映画『HELLO WORLD』ヒロイン瑠璃のかわいさ、もう一度会いたいという切なさ、感情が揺れ動き心がときめく作品
上映時間 | 98分 |
製作国 | 日本 |
監督 | 伊藤智彦 |
音楽 | 2027Sound |
主題歌 | OKAMOTO’S「新世界」 Official髭男dism「イエスタデイ」 Nulbarich「Lost Game」 |
配給 | 東宝 |
公開日 | 2019年 |
主な出演者 | 北村匠海(堅書 直実) 松坂桃李(カタガキ ナオミ) 浜辺美波(一行 瑠璃) 福原遥(勘解由小路 三鈴) 寿美菜子(徐 依依) 釘宮理恵(カラス) 子安武人(千古 恒久) |
この上なく胸がギュッと締め付けられてしまう、胸キュン作品でした。
ヒロイン一行 瑠璃のキャラクター性は本当にやばかったです。それと声優の浜辺美波さんも。
世の変態男性諸君はご注意ください。いちころ確定です。
あらすじ
京都に暮らす内気な男子高校生・直実の前に、10年後の未来から来た自分を名乗る青年・ナオミが突然現れる。ナオミによれば、同級生の瑠璃は直実と結ばれるが、その後事故によって命を落としてしまうと言う。「頼む、力を貸してくれ。」彼女を救う為、大人になった自分自身を「先生」と呼ぶ、奇妙なバディが誕生する。しかしその中で直実は、瑠璃に迫る運命、ナオミの真の目的、そしてこの現実世界に隠された大いなる秘密を知ることになる。
引用:Amazon.co.jp
感想
Hello world、と聞いてまず頭に浮かびあがるのが、WordPressでブログを開設したときにはじめから投稿されているHello world!の記事。
これと本作とでなにか関係しているのかと思いきや実は共通する点はあって、たとえばこれから新しい扉が開かれるというワクワク感で言えばそれになる。
劇中に登場する堅書 直実(以下、直実)と一行 瑠璃(以下、瑠璃)の関係性がそう。
2人が付き合うことによって新しい世界が切り開かれていく。付き合っていないときは新しくもなんともない状況で、両者の人生が交わることで別の世界が広がることを表現したかったのだと思う。
ただし、それは単なる2人だけの世界が動き出すのでなく、関係する人もしない人も含めて周りを巻き込んだ形で動き出していくということ。
この点のテーマにおいては、『海獣の子供』で詳しく描かれている。詳しくといっても、もうなにを言っているのかわからなくなる、不思議の領域に到達していて、しっかりと咀嚼して吟味する必要がある。つまり一度観ただけでは理解に苦しむ。
映像美に圧倒されて大事な場面で冷静さを保つことができず、結果、セリフが頭の中に入ってこない事態に陥ってしまう。1回目を観る者にとってはこれがなによりも辛い。
話を戻して、Hello worldを直訳すると「こんにちは!世界」となる。本作では直実と瑠璃が付き合い運命を変えようとする内容が描かれている。
運命とは瑠璃の死の回避。
そこで10年後のカタガキ ナオミ(以下、先生)の登場となる。この方の登場によって物語のすべてが動き出す。
どうやら直実が存在する世界は、アルタラによって作り出された仮想世界というやつで、先生は瑠璃を救うためにやってきた現実世界の人であるという。
ほかの映画にもあるように運命を変えてしまうと別のところにも影響を及ぼしてしまう、そんなイメージを抱くが、その線でどうやら間違いないらしい。
瑠璃の死を回避することで、仮想世界から現実世界への扉が開かれる。
世界が逆流するというなんとも不思議な事象が発生するが、これがどういう仕組みなのかはさっぱりわからない。
デジタルワールドでいうところのそれなのかな、と。「どれだよ!」て話ですが、現実世界とデジタルワールドでどちらにも移動できてたような気がする。記憶が正しければだけど。
仮想世界にも現実世界にもアルタラの自動修復システムで狐面が登場する。
こやつが厄介な存在で、運命を変えようとする直実や先生の前に立ちはだかろうとする。第二形態、第三形態と形を変えて思いっきり立ちはだかる。
単品のときはたいしたことはないが束になると話は別。バイオブロリーのような、なんじゃこれといった醜態を曝け出す。けど、強さは別格。
京都タワーが投げられて、グッドデザインで止めて、勢いに負けて、刺されて、直美が本気出して、先生が消えて、狐面第三形態が停止して、とトントン拍子で物語は進んでいく。
