映画『カーズ』子どもと楽しめて、学べることがあって、ワクワク・ドキドキもある作品
上映時間 | 116分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | ジョン・ラセター ジョー・ランフト |
音楽 | ランディ・ニューマン |
配給 | ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ |
公開日 | 2006年 |
主な出演車 | ライトニング・マックィーン メーター サリー・カレラ ハドソン・ホーネット ルイジ グイド シェリフ マック ストリップ・ウェザースング チック・ヒックス |
”レースシーンは子どもと一緒に楽しめました”
子どもがカーズに興味を持ち出したこともあって、映像を一緒に楽しめたらいいなと思い、映画を観てみました。
約2時間もある映画に子どもがどれほど集中して観ることができるのか。普段は自分が好きな動画であれば30分程度は集中しているので、その辺は見ものでした。
で、実際のところ、はじめはテレビ画面に食らいついていましたが徐々に集中力がなくなり、映画そっちのけで遊び出す結果となりました。
「ですよねー」と思いつつ……。ただ、そのままもう観ないかと思いきやクライマックスシーンで再び興味を示し、静かにイスに座り黙って観ていました。
思い返せば、冒頭とクライマックスのレースシーンにだけ釘付けでしたよー。
あらすじ
真っ赤でピカピカなボディがトレードマークのレース・カー“ライトニング・マックィーン”は、レースでチャンピオンを目指す人気者。ある日ルート66号線沿いにある田舎町“ラジエイター・スプリングス”に立ち寄り、住民たちと触れ合ったことで、自分の人生には何かが失われていたことに気が付く。
引用:シネマトゥデイ
感想
なぜ、冒頭とクライマックスシーンにだけ1歳の子どもが興味を示したのか
このことが正解なのかどうなのかはわかりませんが、躍動感があったからこそ自然と意識もそっちに向いていたのかなと思います。
そっちとは映像のことで。冒頭からいきなりピストン・カップという名のレースがはじまって、伝説のレーサーのストリップ・ウェザーズと万年2位のベテランレーサーのチック・ヒックス、そしてこの頃新人ルーキーのライトニング・マックィーンたちが優勝を争って激闘を繰り広げます。
ゴールをするまで優勝が誰かわからない……いや、いや、いや。ゴールをしてもビデオ判定でしかわからない展開になっていて。
そこに至るまでライトニング・マックィーンは、チック・ヒックスから体当たりを受けてスピンをしますし、普通ならそこから一気に追い上げることは不可能に近いと思いますが、そこはピクサー映画。ちゃんと子どもたちのことを考えて、夢のある展開へと仕上げていました。
ライトニング・マックィーンは怒涛の追い上げを見せ、余裕の優勝と思われましたが嫌な予感は見事に的中。ライトニング・マックィーンのタイヤはバーストをしてしまいました。
おいおい、そんな状態で走れるのかよと思いましたが、そこはピクサー映画。火花を散らしサスペンションをバネに、飛ぶように前進をしていました。
ひとり泥試合みたいなことになっていましたが、最後まで諦めないその姿に我が子も必死になって「がんばってー」と叫んでいました。まさに手に汗握る名勝負でした。
車たちが生き物のようにしゃべること、ハラハラ・ドキドキする展開だったこと、もしかするとこのことが子どもを夢中にさせたのかもしれません。
子どもにはわからなかったけど、ちゃんと笑いを抑えていた
けして、子どもが声を上げて笑うことはありませんでした。
だからと言ってそのことが悪いというわけではなくて、ただ単に笑いのツボがまだ形成されていなかった、それだけの話です。
ライトニング・マックィーンがまるで犬のように振る舞うシーンだとか、ラジエーター・スプリングスに迷い込んだ夫婦に、ライトニング・マックィーンが必死に助けを乞うも、少し間が空いたあとにアンサーバックで心にもない返事をされるシーンだとか、個人的にはいろいろ笑えました。
製作する人にユーモアさがなければ、今ごろこのような笑いの発想やセンスもなかったと思います。
1歳児のときに理解はできなくても、これから大きくなるにつれて笑いのツボも徐々に形成されていくと思います。時期がくればまた一緒に『カーズ』を観れたらいいなと、そんなふうに思います。そのときは爆笑かな……。
わかりやすいストーリーだったと思う
このことがなければ、本作の評価もだだ下りだったと思います。
