜き取るとちょうど少年のようになると思う。どう考えてもキャラの良さが光っていた。ひと夏の青春が感じられる最高の作品。毎年夏の時期に鑑賞確定。
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