『シスターズ』全凡人に告ぐ、こんなお金持ちになりたいかを問いたくなる作品
ジャンル | ドラマ ミステリ ファミリー |
公開日 | 2022年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | キム・ヒウォン |
話数 | 全12話 |
配給 | Netflix |
主な出演者 | キム・ゴウン(オ・インジュ)ナム・ジヒョン(オ・インギョン) パク・ジフ(オ・イネ) ウィ・ハジュン(チェ・ドイル) |
2022年に公開された韓国ドラマはやたらとお金を絡ませているものが多い。
その中でも『シスターズ』は、別格。なんと、700億ウォン(約70億円)という大金だから驚き。上層階流らたちは700億ウォンをはした金みたいな扱いをするので、さすがはセレブたちと言うべきか。やることなすこと、まぢでぶっとんでる。
まったくお金持ちの考えることは、凡人にはよくわからん。理解できないからお金持ちなのか、お金持ちだから理解できないのか、この際どっちでもええですけど、このドラマにおいては人間の欲望とやらがありとあらゆる角度でうずめていたので、それぞれ目的は違えど、終着点は同じってところがハッピーエンドでよかった。
それまでが絶望の嵐でしたけどね……。
あらすじ
貧しいが仲睦まじく育った三姉妹は、お金のためにプライドが傷つく経験が少なくなかった。そんな彼女たちは、700億ウォンの謎の大金を手に入れたことで事件に巻き込まれ、やがて韓国で最も裕福な有力一族に立ち向かうことになる。
引用元:Wikipedia
若草物語(シスターズ)とは?
若者たちが主人公の話を書きたかった。
彼らはどんな話を聞きたいだろうか?
愛でもないし、復讐でもないし、冒険でもないし…
お金についての話ではないだろうか?
韓国社会の至る所にお金に関する話があふれている。
そんな社会の魂はどんな姿だろうか?
お金に対する我々の欲望はどこから来たのだろうか?
今日も我々はお金について何を語りどんな夢を見たか?
そういうものを書こうとした。
若草物語(小説)は少女たちにとっては魂の本だ。
少女たちは皆 自分が4姉妹のうちの誰に属するのかを考えながら成長する。
本の姉妹たちは絶えずお金と貧困について話し合う。
私はこの姉妹たちを現代韓国に連れて来てみたかった。
メグの現実感と虚栄心、ジョーの正義感と共鳴心、エイミーの芸術感覚と野心は、貧困をどのように乗り越えてどのように成長していくのか。
若草物語だからといって、小さくて素朴な話にしたくなかった。
姉妹たちの小さくて具体的な人生の物語の下に、韓国社会の巨大で暗い話が同時に流れるようにしたかった。
話が進行する間、姉妹たちは一瞬も止まらず前進し成長する。
そして話が終わった時、我々はとても高い場所で、大きく成長した若草物語に出会うことになる。
ゆえにこの物語は小さいながらも大きく、低いながらも高い話だ。
感想
「一にお金、二にお金、三、四はなくて、五にお金」
つまり、こういうことですよね。あー、これ、美人三姉妹の長女・インジュの気持ちをひと言で表したもの。
貧乏家庭に育ったことで、いつかはお金持ちになって贅沢な暮らしがしたい、そんな夢見るインジュのもとに突然700億円が手に入ってしまうという……。なんとも摩訶不思議な話ではありますが、それと引き換えに待っていたのは会社の先輩・ファヨンの死。
残酷的な展開から幕を開け、しかし、先輩の死には不可解な謎が残されていた。青の蘭、赤い靴、クローゼットで首吊り……。そして、物語最大の謎は大金を残したままなぜ自死を図ってしまったのか。しかも、母の葬式を手伝ってくれたからといって、会社の後輩であるインジュに対して。
人として気が合ってたし可愛がっていたとはいえ、いくらなんでも700億ウォンの大金をインジュにあげる行為が謎すぎる。
その真相を明らかにしていくのがドラマの主要部分になるわけですが、早速20億ウォンがファヨン先輩の行きつけのトレーニングジムのロッカーに入っていたり、シンガポールに残りの680億ウォンがあるといったことも含めて、先輩は一体何者?と、ある意味亡くなったファヨンに振り回されてしまう。
つか、普通にすげーよ。ドラマの運び方がまぢでうますぎる。一切の違和感なく、視聴者側はまんまとドラマの演出によって騙しのテクニックにいざなわれてしまって、11話目の裁判所での痛快な展開といったら、それはもう、伏線回収としては最高のシーンでした。