ありがたいことにピクサー映画は、比較的ストーリーがわかりやすいものが多いような気がします。変に頭を使わなくていいので共感もしやすく、感動するのもそのことが影響しているのかなと思います。
ストーリーが複雑になればなるほど、その分内容を理解するのに時間がかかったり、そのまま理解できずに終わってしまうことも少なくありません。そうなってくると、内容自体に共感できず面白くなかったという結果につながってしまいます。
本作で言えば、シンプルにレースで優勝を目指していることや仲間を見つけ絆をつくること、ライトニング・マックィーンがやっていたのはこのふたつなのかなと思います。
不可解に感じるところはほとんどなく、安心して子どもと一緒に観られる作品でした。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
レジェンドというだけあって風格のあるストリップ・ウェザーズは非常に捨てがたかったのですが、ここはやはり全身赤に稲妻がトレードマークとなっているライトニング・マックィーンを選びました。
ストックカー・ローラ・フォードGT40のハイブリッドがモデルとなっているみたいですが、実物と比べてみてやや丸みを帯びているせいか柔らかい印象を受けます。
お調子者の性格で何歳かわかりませんが、はじめはうぶなこともありそのときなにが大切なのかわかっていませんでした。ただ、仲間たちの出会いを通してマックイーンも成長していくところは本当によかったです。
まるで人間のような、そもそも車であるということを忘れてしまいます。
カリフォルニアのレースでは、クライマックスシーンで逆にカーズから大切なことを学ぶこともありました。
見た目がかっこいいだけでなく、心も成長とともにかっこよさを兼ね備えるようになり、まさにこの賞にふさわしい車なのかなと思います。
ちなみに吹替版の声優を務めているのは、土田大(つちだひろし)さんという人物です。この方は『ウォーキング・デッド』の吹替で、主人公・リックの声優を務められています。
普段、映画を観るときは字幕じゃないと許せないタイプの人間ではありますが、子どもと一緒となると話は別で。
はじめから吹替で観るつもりではありましたが、この手の作品に限っては、吹替も悪くない……いや、むしろ吹替のほうが雰囲気的にいいなと思いました。違和感もまったくありませんでしたし。ほんと、よかったです。
最も美しいで賞
圧倒的に男性が多く、女性という女性の出演は少なかったですが、やはりここはサリー・カレラなのかなー、と。むしろ彼女以外誰がいますかね?、て話です。あたり一面を見渡しても誰もいないですよ……。
このことが残念なのかどうなのかわかりませんが、唯一美しかったことには違いありません。
絶世、絶世の美車ですよ。サリーは……モンスターズインクじゃないよ。(笑)
モデルは2002年型ポルシェ911カレラで、ボディの色はなんて言うんですかね。ずいぶんと色気のあるカラーをしていました。
見た目の美しさとは裏腹に、職業は弁護士という知性的な一面をあわせもっています。一方でイメージには合いそうにありませんが、「コージー・コーン・モーテル(民宿)」のオーナーの仕事も担っています。
作中でマックイーンが、「普段、車はコーンを避けるのに、コーンに泊まるなんてなんだか不思議だね」みたいなことを言っていたのが、確かにと思い印象的でした。
強がりな性格でもあり、別れ際にマックイーンに対して素直に寂しいと言えないシーンもあって、そこがたまらなくよかったです。
見た目は車でも中身はちゃんとした女の子でした。
さいごに
今、子どもは、トーマスやチャギントンやカーズに強く興味を示しています。どれも共通して乗り物がしゃべるキャラクターではありますが。
ピクサーにしてもほかの製作会社にしても、これからも、いつまでも、子どもにとって夢のある作品をつくり続けてもらえたらそれ以上幸せなことはありません。趣味でもある映画を子どもと共有することができ、今回をきっかけにほかに楽しめそうな作品を探して観てみたいと思います。
さて、なにがあるかな……。
[voice icon=”http://yoikagen.com/wp-content/uploads/2016/09/IMG_2634.png” name=”バンコ” type=”l”]最近はテレビ画面から離れなくなっているので、時間の区切りをつけてほどほどに動画を楽しめたらなと思っています。あんまり長くなっちゃうと目が悪くなりますし。[/voice]