韓国映画『ザ・コール』怖いだけじゃない、切ない家族の物語が描かれている作品

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上映時間119分
製作国韓国
監督イ・チュンヒョン
音楽タル・パラン
配給Netflix
公開日2020年
主な出演者パク・シネ(ソヨン)
チョン・ジョンソ(ヨンスク)
キム・ソンリョン(ソヨンの母)
イ・エル(ヨンスクの義母)
パク・ホサン(ソヨンの父)
オ・ジョンセ(ソンホ)
イ・ドンフィ(ペク・ミニョン)
総合評価
『ザ・コール』:

 

ハッピーエンドではあるけれども、切ない、切ない、本当に切なすぎる、この結末。

父の死は母が原因を作ってしまったと悲しさに暮れる娘のソヨンでしたが、ヨンスクとの出会いをきっかけに真実すらも明らかになります。その真実を知ったとき、最後の結末は泣けました。ホラー映画とみせかけて、めっちゃ感動を誘ってきます。

あらすじ

古い電話の向こうから聞こえてくるのは、運命を変えようとする連続殺人犯の声。20年という時間をこえ、同じ家に暮らす2人の女の人生がいま大きくゆがみ始める。

引用:Netflix

 

感想

『スマホを落としただけなのに』のような展開をイメージしていたものの、いざ見始めると違った。だいぶ違っていた。いや、むしろ、そもそものイメージが甘すぎた。

スマホを落とすところまでは共通していて、そこからスマホを拾った誰か知らない人から謝礼の催促。「おっ、ここから面白くなりそうだ」と思いきや、なぜだか催促された相手から一旦電話を切られるという珍現象へ発展。

まさかねー、と温かい目で見守っていると再び着信が鳴り響いた。来たな。これは絶対にどえらい金額を請求されるやつやー、と確信した。けど、放たれた言葉は違った。

「ソニ?」「ソニの店では?」…‥。このときすでに、『スマホを落としただけなのに』に通ずるものはなにひとつなかった。

終わったな。つまりスマホを落としても落とさなくても全く関係なかったということになる。しかも何食わぬ顔で平然と物語は進行するので、謝礼の催促電話はなんだったんだと思いたくもなる。とんだ茶番劇、話の繋がりが見えてこなかった。

 

本作の題材となっているのは、過去にいる人と未来にいる人が摩訶不思議な繋がりを通して、悲劇に見舞われてしまうこと。

相手が超いい人ならなんの問題もなかった。運命をねじ曲げて、死んだ父親を蘇らせて、幸せな日常を取り戻しハッピーエンドだった。

でも今回は精神的に問題を抱えている人が相手だったので、借りを作ってしまったのを最後に人生の破滅を招いてしまう、とんでもない展開が待ち受けていた。なんとなく想像できるけど、なんとなく想像できないような怖さがあった。

爆発事故に巻き込んで死亡させるやつとかは一緒に願った。その瞬間映画は終わってしまうのだけれども、それでもいいと本気で思った。こんなにもヒロインに共感したのは久々。

未来人の特権技でしたし、もうこれしかないといった状況のなか失敗すれば死、成功すれば生という図式が成り立っていた。

手に汗握る緊張の瞬間。結果はというと、思わず発狂したくなる類のものだった。むしろしてた。絶望の2文字が脳裏を過ぎってしまうなか、このとき得た教訓は「やろうとすることが低確率なら無茶はするな!」です。どう考えても不利な状況でしたし。着信が鳴るか鳴らないかで本当に心臓に悪かった。

 

ヨンスク演じるチョン・ジョンソの怪演はいろんな意味でやばかった。絶対憑依していたよね、あれ。

怖いってもんじゃなくて、まぢでびびり上がった。やることなすこと冷酷だし、人がやるようなことじゃない。それを平気でやるもんだから、もはや人間というよりかは化け物だった。

原因を作ったのは紛れもなくヨンスクの養母のイエル。あいつが一番悪い。ヨンスクのことを悪霊扱いして、食べ物すらも満足に与えずに、何かしようとすれば椅子に縛っての拷問コース。そんな日常、耐えられます?無理とちゃいます?

