SUPERIA X-TRA 400で写す日常写真 | Film Photo Collection
「SUPERIA X-TRA 400」で写す写真は本当にいいものばかり。なかでも発色が特にいい。すごくいい。
おかしなことを言っているのかもしれませんが、フィルムなんだけれどもフィルムらしさが感じられるというか。日常を深く味わっているかのような錯覚に陥ってしまい、つまり自分の写真に惚れる。
こんな写真の残し方が今もあってよかった、知っててよかった、と現像から出来あがった写真を見て毎回そのように思う。
ブレている写真、構図が気に入らない写真、似たりよったりな写真、出来上がった1枚1枚の写真はまるで僕自身の体の一部を捉えているような、そんな感覚すら覚える。基本、見たもの感じたものを写真として残しているだけなので、撮るといった行為は感覚的なものに近い。
狙っているわけでもないごくごく自然体の世界観をあらわしているだけで、これから紹介する写真を通して平凡なとある男の他愛もない日常を味わっていただけたらと思う。できればほかに寄り道せずこのままお付き合いください。
「SUPERIA X-TRA 400」作例
海
僕にとって海は落ち着ける場所であり、人生を振り返る場所でもある。寄せては返す波の音や、海風にのって運ばれる潮の香りを感じながらずっと眺めていられる。
ときに荒れ狂う海があれば静寂な海もある。それが人間の感情を表しているかのようで見て飽きない。どこを切り取っても同じものはなくて、海にはなにかしらの物語がある。写真と一緒で海が好きな理由はそれになる。これからもいろいろな物語を撮り続けていこうと思う。
緑と空
緑は目に優しいというけれども、写真を見てもなんだか目にいいような気がしてくる。自然は壮大だし広大だし、なにより偉大だ。
自然を目の前にしてしまうと人間のちっぽけさに気付かされてしまう。今悩んでいることさえもどうでもよくなってしまう魔力みたいなものがある。豊かな景色さえあれば人生それだけでいいような気がする。
花
子どもの頃、親から連れられて花を見に行くのになにが面白いのか理解できなかった。退屈だし、むしろあれだったら嫌いの部類だった。それだったら、もっと遊べる場所へ行きたかった。でも大人になった今は違う感情を抱いている。
カメラが趣味になり花を撮るようになった。
花をまじまじと見るようになった。
花を意識して探すようになった。
きれいだなー、と思えるようになった。
四季折々の花を咲かせる時期が楽しみでしかたない。
建造物
今まで踏み入れたことのない場所へ行くのはすごく楽しい。風景もそうだけれども建造物を見るのも楽しい。人の手でつくられたものに作り手の意思が感じられる。
どんな経緯で、どんな人が、どんな思いでつくったのか、何人でつくったのかも気になる。そんな考えを巡らせながら写真を撮ることもある。そうすることで過去の世界とつながれたような気分になれる。
家族
家族写真には物語がある。あとになって見返すと、家族を撮った写真には思い出をつなぐような役割に気付かされる。
心の奥に染み込んだ記憶を吸い上げるかのように、それは激しくも優しく蘇ってくる。写真を見返す感覚はまさにそれで、これからもいろいろな思い出を家族写真として残していきたい。
まとめ
国内フィルムの生産中止が相次ぐなか、「SUPERIA X-TRA 400」もそのひとつ。比較的安価に手に入るフィルムとして重宝していただけに残念な気持ちでいっぱいでしたが、販売自体は実は今も続いている。現在は海外パッケージ版として以前同様にお手頃価格で手に入れることができるようになっている。
感度が400であるためオートであれもこれも撮りたいといった方におすすめの、まさに万能型フィルム。容易に昭和カラーを再現することができるので、ぜひ試してみてほしい。