2021-08-01

『時をかける少女』17歳の思春期に、勇気という名の背中を押してくれる作品

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上映時間98分
製作国日本
監督細田守
音楽吉田潔
主題歌ガーネット」奥 華子
配給角川ヘラルド映画
公開日2006年
主な出演者仲里依紗(紺野真琴)
石田卓也(間宮千昭)
板倉光隆(津田功介)
原沙知絵(芳山和子)
谷村美月(藤谷果穂)
垣内彩未(早川友梨)
関戸優希(紺野美雪)
総合評価
『時をかける少女』:

 

青春アニメ映画のお手本のような作品だな、これ。

わかる、わかる、確かにわかる。真琴の行動や気持ちに共感できすぎて、大人になった今では、17歳の未熟さに苛立ちを覚えることがありましたけど、それが17歳なんだなと割り切ることでなんとか平静を保てた。

物語ではところどころに何気に伏線とやらが張り巡らされていましたし、もしかするとあのときの千昭はこうだったのかもしれないと思う節目があったので、全体の感想を含め僕なりの見解を書いていきたいと思う。

いろいろと妄想を膨らませることで、鑑賞後も楽しめる作品だなと思った。つまり、妄想次第では楽しみ方は無限大だ。

あらすじ

高校2年生の紺野真琴は、理科実験室に落ちていたクルミをうっかり割ってしまったことがきっかけとなり、時間を飛び越えて過去に戻る力「タイムリープ」を手に入れる。 彼女はさっそく「タイムリープ」の力を試すべく、妹が食べてしまったプリンを食べにいく。 自分が“飛べる”ことを確信した真琴は、男友達の間宮千昭や津田功介とカラオケでノドが枯れるまで歌ったり、3人で何度も野球をして好プレイを連発してみたり・・・。何気ない日常を思う存分満喫するのだった。 何があっても大丈夫、また戻ればいい、何回でもリセットができる。そんな楽しい毎日が続くはずだった。千昭が真琴に「俺とつきあえば?」と告げるまでは。Time waits for no one.(時は人を待たない)。 「タイムリープ」を繰り返し、残り回数が底をついたとき、真琴は自分にとって一番大事なかけがえのない時間がそこにあったことに気づくのだった・・・。

引用:Filmarks

 

感想

夏に観たくなる理由とやらが、なんとなくわかったような気がする。この作品自体が青春そのもので構成されていた。

「学校、高校生、思春期、自転車、電車、踏切、からくり時計、冷蔵庫のプリン、河川敷、水切り、野球部のランニング、恋愛、友達、家族、近所、カラオケ」などなど。

これらのキーワードによって構成されているもんだから、心になにかしらのものが伝わってこないわけがない。いや、むしろ、直球ストレートに、ずどん、と伝わってくるものがある。

しかも視点を変えてみると、主要キャラクターの真琴、千昭、功介だけでなく、真琴の友人であったり、功介に恋心を抱く後輩であったり……。なんなら調理体験のときに真琴と調理の役割を変わった高瀬 宋次郎の気持ちにすら共感できた。

本来なら真琴がヘマをするであろう行為を、タイムリープという特殊技が使えるようになったせいで、誰かが傷つき。その誰かが高瀬であり、のちにいじめの対象にまで発展する。

自分が嫌な思いをしたくないからといって他の誰かに罪をなすりつけるようなまねをし、出来事を運命をコントロールした先に待っていたのは最悪のシナリオ。高飛車になっていた真琴もさすがに最低の行為だってことに気づき、徐々に罪悪感が芽生えた頃には時すでに遅し。

よかれと思って行動していたことが、歯車が狂ってしまったかのように最悪の事態を招いてしまう。これにはさすがの真琴も精神崩壊にまで至る。自分の行動によって引き起こされた出来事だっただけに、想像を絶する反動であったことが容易に想像できる。

「本来死ぬべき存在だったのはわたしだったはずなのに……」そんなことを思っていたに違いない。苦しみの淵に立たされた真琴の姿にみかね、救済処置として施したのは千昭によるタイムスリープ。

お前もできるんかい!とビビった。しかも未来人だなんて親切に説明がはじまったときには、脳裏で途端にパズルのピースがはまってしまったかのようにビビッときた。なるほど、なるほど。甘酸っぱい青春物語だな、これは。

ここから千昭に対する僕なりの考えをつらつらと書いていくわけですが、真琴がタイムリープを身につけることができたそもそものきっかけは、科学室でクルミにぶつかってしまったのがトリガーとなった。科学室に用事があったのは、宿題を持っていく当番だったため。科学室にクルミを落としたのは千昭で、わざとではない。偶然の産物。

その後、科学室にいる真琴のもとに友人の早川 友梨が登場する。真琴は彼女に誰かとすれ違ったかを尋ねる。千昭とすれ違ったことを証言する。(風と共に去っていった真琴には聞こえていない)

このとき浮上する疑問が、なぜ科学室に千昭はいたのかということ。真琴と同様の用事があったわけでもなく、科学室には行っていないと嘘までついていた。嘘をつくほどの理由が千昭にあったのかと考えると、あるひとつの仮説が見えてくる。