しかも最終的には見捨てられるわけですからずいぶんと酷いもんです。言うても、ただの音楽好きの少女ですよ。些細な過ちから人生が一変に崩壊していく描写は、果たしてヨンスクだけが悪いのか。そんなことを考えさせられた。

 

最も○ ○で賞

出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。

 

最もかっこいいで賞

ソンホ役のオ・ジョンセを選びました。理由は70年代を思わせるようなヘアスタイルにセンスを感じたからです。とびっきりの皮肉といえばそうなります。時代を逆行している感じは彼なりのこだわりだったのかもしれませんが、サスペンスの要素は一気にどこかへぶっ飛びました。でも面白かった。笑えた。

それと理由は別のところにもありまして、こっちはまともな意見です。本作とは関係ありませんが。

俳優として演技力の幅広さを痛感しました。というのも、『サイコだけど大丈夫』で自閉症のムン・サンテ役を演じていた俳優で、その演技力といえば見事でした。手や目の表現の仕方であったり、奇声の上げ方や体全体の動きに至るまで、まるで本物。すべてがパーフェクトに演じられていました。

今回の役柄を見るまでは、「もしかしたらそもそも自閉症の人なのでは?」と本気で勘違いをしていましたから、それくらいクオリティは高いものがありました。

で、この人やっぱり俳優なんだと再認識させられました。すげぇーよ、まぢで。

名前:オ・ジョンセ(오정세)

生年月日:1977年2月26日 (年齢 43歳)

出身地:韓国

身長:174cm

体重:64kg

血液型:A型

主な出演作
映画くだらないロマンス(2010年)
カップルズ 恋のから騒ぎ(2011年)
ミリオネア・オン・ザ・ラン(2012年)
男子取扱説明書(2013年)
我は神なり(2013年)
ハイヒールの男(2014年)
レッドカーペット(2014年)
探偵なふたり(2015年)
パーフェイクト・プロファイラー 命がけの恋愛(2016年)
操作された都市(2017年)
7人の追撃者(2018年)
スウィング・キッズ(2018年)
エクストリーム・ジョブ(2020年)
ザ・コール(2020年)
ドラマナイン・ジンクス・ボーイズ -九厄少年-(2014年)
ヴァンパイア探偵(2016年)
ミッシングナイン(2017年)
椿の花咲く頃(2019年)
サイコだけど大丈夫(2020年)

 

最も美しいで賞

ソヨン役のパク・シネを選びました。理由は脱力系悲壮女子といでも言いましょうか。不運、不幸、気のどく……うまり、ネガティブ感満載の雰囲気を演技ひとつで表現できていたからです。

大体下手くそかなと思っていたので、大変失礼な話でした。本当に上手い。観る者への同情の誘い方が上手すぎて、最初から最後まで彼女の味方になっていました。

お父さんの復活に涙が溢れてしまう気持ちにも共感を誘ってきますし、その逆もそう。彼女の気持ちに寄り添いすぎると、感情の起伏が右往左往するのである意味疲れてしまいます。

体力勝負なところがありますが、人間がもつ感情をひとつの作品を通して出し切っているところに美しさが宿っているような気がしました。お見事。

名前:パク・シネ(박신혜)

生年月日:1990年2月18日 (年齢 30歳)

出身地:韓国

身長:168cm

体重:45kg

血液型:A型

Instagram:@ssinz7

主な出演作
映画とかげの可愛い嘘(2006年)
伝説の故郷-双子の姉妹秘死(2007年)
シラノ恋愛操作団(2010年)
7番房の奇跡(2013年)
恋のじゃんけん(2013年)
尚衣院ーサンイウォンー(2014年)
あの日、兄貴が灯した光(2016年)
沈黙、愛(2017年)
ザ・コール(2019年)
#生きている (2020年)
ドラマ天国の階段(2003年)
新パパは29歳(2006年)
天国の樹(2006年)
ソウル1945(2006年)
カクテキ 幸せのかくし味(2007年)
わたしたちをの幸せにといういくつかの質問(2007年)
宮S (2007年)
飛天舞(2008年)
美男<イケメン>です(2009年)
オレのことスキでしょ。(2011年)
ハヤテのごとく!~美男<イケメン>執事がお守りします~(2011年)
ドラマスペシャル 心配しないで、オバケです(2012年)
相続者たち-王冠を被ろうとする者、その重さに耐えろ-(2013年)
となりの美男<イケメン>(2013年)
ピノキオ(2014年)
ドクターズ〜恋する気持ち〜(2016年)
アルハンブラ宮殿の思い出(2018年)

 

 

さいごに

怖い、けど恐怖だけで終わらせるにはもったいない作品です。物語の至るところに監督のこだわりがあって、それに気づくと途端に面白みが増します。疑問が浮かべば浮かぶほど考察が待っていますので、好きな人は好きだと思います。

1999年にカセットテープで音楽を聴く疑問とかも、そう。なぜ主流のCDじゃないのか。そんな視点で観られるといろいろな発見につながります。興味のある方は、ぜひ鑑賞をどうぞ。