『ローガン』命の尊さを学び、子役のダフネ・キーンの演技力にも圧倒された作品
上映時間 | 137分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | ジェームズ・マンゴールド |
音楽 | マルコ・ベルトラミ |
配給 | 20世紀フォックス |
公開日 | 2017年 |
主な出演者 | ヒュー・ジャックマン(ローガン / ウルヴァリン) パトリック・スチュワート(チャールズ・エグゼビア / プロフェッサーX) ボイド・ホルブルック(ドナルド・ピアース) スティーヴン・マーチャント(キャリバン) リチャード・E・グラント(ザンダー・ライス博士) ダフネ・キーン(ローラ / X-23) |
どうも、バンコ(@banco_oc)です。
最後にX-MEN映画シリーズを観たのはいつだっただろうか。
ウルヴァリンことローガンやプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアのずいぶんと年老いた姿に、時の流れをしみじみと感じてしまいました。
お二方とも本作で引退するようで最後に相応しい、まさに有終の美を飾っていました。
こんなかっこいい引退の仕方があっていいのでしょうか。
ヒュー・ジャックマンとパトリック・スチュワートが全身全霊をかけて臨んだ本作は一見の価値ありと言えます。
あらすじ
すでにミュータントの大半が死滅した2029年。長年の激闘で心身共に疲弊しきったローガンはもはや不死身の存在ではなく、リムジンの運転手として日銭を稼ぎ、メキシコ国境近くの廃工場で年老いたチャールズ・エグゼビアの面倒を見ながら暮らしていた。ある日、ローガンはガブリエラという女性から、ローラという謎の少女をノースダコタまで送り届けてほしいと依頼される。まもなくガブリエラは殺害され、やむなくローガンはローラを廃工場にかくまうが、ローラを奪い返すために巨大企業トランシジェン研究所から放たれた男ピアースが武装集団を引き連れて廃工場に押し寄せてくるのだった……。
引用:映画『LOGAN/ローガン』オフィシャルサイト
感想
ミュータントといえどもその時が来れば老いて死んでしまう
いくら最強の特殊能力をもっているプロフェッサーXであろうとも、ヒーリングファクター(超回復能力)をもっているウルヴァリンであろうとも、時が経てば命も尽きてしまいます。
これ、すごく当たり前のことですが、ボクの心の中ではいつまでもお二方の若々しく輝いている姿を見ていたいと贅沢にも思っていました。
しかしそんなことは年齢的にも肉体的にも難しい話であって。
2000年に『X-メン』がはじまって以来、17年の歳月が経ち。
ヒュー・ジャックマンは現在48歳、パトリック・スチュワートに至っては77歳にもなります。
これ以上身体に負担をかけさせるのも酷な話ですし、当の本人が引き際と思って引退することになったわけですから、なにも止める術はありません。
で、今回お二方の役柄設定について。
まずは、プロフェッサーXから。
これまでのX-MEN映画シリーズではミュータントたちを牽引する者として絶大な存在感を放ってましたが、本作ではただの認知症患者のジジイに成り下がっていました。
まあ時々、特殊能力を自制することができず暴走していたので、ただの認知症患者とは言い難いですけど。
トイレや食事もまともに一人でやれないわで、介助付きでしたし。
あまりの変貌ぶりに複雑な心境しか抱きませんでした。
「おいおい、これがあのプロフェッサーXなのかよ」と思ってしまうほど、けっこう衝撃的に変貌してました。
続いて、ウルヴァリン。
プロフェッサーXの介護をしていたのは紛れもない、彼です。
過去のシリーズを観てもらうとわかりますが、あの暴君が今となっては専属介護士になっていたり、運転手として生計を立てていたり、と。
特殊能力のヒーリングファクターが老化とともに弱まり、全身の骨格に施されたアダマンチウムの影響で身体が蝕まわれ、数人のチンピラを相手にするのにも手こずるという。
ずいぶんと退化してて、素直にショックでした。
「ゔあ」と叫びながら両手を広げるあの定番のポーズをしたときに、尋常じゃないくらいに全身に血管が浮かび上がる姿はウルヴァリンの象徴でした。
が、本作ではそんな勢いもなく、死期が近づいているのを待っているただの無精髭を生やした中年男に変貌してました。
ローラ役のダフネ・キーンがクロエ・グレース・モレッツを連想させる
女性版ウルヴァリンのローラが、今回ド派手かつ大胆に暴れます。
作中でも言われていましたが、昔のローガンを見るようで、ほんと気持ちのいい暴れっぷりでした。
ただ、けっこうな勢いでグロい描写があります。
サクサクっと人を次々とクローで仕留める姿は、まるで映画『キック・アス』のヒットガール(クロエ・グレース・モレッツ)のようでした。
その当時も思いましたけど、よくもまあ、子役にこんなことをやらせることができたなあ、と。
頭やら腕やら、身体中に次々と平気な顔でクローを突き刺して殺しをやっているわけですから、子を持つ親としては痛々しい気持ちにもなるわけで。
まあ、それくらいダフネ・キーンの演技力はすごいってことですけど。いや、むしろめちゃめちゃすごいです。
12歳であの演技は天才すぎます。
第2のクロエ・グレース・モレッツと言われてもおかしくないほど、ダフネ・キーンへの可能性が感じられる作品となりました。
次回はどんな作品に出演してくれるのか、注目していきたいと思います。
さいごに
ヒュー・ジャックマンとパトリック・スチュワートの引退作とも言われている本作ですが、これまで公開されたX-MEN映画シリーズを観ておくと高い確率で感傷に浸れる内容となっています。
新たなX-MEN映画シリーズの幕開けでもあるため、別に単体でも楽しめないってことはありませんが、せっかく観るなら今までのシリーズを観ておいたほうが心から楽しめます。間違いなく。
度重なる戦いで身も心も疲れ果てたヒーローが、人生の終わりにどういった行動をとるのか、ここに注目して観てみてください。