物語の最後には元の仮想世界へ舞い戻ってハッピーエンドを迎えるかと思いきや、直球ストレートな展開は避けられ直美と瑠璃は新たな世界へ漂着する。
まぁ、どこの世界で生きようと2人が一緒ならもはや世界なんてどうでもよくて、直美と瑠璃が無事ならそれでいい、という気持ちがいつしか芽生えていたことに気づく。
素敵なカップルやー。結婚するんかな、ケンカとかもするんかな、どんな家に住んでどんな仕事をするんかな、2人の人生をいつまでも見ていたい気持ちになる。そして、「この物語(セカイ)はラスト1秒でひっくり返る」の宣言通りインセプションが発動しここで今までの伏線が回収されて物語は終了する。
アニメでもこういう展開をやられてしまっては、ざわざわと鳥肌が立つに決まっている。
すごい、してやられた。後の祭りだけれども、この日を迎える見届けるために観てよかったと思えた。
不思議なもので、観終わったとき僕自身のなかで新しい扉が開かれたような、そんな感覚に襲われた。
この感覚、WordPressでブログを開設したときと同じようなものだった。
なんだろう、誰かに教わることもなく自己流で学び開設したので、それまで試行錯誤をして大変だったのでなおさら気持ちが乗っていたと思う。苦労の先にあったHello world!だっただけに、これからの未来に期待しかなかった。
ブロガー仲間とのいい出会いがあるんかなとか、収入も増えて裕福な生活が送れるんかなとか、仕事の依頼が増えていろいろなビジネスに携われるんかなとか……。まぁ、いろいろとよだれを垂らしながら妄想に浸ってたことが現実になる日を夢見ていた。
ところが、実際の人生はそんなに甘くはなく、ブロガー仲間と出会えることもなければ、ブログからの収入も雀の涙程度のもので、ビジネスの話などもはや皆無状態で、一体僕はなんのためにブログをやっているのだろうかと悶々とした日々を送っているような気がする。
どうしてだろう、新しい扉を開くどころかランニングマシーンに乗ってずーーーーっと同じところでジョギングをしているブログ人生のような……。
こんな僕でもいつかは新しい扉というやつを開くことができるようになるのか、信じるほか選択肢を探してます。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
主人公の堅書 直実を選びました。理由は、普段は頼りなくて地味で弱気で目立たない男性ですが、一行 瑠璃に出会ってからが男でした。
2人の関係は恋人同士になる前から基本リード券は瑠璃にあって、でもそんな彼女を守るってことに関しては誰にも負けていませんでした。むしろ10年後の自分にでさえ勝っていましたから、純粋な想いの最強伝説をつくったといっても過言ではありません。
先生の辛い気持ちもわかるので一概にも否定できない存在ではありますが、過去の自分から気づかされたようにそのあとの去り際シーンは非常にかっこよかったです。さすが10年後の堅書 直実と言いたいところです。
2人の出会いや修行のシーンは、時に面白く時に切なくていろいろ心が掻き乱されてしまったのでそれが逆によかったです。
最も美しいで賞
確かに、アイドル的な存在の勘解由小路 三鈴はめちゃめちゃかわいいと思います。てっきりヒロインはこっちかなと思ったぐらいで。一行 瑠璃に抱いたはじめのイメージは地味でした。
一癖も二癖もありそうでなんとも近づき難い存在で、実際直実も同じようなニュアンスで劇中で言われていました。
ただ、直実と出会ってから彼女自身のイメージもずいぶんといい方向へ変わりだし、女性らしさが見えだしてからでしょうか、かわいすぎました。参りました。ありがとうございます。
できることなら青春の全盛期が味わえると言われる高校時代に戻って、生まれ変わったことを前提に今度は男子高ではなく男女共学を目指し受験勉強に励み高校生活を謳歌してみたい、そんな淡い気持ちを抱いてしまうほど輝かしい存在でした。
2次元のキャラクターに恋心を抱くのってどうなの?て思ってましたが、意外にも悪くありません。惚れてまうわー。
さいごに
勢いに任せた感想となってしまいましたが、素の自分の姿をさらけ出したかのような気がしてちょっと恥ずかしいです。観て感じたままの言葉を補修するわけでもなくだだだだと書いてみました。
映像美としても楽しめますし、切ないラブストーリーとしても楽しめます。3ひねりある物語の展開も面白さに奥行きを与えてて楽しむことができました。このアニメ映画は期待以上に面白いですから気になる方は鑑賞してみてください。