映画『Mr.ノーバディ』父親が活躍する映画のなかでもずば抜けて面白い作品
上映時間 | 92分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | イリヤ・ナイシュラーン |
音楽 | デヴィッド・バックリー |
配給 | ユニバーサル・ピクチャーズ(アメリカ合衆国) 東宝東和(日本) |
公開日 | 2021年 |
主な出演者 | ボブ・オデンカーク(ハッチ・マンセル) コニー・ニールセン(ベッカ・マンセル) RZA(ハリー・マンセル) クリストファー・ロイド(デイビッド・マンセル) アレクセイ・セレブリャコフ(ユリアン・クズネツォフ) |
久々に観るスカッと映画。
だらしない、頼りない父親と見せておいて、実はウルトラ強いお父さんだってことがわかった頃には、時すでに遅し。猫のブレスレットがトリガーとなり溜まりたまったものが爆発してしまう。娘や家族のためなら生死を問わない戦いを仕掛ける有様。
結局のところ、人の性分は変えようとしても変わらないってことなのであろう。
あらすじ
主人公のハッチ・マンセルは、仕事では過小評価され、家庭ではリスペクトできない父親として扱われるなど、人生の苦難をぐっと受け止めながら生きる、地味で平凡な“何者でもないただの男(NOBODY)”だった。ある夜、郊外にある自宅に2人の強盗が押し入ったとき、ハッチは暴力を恐れ、父親らしく、そして男らしく、反撃することが出来なかった。事件をきっかけにさらに家族から失望され、同じ職場の義弟にもいちゃもんをつけられ、胸の中で煮詰まっていた怒りがふつふつと湧き上がっていくハッチ…。ふと路線バスで出会ってしまったチンピラたちの安直な挑発がトリガーとなり、遂にド派手にブチギレる!!!!
引用元:Filmarks
感想
本編が開始してまもなく、みせられる映像がまるで『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や『ミッション:8ミニッツ』のようだった。
月曜日から金曜日。夫婦仲がとっくに冷めきってしまった生活を送り、ゴミ出しのノルマさえまともに達成できない男が妻から遠回しにいびられ、そんな状況が永遠と描かれている。
月から金、月から金……と。まるで暗示でもかけられてしまうかのように、ひたすら続く。
しかしその後物語は自宅へ押し入った強盗によって、予想に反してかなり動いてしまう。まさに想像の上をいく、アドレナリン全開のショーのはじまり、はじまり。
主人公ハッチの強さはまるでランボーの如く、殴る蹴る、そして最後には銃をぶっ放すという力技ならぬ荒技が繰り広げられる。さすがにこれには、父親として活躍する者たちもおったまげてしまうというもの。
本作のいいところは、ブライアン・ミルズ(96時間の主人公)のようにいかにも最強キャラを全面的に推し出していないところにある。父親枠からはやや脱線しているが、ジェイソン・ボーンやジョン・ウィックも然り。
ただ単に強いというだけでなく、きちんと弱いところ(会心の一撃とまではいかないがダメージを受けている)を描いているというのは、観る者にとってハラハラ・ドキドキ感が味わえていい。それに共感もしやすい。
さきほどまで戦っていた瀕死の敵を助けるなんて今まで見たことさえない。そんなシーンすらも描かれているので、ハッチに対する好感度は爆上がりしてしまう。
かっこいいよお父さん、すごいよお父さん。
戦利品欲しさに、妻に夜の営みの不満までぶちまけちゃったりして。頼むから熟練夫婦のベッドシーンだけはやめておくれよと心のなかで叫んだ。
その効果はてきめん。ハッチもそうだけど、この作品自体が紳士そのものだった。そうしたのは監督かな、脚本を考えた人かな、それとも別の人なのかな。とにかく地獄絵図を見ずには済んだ。
ハッチにとって戦いは体に染み付いたものなので生きがいそのものになる。そんな男が家庭に収まると同時に我慢を強いられ、平凡な生活を送るというのは退屈そのもの。妻からも子どもからも尊重されるわけでもなく、むしろ邪魔者扱いをされてしまう。喪失感を抱きながら生きていくというのは苦痛でしかなく、自信すら失われていく。
そんなハッチが戦いのなかで父親としての自信も取り戻し、家族の前で軽快に振る舞う姿は微笑ましいものがある。父親目線で言うところの、最高。これ以上に表現できる言葉はない。
些細なきっかけで物事というは変わってしまう。変わるものもあれば変わらないものもあって、相手が誰であろうとぶちのめし、家族を守るためのセーフティーネットは事前に確保しつつ、やるならとことん痛めつけていく。そんな爽快な勇姿をみせられ、感想を尋ねられた二言目には「Mr.ノーバディ、最高」と言っているはずだ。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
ハッチ・マンセル役のボブ・オデンカークを選んだ。選んだ理由は、かっこよさについて感想ですべてを出し切っている。
つまり、相手が誰であろうと戦う父親はかっこいい。自信すらも取り戻していく描写はお気に入りのシーン。
ボブ・オデンカークが演じたキャラクターのなかでは、ソウル・グッドマンに次ぐ好きなキャラクターとなった。
[box class=”glay_box”]名前:ボブ・オデンカーク(Bob Odenkirk)
生年月日:1962年10月22日(59歳)
出身地:アメリカ合衆国
身長: 175cm
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]アメリカのテレビドラマ史上もっとも高評価を得た伝説級のドラマ。アメリカの海外ドラマを観るなら、まずこちらから観ることを全力でおすすめする。観ていないというのは、人生損しているといっても過言ではない。
『ブレイキング・バッド』に登場するソウル・グッドマンが主役のテレビドラマ。ソウル・グッドマンについてより深く知れる作品となっている。
女性社会が当たり前でない時代に、メリル・ストリープ扮する女性が男性社会のなかで権力や圧力に屈せず立ち向かう姿を描いた作品。そんな姿に勇気をもらえる。
[/aside]最も美しいで賞
ルピタ役のハンバリー・ゴンザレスを選んだ。選んだ理由は、むしろ彼女以外誰を選べというのかわからない。はっきり言う、コニー・ニールセンはない。
ハンバリー・ゴンザレスの登場といっても作中では出演時間も短く、ハッチの自宅に強盗で押し入った2人のうちのひとりを演じている。可愛さは一瞬だけ確認できるものとなっている。
[box class=”glay_box”]名前:ハンバリー・ゴンザレス(Humberly Gonzalez)
生年月日:1992年4月14日 (年齢30歳)
出身地:ベネズエラ
身長:165cm
Instagram:@humberly
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]- Killer High(2018年)
幽霊の町に閉じ込められた人々が、次々と姿を消してしまう原因を突き止めていく様を描いた映画。ハンバリー・ゴンザレスはロザリオ役として出演している。
- Utopia Falls(2020年)
24人のティーンエイジャーが、古代の禁じられた記録を発見したことにより音楽の力を使って真実を明らかにする物語が描かれたドラマ。2020年にHuluにて初公開された。
- Maps and Mistletoe(2021年)
地図製作者として働く女性と、とある男性との恋愛模様を描いたロマンス映画。ハンバリー・ゴンザレスは主人公のエミリア・マーティン役を演じている。
[/aside]さいごに
父親が活躍する映画のなかでも1位を争うほど、よか作品だった。心がむしゃくしゃしてて、スカッとしたいときにおすすめ。
まー、でも、ハッチのように街へ繰り出してくれぐれもバスの中で暴れないように。その辺は影響を受けるべからず。笑
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