映画『フリントストーン/モダン石器時代』くだらない、けどクスッと笑えてしまうコメディ作品
上映時間 | 91分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | ブライアン・レヴァント |
音楽 | デヴィッド・ニューマン |
配給 | ユニバーサル・ピクチャーズ |
公開日 | 1994年 |
主な出演者 | ジョン・グッドマン(フレッド・フリントストーン) リック・モラニス(バーニー・ラブル) エリザベス・パーキンス(ウィルマ・フリントストーン) ロージー・オドネル(ベティ・ラブル) カイル・マクラクラン(クリフ・ヴァンダーケイヴ) シャロン・ストーン(ハル・ベリー) |
ゲラゲラ笑えるわけではないけれども、所々でクスッと笑える完全おふざけムービー。
舞台は石器時代の設定ですが完全にふざけているので、ひと癖もふた癖もある現代マシーンが登場します。これがかなりシュールすぎて、製作者の遊び心が素敵でした。
当時観たときは気に留めることはありませんでしたが、今観るとハル・ベリーの登場は驚きでした。
「あ、キャットウーマンの人だー」、今ならそうなります。
ほかの俳優さんは本作以降見ることはなかったので、なんていうか……新鮮でした。けして番人受けしそうな内容ではありませんが、童心をお持ちの方にはなにかしら心に届くものがあると思います。
あらすじ
自然と文明が共存するモダン石器時代。ベッドロック・シティにある採石会社に勤めるブレッド(ジョン・グッドマン)は、妻ウィルマ(エリザベス・パーキンス)の母パール(エリザベス・テイラー)にやり込められ、肩身の狭い毎日を送っていた。そんな姑を見返すため、彼は会社の昇進試験に挑戦。隣家のバーニー(リック・モラニス)に助けてもらい、何とか合格したブレッドは有頂天になるが、全てはイジワル上司の罠だった! 米人気アニメ「原始家族フリントストーン」を、キャラクター・イメージそのままのジョン・グッドマン主演で実写映画化したファミリー・コメディ。エリザベス・テイラー 、ハル・ベリー と共演陣も豪華。
感想
観終わった頃には「ヤバダバドゥー!」と叫びたくなるほど、ツボ。それでいて登場人物のアホさ加減に笑えて、ほっこりして……基本これ観るとプラスの気持ちが働いてしまう、それぐらいいい。すごくいい作品です。
上映時間も短いので軽く観れるところなんかも最高です。
僕が1番伝えたいことは、小道具とセットのハイセンス。
物語うんぬんかんぬんよりかは、そこだけを観てほしい、そこだけを評価してほしい、なんて思います。
だってワニの髭剃りなんて、一体どこの誰が想像できるか。
このとき歯で髭をカットする機能だけでなく肌を傷つけない唇にも注目していただきたいのですが、そんな小さな配慮にひとり感激しました。
場所をリビングに変えてシンク下にも粋な計らいがなされていて……。そうそう、こいつです。
今にもくたばってしまいそうなディスポーザ機能なしの豚。
ディスポーザ機能があってもさすがにフォークの処理は難しいとは思いますが、喉に詰まらせてしまい通常の働きっぷりも微妙なので、のちに買い替えられてしまうという悲しい結末を迎えてしまいます。
焼かれて食べられないだけマシだよなーと思いつつ、生き物にも優しい作風に動物?恐竜愛を感じました。
浴室にはマンモスが待機。シャワーの役割を担っていて、うがいをするシーンは印象的でした。
僕自身、当時はお風呂場で何度も真似をした覚えがあります。
生き物以外では、画期的な車が登場します。
石器時代に車?と疑問に思うかもしれませんが、ここでも発想のユーモアさが殺烈していました。ここで恐竜を使わない采配にはあっぱれでした。
当たり前のように車社会が存在しているだけで不思議な状況。唯一の救いは木造づくりだってこと。ですが、機能に問題がありまして……。
ガソリン入らず電力入らずの、まさかの素足でトコトコ仕様となっています。皮膚の耐性力や脚力ともに人間の身体まで原始仕様になっているので、このユーモアさには脱帽でした。
ちなみにフレッドとバーニーの子どもたちが乗っていたベビーカーも木造でつくられていました。
そのほか試験の答案用紙が石器でつくられていたり、ハンドドライヤー専用の恐竜がいたりと、すべてがセンスの塊でした。
舞台のセットでは、『ジュラシック・パーク』がありました。
元祖ファストフードチェーン店『ロックドナルド』がありました。
ドライブインシアターでは『タール・ウォーズ』がありました。
どれもパロディを匂わせますが、唯一正式名称の『ジュラシック・パーク』はどうしてそうなのか。
それは本作はスティーヴン・スピルバーグが主宰した作品だからです。製作会社はそんな彼が設立した「アンブリン・エンターテインメント」で、「ジュラシック・パークシリーズ」でおなじみユニバーサル・ピクチャーズが配給しています。
つまり彼の作品そのものだからです。
ほかはマクドナルド兄弟とジョージ・ルーカスの寛大な心ゆえに許された行為なのでしょう。些細な演出であっても抜かりないところが評価に値します。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
特別かっこいいなーと思うような人物はいませんでしたが、しいて挙げるならジョン・グッドマンが演じていたフレッド・フリントストーンを選びました。
お調子者で口が悪いときがありますが、もとは純粋な心をもっているピュアなデブです。これでガリだったらキャラクター的にきっと面白くなかったはずです。
キャラクター性がしっかりしてて、衣装も似合ってて。だらしないところがあれば頼れるところがあって、それを親友のバーニーが補っているような感じでいいコンビでした。2人でひとつみたいな存在でした。
妻はとびっきり美人ですし。どうしてこんなにデブでだらしない男が美人と結婚できたのか、パールおばさんの言い分もわかりますが……。
彼の内面にこそ大いなる魅力が詰まっている、、まぁ、そんなところですかね。
最も美しいで賞
ハル・ベリーが演じていたシャロン・ストーンを選びました。
この名前どこかで聞いたことがある方も多いと思いますが……。そう、『氷の微笑』の出演でセックスシンボルになった、あのシャロン・ストーンの本人の名前です。
もとは彼女が同役のキャスティング候補でしたが、スケジュールが噛み合わなかったことを理由に出演は実現しませんでした。
そんな状況でのハル・ベリーのキャスティングは見事だったと思います。柔らかそうな胸も艶のある肌も、けしてシャロン・ストーンに引けを取らないセクシーさがありました。
私生活は結婚に離婚に、交際に破局に、ところどころで出産も経験されています。交際相手からの暴力が原因で片耳の聴覚がほとんどないことも公言されるなど、思いのほか波乱万丈な人生を歩まれています。
当時28歳だった彼女も今年で54歳を迎えますが、『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)では割れた腹筋をお披露目するなど美貌は健在のようです。
さいごに
ほんと、この石器時代って素晴らしいと思います。友情あり、裏切りあり、遊び心あり。クスッと笑える仕掛けが所々にあって最高です。
家族がテーマになっている映画でもありますので、家族みんなで観てクスクス笑ってもらえたらと思います。そして最後には「ヤバダバドゥー!」と叫んでもらえたら、なにかしら得られるものがあると思います。笑
ちなみに鑑賞する際は吹替をおすすめします。世界観に入りやすくそちらのほうが断然楽しめると思います。