いま観る理由『フリントストーン』
(僕)「これ、観たことある?」
(妻)「いや、ないけど……」
(僕)「えっ、観たことないの?」
(妻)「そんなに有名なやつなの?」
(僕)「いや、特に有名ってわけではないけど……。同じ世代だから、てっきり知っているものと思って……」
(妻)「なんなの、これ」
(僕)「なんなのって、フリントストーンだけど。知らない?」
(妻)「知らない」
(僕)「人生損だわー、それ。観る?」
(妻)「そんなに言うなら……」
小学生のとき、何年生の頃かは覚えてはいない、けど『フリントストーン』を観て楽しかったという感情だけは今でも残っている。1度だけでなく何度か観たことも覚えている。
本作が劇場公開されたのは1994年。
そのとき僕は7歳。小学生でいうなら1年生か2年生になる。
さすがにまだこの頃は観なさそうな年頃ではあるので、いっとき年数が経ってからの鑑賞だったと思う。
昔観たときはフリントストーン家で飼われているペットのディノが好きだった。
トムとジェリーを思わせる走り回る動きとか、表情とか。ただ単にそれを観るのが好きだった。
今ではまったくその感情は生まれない。むしろ、観る視点楽しむ視点の違いに気づかされた。
今はどちらかといえば、小道具やセット、ハル・ベリー演じるシャロン・ストーンのセクシーさに意識が向く。
本作に限っての話で、正直言えば物語の内容なんてさほど重要視していない。見栄え(演出)さえよければそれでいい。
昔は景色を堪能しているみたいな感覚で映画を見ていたと思う。
なにも考えず、なにも疑わず。
ただ目の前に流れる映像を見ていた。
それが楽しかった。それで満足していた。
上映時間の91分というのも、ほんと軽く観れる最適な時間だったと思う。
物語のテンポがよかったのも影響しているが、トントン拍子で鑑賞時間もあっという間に感じた。
そういうのも全部含めて、いい作品だなと思う。
歳が変わってもいつまでも観れる作品の条件だなーて思う。
この感覚を妻もてっきり味わっているものと思っていた。
正直言ってしょうもない、くだらない、けど面白い。本作はそんな感じの作品。
で、妻の感想はというと……。
開始10分程度ですかね。
あきれるもなにもそのとき子どもも一緒に観ていたので、全部観てくれるもんと思っていましたが、まさかの途中退席。
えっ、えっ、えっ、ちょっと待って。
子どもに「恐竜が出てるよ」と促すも、テロリストでもないのに全く説得には応じてくれる気配もなく。
世の中なんでも子ども優先な風習があるため、暗黙のルールに則りお気に入りの恐竜動画をYouTubeで見る流れに変わるという……。
結局ひとり夜な夜なアダルトビデオを堪能するかのように、個室で鑑賞する羽目となってしまいました。
価値観を共有することができると思ってましたが、見事にそれ自体がないものへと変貌を遂げてしまいました。
冒頭、妻との会話のやり取りは一体なんだったのでしょうか。
ほんと、あってないようなもので、まぁ、何年ぶりかに久々観て楽しめたから別によかったですけどね。
自己満です。
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