『10 クローバーフィールド・レーン』レンタルだからこそ観てよかったと思える作品
上映時間 | 103分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | ダン・トラクテンバーグ |
音楽 | ベアー・マクリアリー |
配給 | パラマウント映画 東和ピクチャーズ(日本) |
公開日 | 2006年 |
主な出演者 | メアリー・エリザベス・ウィンステッド(ミシェル) ジョン・グッドマン(ハワード) ジョン・ギャラガー・Jr(エメット) ブラッドリー・クーパー(ベン) |
どうも、バンコです。
今年2016年6月17日に公開された『10 クローバーフィールド・レーン』が、早々とレンタルを開始していたので観てみました。
予告を観たときから気になってた作品で、本作を観た感想としてはパッケージからは想像もつかない内容で、前半から中盤にかけて人間の恐怖でハラハラ・ドキドキさせられました。
後半はうーんという感じでしたが、全体的にはとても楽しめる作品でした。レンタルしてよかったと思います。
同じようなタイトルで2008年に公開された『クローバーフィールド/HAKAISHA』という作品がありますが、本作との関係性はまったくありません。一部タイトルが被っているため続編のように思われるかもしれませんが別物です。
ただ人類滅亡の危機に面するという点では、同じテーマが扱われています。
作中のところどこに疑問点が浮かび上がりますが、そこはあまり深追いしないことが本作を楽しむ秘訣です。
では今からは感想について、具体的に面白いと感じた理由を紹介したいと思います。
あらすじ
ミシェル(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は目覚めると、自分が見ず知らずの2人の男性とシェルター内にいることに気付く。その日を境に、彼女を助けたと主張するハワード(ジョン・グッドマン)とエメット(ジョン・ギャラガー・Jr)との奇妙な共同生活がスタートする。ミシェルは、外は危険だという彼らの言葉を信じるべきかどうか悩んでいた。
引用:Yahoo!映画
感想
予告映像の編集技術が予想以上にすご過ぎる!
まず予告映像を観てください。(上の予告映像と同じものです)
どうですかこの先が気になる編集技術は。超観たくなりませんか。
ドアの向こうの世界が一体どうなっているのかとか、驚くミシェルが目にした先には何があったのかとか、ミシェルはシェルターから脱出することができるのかとか、予告映像を観ただけで色々気になるわけです。
そのほか3人で楽しそうにモノポリーやパズルをやっているシーンとかありますが、3人とも仲良しなんだろうなあと思った矢先ミシェルはハワードにビール瓶で攻撃をしたのち必死に逃げようとするシーンがあって、3人の間で一体何があったのか知りたい欲求に駆り立てられます。
パッケージには宇宙船のようなものが写っていますが、予告映像には何一つ映っていなくてもう何がなんだかわからない状態になります。
この違いにもはや脳は混乱状態。
まったく想像がつかないものだから鑑賞してどんなものなのか知りたい、そんな気持ちを抱かせる予告映像の編集技術の高さに脱帽です。
何を誰を信じていいのかわからない”不安”と”恐怖”がむしろ病みつきになる!
そりゃ不信感しか生まれませんよ。
突然車の事故に合い、目を覚ますと監獄のような場所で左足にはごついギブスに手錠がくくりつけられ身動きができない状態。
それに点滴までされてますから、病院で処置をされているならまだしも布団一枚しかない殺風景なあんな場所で目を覚ます心理といったら、もう恐怖しか感じられないわけですよ。
さらに誰だかわからないヒゲモジャ&デブ男(ハワード)が目の前に現れたことで、より一層不安感が募ります。
で、そんな男(ハワード)から食べ物を差し出し「外は汚染されている、この場所は安全で君を守っているのだ」と言われても、そんな少ない情報で信じられるわけがないがな。
ただでさえ情緒不安定な状況に立たされているってのに。
おい!ヒゲモジャ&デブ男(ハワード)よ、もっと詳しく説明しろよ!とツッコミを入れずにはいられませんでしたが、ここまでの展開で思うのは、これらのシチュエーションは”不安”と”恐怖”を与えるものであって、人間の心理を上手に利用してつくられているなあと関心しました。
開始数分間で観る者に”不安”と”恐怖”の感情を抱かせるなんて、まったくもってすごいのひと言です。
怪しすぎる大男・ハワードの結末が悲しすぎる!あ、違った笑える!
さきほど紹介したヒゲモジャ&デブ男のハワードですが、この男がほんと読めない人物でして信じるべきか信じないべきか判断に迷うわけです。
オレは怪我している人を見捨てられないタイプみたいなことを言われても、善人には見えないですし俳優のジョン・グッドマンには大変失礼ですが見た目がもうアウトです。
裏表がある感じがして、無償で何かをすることは絶対にないタイプの人間のように思えてしかたがありません。
作中ではミシェルやエメットの2人に、無償で食べ物や住まいを提供していましたが。いまいちこの男を信用できないのは、徐々に判明する彼の嘘が原因なのもあります。
で、遂に変態ヤローの化けの皮が剥がれた瞬間が訪れ、ミシェルと2人で一緒に過ごそうと急接近します。
このときのハワードといったら、まぢヤバかったです。気持ち悪さの極意を極めていました。
追う者追われる者系のシーンになってて、手に汗握る状況に終始ドキドキ感が止まりませんでした。
そんな彼も最後には力尽き、ミシェルは外の世界へ逃げ出すことに成功しましたが、彼女はここでショッキングな事実に直面することになります。
そう、ハワードの言っていたことはすべて本当のことで、外の世界は危険に満ちあふれていました。
皮肉なものですよね。悲しい結末ではありますが、このような状況を生んだのもハワード自身に問題があって信用できないことをしてきたからです。自業自得といいますか、あの気持ち悪い一連の流れを見てしまうと同情よりもざまあみろと笑い飛ばしたくなりますから。
ちなみに
今回監督に抜擢されたダン・トラクテンバーグという方はCM業界の出身でして、以下のショートフィルムで実力が認められ本作の監督に抜擢されたそうです。
SFの短編映画のようで、単純にボクはこの世界観好きです。
さいごに
見方によっては前半と後半のギャップに消化不慮を起こす可能性もありますが、前述した通りあまり深い負いせずあるがままの事実を受け入れてみてください。
そうすることで、存分に楽しめると思います。
個人的には劇場で鑑賞するよりもレンタルでよかったなあと感じる作品でした。
予告映像を観た方は、きっと抱くであろう心のモヤモヤを本作の鑑賞を通して取り除いてみてください。
前提として本作のジャンルは、あくまでSF・サスペンス・スリラーということだけはお忘れなく。