映画『ザ・プレデター』コメディ色が強くなりすぎてつまらなくなった作品
上映時間 | 107分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | シェーン・ブラック |
音楽 | ヘンリー・ジャックマン |
配給 | 20世紀フォックス |
公開日 | 2018年 |
主な出演者 | ボイド・ホルブルック(クイン・マッケナ) トレヴァンテ・ローズ(ネブラスカ・ウィリアムズ) ジェイコブ・トレンブレイ(ローリー・マッケナ) キーガン=マイケル・キー(コイル) オリヴィア・マン(ケイシー・ブラケット) トーマス・ジェーン(バクスリー) アルフィー・アレン(リンチ) スターリング・K・ブラウン(ウィル・トレーガー) |
プレデターといえば、ボクが生まれた年の1987年に1作目が公開されました。このとき主演を務めていたのは、アーノルド・シュワルツェネッガーです。そう、筋肉モリモリの方です。今や映画に出演しているのをあまり見かけなくなったので寂しい気もしますが。
このときのプレデターは、透明状態になれるわ、サーモグラフィーでこちら側の動向は把握されるわ、レーザー光線で狙い撃ちされるわで、もうほとんど太刀打ちできない状態で一体どうやって倒すのか、ハラハラ・ドキドキしながら観ていたんですが、今作に限っては……なにこれ?、駄作と言いたい。
あの手この手を使って決死の思いで倒していた1作目と比べて、あまりにもプレデターという存在が軽い感じに扱われているような気がして、ふざけた要素が入りすぎているかなあと思いました。今作の内容は期待していただけにちょっとがっかりでした。
あらすじ
家に届いた箱の中に入っていたもので遊んでいた少年は、謎めいた装置を起動させてしまう。装置からシグナルが発信され、さまざまな惑星で生物をハンティングしてきた地球外生命体プレデターがやって来る。地球に到着し狩りを始めて人々を震え上がらせるプレデターに傭兵(ようへい)たちが対抗しようとするが、人知を超越した格闘や殺害のスキル、異種交配を経てきたことで遺伝子レベルであらゆる能力がパワーアップした彼らに苦戦を強いられる。
引用:シネマトゥデイ
感想
盗作疑惑?
いやね、どう考えても、あの有名な作品にしか見えなかったんですよね。特に最初と最後のシーンは、これパクリかなあと思いました。だって、冒頭にはじまる宇宙船のくだりだとか、ラストシーンに登場する対プレデター用のアーマーとか、どう考えてもMARVELのパクリですよ。これ。
この作品もついに落ちたなあ、と。1作目が良かっただけに、監督の手腕ひとつでここまで変わるものなのかと残念な気持ちでなりませんでした。
シェーン・ブラック監督について調べてみると、過去に『アイアンマン3』の監督と脚本を務められていました。やっぱりかあと思いながらも、それぞれ作風は変えてほしいものです。
プレデターに笑いっている?
いらないでしょー。
少なくともボクが求めていたのは、いつ殺されてしまうかもわからないあの緊張感です。ハラハラ・ドキドキして観終えたあとにどっと疲れがくるぐらいがちょうどいい作品にも関わらず、クスッと笑えるシーンがちょくちょくあってそれはそれで面白いのですが、そんなのは求めていませんでした。
プレデターだけのクオリティを上げるのではなく、それに対抗する人間たちのクオリティをもっと上げてほしかったなあと思いました。せっかくの個性派揃いのキャストたちが変な方向性に活かされてしまっているので、もったいないなあと感じました。次作はほかの監督を願いたいです。
そもそも設定にいろいろと無理があったような
そんな気がします。だって、プレデターが人間を救おうとしていたなんて、一体誰が想像できますか。誰も考えつかないですよね。
いや、むしろその線はなしでしょと思うぐらい禁断の手ですからね、それは。一体全体なにがしたいんだか、意味不明もいいとこです。
それにクインの息子のローリーだって、人よりも知能が高いからといってプレデターが戦利品として持ち帰ろうとした設定にも甚だ疑問しか抱きません。
いや、いや、いや。おたくがご愛用しているヘルメットとか腕に装備しているリストブレイドとか、めちゃめちゃハイテクだし一体誰が作ったんですか。神様からの贈り物ですかそれは。それを開発した者を探しましょうよ。そして、もっと凄いモノを作ってもらいましょうよ……。
まあ、そう思うわけで、設定が極端すぎたゆえに面白味に欠ける作品でした。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
シュワちゃんと比べれば頼りない見た目ではありますが、プレデターとの戦いがいざはじまると、結構……いや、意外にも中々の強さを誇っていました、この人物……。そう、この方です。クイン・マッケナ演じたボイド・ホルブルックになります。
危険を顧みず立ち向かうその度胸、スナイパーの腕は確かだし、バイク姿も様になっていて、いろいろかっこよすぎました。
プレデターはシュワちゃんのイメージしかなかったので、はじめは貧弱でダサいなあと思いましたが、見れば見るほどたくましいことをやってのけるクインに惚れぼれします。さすがは主役、さすがはリーダー。
プレデター討伐隊の周りの奴らがドジすぎるので、なおさらクインの存在感は輝いていました。
最も美しいで賞
出演している女優さん自体が少なかったような気がして、覚えているだけでもケイシー役を演じたオリヴィア・マンとエミリー役を演じたイヴォンヌ・ストラホフスキーの2名だったと思います。
正直言えばどちらもうーんといった感じで、しいてあげるとすればオリヴィア・マンになります。いまいち気が乗らないのも、もしかすると作品の全体的な評価が影響しているのかもしれませんけど。
どちらがタイプか天秤にかけたときに、色っぽさを感じたのはオリヴィア・マンでした。全裸になるシーンとかは関係なく、プレデターが殺さなかったのもその美貌に酔いしれてしまったからなのかもしれません。そう考えると物事の合点がいきます。
どの作品に出演しているときのものかわかりませんが、この姿で登場していたら間違いなく速攻で彼女を選んでいました。
さいごに
懐かしさのあまりに、ほとんど勢いで観たことを後悔させてくれる作品でした。これなら、シュワちゃんが主演している1作目をまた観ればよかったです。次作に続きそうな展開ではありましたが、公開されたあかつきにはけして観ることはないと思います。たぶんですが……。
まあ、監督次第でどうなるかわかりませんので、その辺を判断して決めていきたいと思います。この記事を読んで逆に気になった方は、時間を無駄に使いたいと思う人だけ観られてください。観終えた頃にはきっと後悔しているに違いありませんから。