映画『レッド・スパロー』ジェニファー・ローレンスの美貌とエロス、そして狂気にご注意して観るべき作品
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上映時間 | 140分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | フランシス・ローレンス |
音楽 | ジェームズ・ニュートン・ハワード |
配給 | 20世紀フォックス |
公開日 | 2018年 |
主な出演者 | ジェニファー・ローレンス ジョエル・エドガートン マティアス・スーナールツ シャーロット・ランプリング メアリー=ルイーズ・パーカー ジェレミー・アイアンズ |
スパイはスパイでもけして強くはない。でも、人の心理を逆手に取ってかき乱すのが得意なジェニファー・ローレンス演じる主人公のドミニカ。
最後の最後まで彼女の心理が読めませんでした。どっちの味方なのか、疑えば疑うほど頭は混乱するばかりでした。
ロシアサイドの人間なのか、それともアメリカサイドの人間なのか。それとも別のなにかか。この辺を意識して鑑賞してみるとけっこう楽しめた作品です。
あらすじ
事故によってバレリーナの道を諦めたドミニカ(ジェニファー・ローレンス)。母親をめぐるやむを得ない事情から、彼女はロシア政府直属の諜報(ちょうほう)機関の一員になる。美貌を生かした誘惑や心理操作で情報を入手する「スパロー」と呼ばれるスパイとして育成された彼女は、瞬く間に才能を発揮する。そして新たなミッションとして、ロシアの機密事項を探るCIA捜査官ナッシュ(ジョエル・エドガートン)への接近を命じられるが……。
引用:シネマトゥデイ
感想
ジェニファー・ローレンスの魅力が完全・完璧に全開
こりゃ、ずいぶんとえげつない映画を観たなあというのが、この作品を観終わったあとの率直な感想になります。
スパイ映画のなかでも今までの部類とは違った系統の作品で。
そうですね。『アトミック・ブロンド』でシャーリーズ・セロン演じるロレーン・ブロートンが生々しい肉弾戦を得意としているのなら、本作のジェニファー・ローレンス演じるドミニカという人物は美貌と知能を生かして戦うスパイになります。
レイプされそうになって防衛こそしますが、派手なアクションシーンというのがほとんどありません。
だからといって見応えがないわけでもなくて、いやむしろ、ジェニファー・ローレンスが体当たりで挑んだ演技を目の前にずっと引き込まれてしまいました。
エロティック・サスペンスというだけあって相当な際どいシーンがあって、世の男性諸君の心理をもコントロールしようとする演出の上手さがありました。
大げさかもしれませんが、彼女の代表作でもある『ハンガーゲーム』以上の代表作と言ってもいいほど、個人的には驚きと新たな可能性を感じました。
やっぱすごいわ、この人。
ドミニカ身の回りで起きる出来事や取り巻く環境がとにかくすごい
良い意味ではなくて悪い意味で、ですけど。
ドミニカ自身の人生もかなり苦労の連続で、病気の母の治療費と生活を支えるためにバレリーナとして頑張っていましたが、残酷にも舞台での演技中事故に見舞われてしまいます。観てるこちら側までも身体の節々が痛む錯覚に陥ってしまうほど、それはそれは生々しいものでした。
事後、杖を使って立てるようにまでなりましたが、十分な回復が見込めずバレリーナへの道が断たれてしまいます。まるで競走馬の世界みたいと思いましたが。
不運と思われていた事故も、叔父でもあるワーニャ・エゴロフから救いの手を差し伸べられます。ただ、手に取ったときが最後。ドミニカのなかでリミッターが解除されてしまいます。
もうね。そのあとのシーンなんて嫌な予感しかしませんでしたから。
性行為中のエロいシーンが流れてお色気ムンムンと思いきや次の瞬間、フルボッコで生々しい傷跡が映し出されて血だらけ。そら腹も立てるわなって感じでしたけど、いくらなんでもやり過ぎなような気も・・・。このとき、ドミニカという人間性のなかに悪魔を見た瞬間でもありました。いや、まぢで怖すぎます。
でもよくよく考えたら、一番怖かったのはそれを仕向けた叔父のワーニャ・エゴロフなのかなとも思います。
これはほんの序章で、その後も続くドミニカとワーニャの間で起きる出来事にはハッと驚くような展開ばかりで片時も目が離せませんでした。いや、ほんとに。まじめに。
映画でしか知れない、知ることのできない世界を垣間見れて、ある種貴重な体験をすることができました。
それだけでも本作を観る価値があります。キャスト、演出、ストーリー、音楽すべてにおいて最高と思える作品です。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。
表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最も美しいで賞
これは誰が何を言おうとも文句なしにジェニファー・ローレンスの一択です。
作中の彼女は上から下まで、内面から外側まで、とにかくパーフェクトウーマン過ぎて最後の最後まで見惚れてしまいました。ただただ、美しいのひと言でした。
役柄を考えれば普通ならロシア人をキャスティングするべきだと思いますけど、アメリカ人の彼女を選んだ理由というのが作品を観れば大体わかります。断然、納得せざるおえません。
ハニートラップとわかってても、男である以上仕方のない犠牲と割り切って自ら引っかかりに行くと思います。だって、こんな美しい女性と関わりを持ちたいと思うのがごく自然な流れと思いますし。谷間ぱっかーん開いた水着なんて、誰が見ても二度見ならず何度でも視線が向いてしまいますからね。
個人的には『ハンガーゲーム』の時代のときよりも今のほうが、いろいろな経験を吸収してきたと思うので、洗練された雰囲気が漂っててとてもよかったです。
最もかっこいいで賞
いつもなら最も美しいで賞の先に男性部門でこの賞を表彰するのですが、今回はあえてあとにもってきました。
というのも選んだ人物が男性ではなくて女性だからです。
本作に限ってはどちらかと言えば、男性よりも女性のほうが強くたくましくて、特にロシアの諜謀機関の訓練施設で監督官を演じていたシャーロット・ランプリングは別格でした。
役柄のことを考えるとある種、男前であると思います。うん・・・。
冷静沈着な人物で、どんなことがあっても常に表情ひとつ変えず。すごく不気味で、性欲に関する授業をひたすらやってて生徒に対して残酷なことを平気で強要します。
常識外れと思うことでもこの世界では至ってまじめで、だからこそのスパローなんだと思いますが。
精神的に一旦自分の概念をぶっ壊すための訓練がヤバすぎて、同情の余地なんてものは一切感じる暇さえありません。
さいごに
最近の映画は生々しさが流行っているのか、本作は至るところで目を背けたくなるような映像が流れます。そういうのが苦手な方にはおすすめしません。
今までのスパイ映画だとスマートに身をこなすアクションが定番でしたが、本作は心理戦を強く意識したものなので、また違ったスパイ映画の形となっています。
個人的にはジェニファー・ローレンスの魅力を存分に味わえた最高の作品だと思っています。1度だけでなく、また時間を置いて観たくなる映画です。