それは、千昭は真琴に告白する気持ちでいたかもしれない、ということ。あくまで憶測のなかでの話で、真実を確かめるすべはありませんが、そう考えると物語に散りばめられた伏線の合点がいく。

場所は違えど、千昭は河川敷で真琴に告白をするシーンがある。一緒にご帰宅する以上は、この運命から逃れる術はなく。唯一逃れる方法として、ずいぶん前の時間に戻り千昭のことを避けようとする。運命は簡単に変えられ、真琴も違った人生を生きることになる。

本音で生きられない真琴の人生は、17歳という思春期を代弁しているかのような描写だった。未熟で、少し恥ずかしがり屋で、自分の気持ちを隠したい一心で、自身に恋愛という名の白羽の矢が立つと途端に向き合えない弱さ。

あれが17歳の心だし、勇気が出せずに過ちだってたくさん犯してしまうのも十分にしてわかる。そういった面では、『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』に通ずるものを感じた。未熟だからこそ、中盤から終盤にかけて強くなろうと成長する真琴の姿に自分自身を重ね、えらく共感の渦潮に巻き込まれてしまった。

もうね、これは最高の追体験になるわけで。真琴や千昭のような青春を謳歌していなかったからこそ、本作から得られる青春片道きっぷのような体験は定期的に味わいたくなってしまう。次はいつ観ようかと、今からでも仕込みの作業を行っておきたい。いつの世も青春って最高だなと、これ観たらそう思う。

 

最も○ ○で賞

出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。

 

最もかっこいいで賞

主要キャラクターの津田 功介を選んだ。理由は生粋のクソ真面目というか、千昭とは真反対の性格で、安定感が違う。将来は医者を目指しているためか、先のことを見据えて行動している感じがして、しっかり者という印象を受けた。真琴や千昭のなかでは、頼れるお兄ちゃん的存在のような立ち位置にいる。

ちなみに声優を務めているのは板倉 光隆になる。サマーウォーズでは陣内克彦、新テニスの王子様では佐々部順一の声優を務めている。

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名前:板倉 光隆(いたくら みつたか)

生年月日:1976年11月22日 (年齢 44歳)

出身地:日本(静岡県)

身長:172 cm

血液型:A型

Twitter:@mitsutaka1122

Instagram:@itakurakouryu

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おすすめ作品2選
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■ アニメ映画

夏に観たくなる映画としては、『時をかける少女』と同等かそれ以上。注目すべき点は、2009年に製作されたというところ。この年代の時点で、ここまでインターネットの世界をリアルに描いていること自体が、普通にすごい。監督の細田 守さんは先見の明があるとしか言いようがない。

ただただ、登場キャラクターに癒やされてしまう。優しい作風&その可愛さにほっこりする。子供向けのアニメ映画ではありますが、大人にもおすすめ。

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最も美しいで賞

芳山 和子を選んだ。理由は主人公・真琴のよき相談相手であり、自身もタイムリープ経験者であることをほのめかすセリフもあって、存在自体が謎だったから。その設定というか、キャラクターとしては特殊な存在のような気がして、そこに美しさを感じた。あと美術館で働いているという時点で、生き方が美しいと思った。

ちなみに声優を務めているのは原 沙知絵になる。福岡県出身の女優さんで、数多くの作品に出演している。

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名前:原 沙知絵(はら さちえ)

生年月日:1978年5月1日 (年齢 43歳)

出身地:日本(鹿児島県)

身長:173 cm

血液型:A 型

Instagram:@harasachie

原 沙知絵オフィシャルサイト:https://www.ken-on.co.jp/hara/

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おすすめ作品3選
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■ 映画

不登校の少年がロボットの助けによって成長してく姿を描いた青春作品。物語に父子のすれ違い、母親との死別、引きこもり、学校でのいじめ、友情、初恋など様々なテーマが取り扱われていて見応えは十分。子どもたちの演技は見どころ。

全4話で構成された恋愛オムニバス作品のひとつ。上映時間が25分と短い時間ではあるものの、人との繋がりについて考えさせられる内容となっている。

人生の節目を迎えた3組の熟年夫婦の姿を描いた作品。定年や離婚、病気といった出来事をきっかけに改めてお互いの関係を見つめ直す心情が切なくも、心にぐっと刺さる感動ドラマ。なによりも気持ちの大切さを痛感する。

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■ ドラマ

反町隆史と竹野内豊のダブル主演に加え、そして世の男性諸君から当時絶大な人気を誇った広末涼子が出演している作品。巷では伝説の月9ドラマとまで言われている。

日本の刑事ドラマシリーズ。原 沙知絵は監察医の役柄で出演。名作というよりも傑作と名高い作品。

  • 女ともだち(2020年)

原 沙知絵の主演作品。恋愛、結婚、不倫などをテーマに女性の心理や葛藤を描く。時代は変わっても普遍的で変わらないものを取り扱った、女性が観ると共感度が高い内容となっている。

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さいごに

まともに観たのは、実は今回がはじめて。毎年夏の時期に観ようと心に誓ってしまいたいくらい、得るものがあった。まさに青春アニメ映画の代表作といっても過言ではない。良くも悪くも、心を揺さぶる作品ってのは、いい。すごく、いい。時をかけられるようになったら僕だったらなにをするか。青春を取り戻すこと以外今のところ考えられない。

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