映画『何者』就職活動でなにが大事なのか描かれている作品。

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上映時間 98分
製作国 日本
監督 三浦大輔
音楽 中田ヤスタカ
主題歌 NANIMONO(feat.米津玄師)」中田ヤスタカ(WARNER MUSIC JAPAN/unBORDE)
配給 東宝
公開日 2016年
主な出演者 佐藤健(二宮拓人)
有村架純(田名部瑞月)
二階堂ふみ(小早川理香)
菅田将暉(神谷光太郎)
岡田将生(宮本隆良)
山田孝之(サワ先輩)
総合評価
『何者』:

 

結局、人が頼るところはネットなのかなと……。

片手間にスマホで入力して簡単にアウトプットできる時代ですし。

スマホにしてもインターネットにしても便利になった反面、世の中でよく言われているように人と人とのコミュニケーションは確かに薄いものとなってしまいました。

自分が傷つきたくないから、相手には当たり障りのないことを言ってしまい。ネットでは関係ない人たちばかりだからつい本音が出てしまうのもわかります。

そうやってネットとリアルで発言に自制をかけることで人間関係を築いていくことは、なにも悪いことではないと思います。

ただ、本音が言えないぶん、築いた関係も解けるのが早いものなのかなと思いました。

こちらの作品、裏切りがテーマというよりも「今、自分がなにをしなければいけないのか」。

就活生はもちろん、自分のことが何者かわかっていない方にとっては、いろいろ深く学べる作品だと思います。

あらすじ

朝井リョウが直木賞を受賞し、大きな話題を呼んだ原作の映画化作品。ひとつの部屋に集まった5人の男女。大学の演劇サークルに全力投球していた拓人。拓人がずっと前から片想いをしている瑞月。瑞月の元カレで、拓人とルームシェアをしている光太郎。拓人たちの部屋の上に住んでいる、瑞月の友達の理香。就活はしないと宣言する、理香と同棲中の隆良。理香の部屋を「就活対策本部」として定期的に集まる5人。それぞれが抱く思いが複雑に交錯し、徐々に人間関係が変化していく。「私、内定もらった…。」やがて「裏切り者」が現れたとき、これまで抑えられていた妬み、本音が露になっていく。人として誰が一番価値があるのか? そして自分はいったい「何者」なのか?(C)2016映画「何者」製作委員会

引用:Amazonプライム・ビデオ

 

感想

拓人と理香に足りなかったもの

楽しかった学生生活を終え、気持ちを切り替えて就職活動に取り組もうとする4人の学生たち。拓人、瑞月、理香、光太郎の4人は、それぞれが希望とする企業に受かりたいといろいろな対策を練っては応募を繰り返します。

自己PR、志望動機、長所・短所、資格・免許、これまで1番頑張ってきたこと、入社してやりたいこと……などなど。

エントリーシートという名の紙切れ1枚に、自分たちの人間性に近い言葉を選び抜き表現しようとするわけですが。

なかでも作中で特に印象に残ったシーンで、エントリーシートには嘘や偽りを書き表現することだってできる、拓人はそういう手段もあるよ的な発言をします。

その発言をよく思わなかったのか、理香はエントリーシートを裏返しに伏せ「戦い方は人それぞれだよね」と言葉を使い捨てるかのようにはきます。

2人の言いたいことはわかりますが、これ、なにが問題なのかといいますと、拓人の発言内容でもなければそれに対する理香の態度でもありません。

そもそも、拓人と理香の考え方自体に問題があると思いました。

拓人は就職活動を行う側にいるのに、なぜかほかの3人とは違って人ごとのように光太郎へ助言を送ります。

いや、嘘や偽りという言葉が出てきた時点でアウトです。エントリーシートを否定するようなことを言っていますが、そんなことじゃなくて、大事なのは物事に一生懸命取り組む姿勢なんじゃないかと思います。

冷静に分析しすぎて、客観視の度が超えているような気がしました。そんなことでは誰も関わりたいと思いませんし、一緒に仕事をしたいとも思いません。

自分のことをさらけ出しすぎるのもわがままになってしまうから問題として扱われてしまう恐怖感もありますが、結局のところそういうのが昔は当たり前だったんじゃないかなと思います。

繋がり、絆の強さというのは、本音と思いやりなのかなと思いました。

一方で理香は、自分のことをよく見せようと意識しすぎるあまり、一生懸命さが空回りしているように思いました。

拓人のねちっこい性格と比較して、理香のほうが根はいい子だと思います。だけど自分のことばかりで、相手に対する思いやりが欠けていたのかなと思いました。このとき相手とは企業の面接官に対してです。

いくら高価なアクセサリーを身につけたとしても、いくら高価な洋服で身にまとったとしても……だからなに?というオチになりかねません。見せびらかしても所詮、物は物。そんなことでは寂し人間に成り下がってしまうだけです。