この感覚はドラマでしかなかなか味わえないので、まぢでやめられない。11話を観るためだけに観てほしい。とはいえ、1話を観た時点でハマってしまうのも間違いない。
お金のために魂を売らない、自らの危険を顧みないド根性記者の次女・インギョンや、姉2人の過度な頑張りにわずらわしさを感じている三女・イネの置かれている立場とか、姉妹それぞれのキャラクター性が違うのも楽しめる要因ではあった。
そんな彼女たちの葛藤も細かく描かれてて、三姉妹がラスボスのウォルリョン家に集約されていく過程で、もがき苦しみ、それでも勇敢に立ち向かい戦う姿からは、貧乏人がお金持ちを完膚なきまでに打ちのめすお決まりの展開にはスカッとするものがあった。
1話70分と気軽に観れるものではありませんでしたが、物語自体はきれいにまとめられているのでスカッとしたい方にはおすすめ。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
チェ・ドイル役のウィ・ハジュンを選んだ。選んだ理由は、なんだかんだで惑わされてしまった。見た目かっこいいですし、知的な行動によっていちいち狂わされてしまった。
怪しいけど、怪しくないかも……。そんな情報が錯乱して、終始脳内のバグ発生。最後の最後まで処理が難しかった。
脇役のようでそうでない。ドラマの引き立て役だったのは間違いない。存在感抜群でした。ジェントルマンすぎて、好きになれた。
[box class=”glay_box”]名前:ウィ・ハジュン(위하준)
生年月日:1991年8月5日(31歳)
出生地:韓国
身長:180cm
Instagram:@wiwiwi
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]アメリカでの勤務を終え、3年ぶりに韓国に帰ってくる男性と、仕事にプライベートにうまくいっていない35歳女性とのピュアな恋愛ドラマを描いた作品。家柄や年の差の問題が心にグサッと突き刺さってしまう。
出版社を舞台に本を作る人たちの話を温かく描いたドラマ。韓国の文化や厳選されたセリフの美しさは、それだけでも鑑賞の価値あり。
2021年の韓国ドラマを代表とするひとつ。456億ウォンの賞金をかけた謎のデスゲームに挑む参加者たちの壮絶な人間ドラマが描かれている。観ない理由が見つからない。
[/aside]最も美しいで賞
オ・イネ役のパク・ジフを選んだ。選んだ理由は、ルックスといい、演技力といい、実力を備えた大物女優になる予感がするから。いや、むしろ、もうなっているような気がする。
彼女の存在をはじめて知ったのは、2022年の『今、私たちの学校は…』でナム・オンジョ役で出演したのがきっかけ。そのときから実は注目をしていた。
感情を昂らせる演技をやらせたらピカイチ。こちらまで感情の矢を飛ばしてくるので、リアルにひしひしと伝わるものがある。10代の女優プレーヤーのなかでもあきらかにオーラが違う。これからの活躍にも注目していきたいところ。
[box class=”glay_box”]名前:パク・ジフ (박 지후)
生年月日:2003年11月7日(18歳)
出身地:韓国
身長:160cm
Instagram:@03hu
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]- 僕たちの復讐ノート2(2018年)
お節介な女子高校生が、復讐を可能にする「復讐ノート」アプリを手にし、納得のいかない出来事を解決していきながら成長してく気分爽快ドラマ。
- 美しい世界(2019年)
イジメが原因で飛び降り自殺を図った子供の家族が、真相を突き止めようとするヒューマンサスペンスドラマ。被害者家族の心理が丁寧に描かれてて、痛ましい気持ちになってしまう。
ゾンビウイルスがまん延した高校に閉じ込められた生徒たちが、生き残るために力を合わせて戦う物語。公開と同時に世界中で爆発的な人気を博したドラマ。
[/aside]さいごに
ドラマについて要約すると、韓国にありがちな貧困層VS富裕層との戦いに、スパイスにミステリ要素を加えたことでドラマ自体の奥行きが深った良質な作品になる。
ミステリ要素高めではありますけど、もしも70億円手に入ったら自分だったら今なに使うか。そんなことを考えながら観るのも面白い。