お金では買えない、プライスレスな部分をもっと上手にさらけ出せれば理香の就職はきっといいものになっていたに違いありません。

偉そうなことを言っていますが、ぼく自身、就職活動で苦労した経験はありませんが、同じように考えていたことはありました。

なんだかんだ言って、やっぱり人から嫌われたくありませんし、周りよりも劣っている人間とも思われたくないというのが正直です。傷つきたくない気持ちは今でもあります。

でも、そうやってこそこそと隠れて生きていると、人生も薄っぺらいものになってしまうのかなと思います。

物事をはじめから理解して行動できてきる人間というのはほとんどいません。

この世は未熟者の集まりです。だからこそ楽しいことも、悲しいことも、ためになることも、いろいろ経験を通して人として成長していけるのではないかと思います。

社会人とは、そういう世界に飛び込んでいく人……なんじゃないかな。

 

隆良に足りなかったもの

まっすぐ生きている人間代表の光太郎と、物事を現実的に捉え生きようとしてる瑞月。このふたりは、拓人と理香と比べてまっとうな人間でした。

その証拠に、就職も結局はこのふたりしか決まっていないという展開で。

光太郎はバンドに区切りをつけ就職活動をスタートすると同時に黒髪に染めました。瑞月は親の離婚を機に母と二人暮らしをすることになり、精神的に不安定な母を支えようと働き方を考えて就職先を探します。

先ほども書きましたが、このふたりは共通して相手を思いやろうとする気持ちが感じとれます。

光太郎は中途半端にバンドを続けていたら、きっと髪は染めなかったと思いますし。黒染めスプレーで対処するとかやっていたのではないでしょうか。

まあ、とにかく、本作ではお手本となるような人物でした。

一方で、拓人と理香同様に未熟度が高かった人物の隆良。

寡黙な人物かと思いきや、口を開けば自分は就職したら負けとか、クリエイティブな仕事がしたいんだとか、理想だけを追い求めているロマンスヤローでした。

ぼくはどちらかといば昔は隆良のような人間でした。だから、言っていることにある一定の共感はできますし、理解もできました。今でも隆良の要素はあると思います。

だからこそ作中で瑞月が隆良に言ったこと、あの言葉はぼく自身も心にグサグサと刺さりました。

観察者として生きている間は、けして何者にもなれないということです。

 

最も○ ○で賞

出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。

 

最もかっこいいで賞

山田孝之……彼、決定でしょう。

本作ではサワ先輩役を演じていました。拓人のことを心配して、深い意味の助言を送るなど優しい一面しかない人物です。

「お前はどちらかというとギンジに似てるよ」とか

「お前こそもっと想像力もある奴だと思ってたよ」とか

言葉の意味が深すぎて、むしろ拓人に対しての愛が感じられるレベルです。

というのも、なぜサワ先輩はこれらの言葉をおくったのか。

拓人は就職活動を機に劇団の人として生きることを辞めました。そこから表現者から観察者へと変貌したのを見かねての言葉だったのかなと思いました。

劇団時代は仲間全員がひとつの目標に向かって、来る日も来る日も汗を流し練習を積み重ねていました。このとき青春を謳歌していたと思います。

就職活動がはじまり大人の階段をいざ上がろうとするも、拓人自身は後ろめたさがあったのか自ら前に進むことを諦めていたように感じます。

サワ先輩はそのことを見抜いていたのではないでしょうか。

表現者としての拓人のほうがまだ輝いて見えた。ただそれだけ。

……先輩、素敵すぎます。

 

最も美しいで賞

最初から最後までとにかく良い子でした。その人物とは、有村架純が演じていた瑞月になります。

つまり、有村架純が本作で1番美しかったかと。見た目も性格も美人で、拓人みたいな人が好意をよせてしまうのもなんとなくわかります。

飲み会の席での瑞月は、正直、心が病んでいるのかと思いました。周りの人たちのことを「すごい」と言って、とにかく褒めちぎって。そのとき笑顔ならまだしも、真顔で話しているもんだから精神的にヤバいかと。

でも実際の瑞月という人物は、相手を思いやる気持ちが1番強くて、空気を読みながらも勇気を出して隆良に伝えた言葉はやっぱり心にジーンときました。

思いやる気持ちがなければ、普通はできない行動だったと思います。

人として、女性として、彼女の美しさは特別輝いていたのかなと思います。

 

さいごに

久々に邦画でも観たいなと思い、Amazonプライム・ビデオであらすじを読むと、なにやら面白そうな内容……そして、意外と豪華キャストのメンツが勢揃い。

こんな綺麗な顔をした人たちが一体どんな裏切りを見せてくれるのか、人間の醜い部分が醸し出されるのを期待して観てみましたが、ある意味良い意味で期待を裏切られました。

楽しむためには、作品のメッセージ性とか汲み取る必要があるので観る人を選ぶ映画だと思いますが、それが好きという方にはおすすめです。

教養のための映画のひとつなのかな、こちらの作品は。

 

バンコ
最近は猛烈に邦画が観たい気分が上昇中で。次も邦画の作品をいろいろあさろうと思います。
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