映画『ドント・ブリーズ2』盲目おじさんは最強でも、完全に脚本によって泣かされてしまった作品
上映時間 | 99分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | ロド・サヤゲス |
音楽 | ロケ・バニョス |
配給 | ソニー・ピクチャーズ・リリーシング(アメリカ合衆国) ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(日本) |
公開日 | 2021年 |
主な出演者 | スティーヴン・ラング(ノーマン・ノードストローム) ブレンダン・セクストン3世(レイラン) マデリン・グレイス(フェニックス) |
盲目つったって……。盲目おじさんについて思うことがたくさんあった。
ストーリーについてもだけど、前作のほうが緊迫感があって面白かった。
以下、なにがお気に召さなかったのか、感想について書いていく。
あらすじ
人気のない郊外の古びた屋敷に住む、ある盲目の老人。彼はその屋敷で一人の少女を大切に育て、二人だけで静かに暮らしていた--
その男こそ、8年前、強盗に押し入られた被害者として生きているが、実は強盗団を惨殺した過去をもつ、あの盲目の老人だった・・・。
ある日、謎の武装集団が老人の屋敷に静かに忍び込む。その目的は少女--。
暗闇の中、全てを知り尽くした屋敷内で全員の抹殺を試みるも、訓練されていた集団は老人を襲い、火を放つ。
命からがら炎の中から逃げ出したが、そこに少女の姿はない。目覚める狂気の怒り。老人は己の手で大切に育てた少女を取り戻すため、
武装集団の後を追う・・・。
その集団はなぜ少女を狙うのか、少女はいったい何者なのか、老人はなぜ少女に固執するのか。
全ての真実を知ったとき、前作を超える衝撃に息が止まる--。
感想
ストーリー的に、今回は無理があった。そもそも主人公をただの筋肉バカのおじさんではなく、盲目という制限がかけられた状態を作り出しているので、自宅でストーリーが繰り広げられるといった舞台自体に制限がかけられた1作目のほうが盲目の特性が活きていた。
今回は自宅のみで完結するストーリーではなく、敵のアジトに向かうといった移動が加わったことでツッコミどころ満載となってしまった感はある。しかもその移動の仕方も、犬と徒歩という、まるで盲導犬を引き連れているおじたんといった不思議な光景を見せられた。
うん、やろうとしていることはわかる。盲目なので自分では車が運転できない、バイクや自転車だって乗れない。タクシーを使うわけにもいかないことはわかっている。僕もそこまでバカじゃない。
唯一の頼みの綱であった人物はやられちゃっていましたし。さぁ、ならどうする。となったときに、たどり着いた答えが人の手を借りるとかではなく、犬に誘導してもらう。苦肉の策だったのか、これ。
人との関係性を極力なくして、盲目おじさんを一匹狼に仕立てたいのはわかりますけど、あまりにも気の毒すぎて。ぜひ、違う案を採用していただきたかった。過去にひどいことをしているので、人との関係性をもたせないようにしているのはわかる。
「けど、敵の犬と距離を縮めてどうするの?」
「いくらなんでも、出会って間もない時間のなかで命を助けられたからといって、人間と犬がすぐ信頼関係を築けます?」
ヒューマンドラマじゃないんだから、一緒のノリにしたらあかん。生きるか死ぬかの瀬戸際だったので、犬が助けられてよかったという気持ちは芽生えますけど、そこは別問題。ちゃうでしょー。
それにいつの間にか盲導犬に仕立てられた犬も、そもそも展開自体に問題があって。盲導犬は普通訓練とかしないと道案内は難しいのですが、そのことを完全に無視した状態を作り上げていたので、なんじゃこら、てなった。
盲目おじさんの目は誤魔化せても、私の目は誤魔化せない。誤った認識が広がってしまうのは本当にやめてほしい。今後、盲目おじさんと犬の絡みがないことを祈りたい。
で、で、で。その後もツッコミどころはあって。盲目おじさんの大切な少女が拉致られているっていうのに、時間がないなかで犬に連れられてアジトに到着しましたー、てどういうこと。歩いていける距離ってことは、ご近所さん?、いや、ちゃうでしょ。
実の母親に無理やり心臓を献上する手術がはじまろうとしているんですよ。ピンチでしょ、やばいでしょ、急がなでしょ。そんな状況のなかで徒歩?って、ある意味笑えた。命が危ない一方で徒歩で向かうという選択肢しか残されていないのは、緊迫感に欠ける要因ではあった。
以上のことから、犬と絡ませるべきではなかったことをわかってほしい。普通に、誰かに乗せてもらうような展開でよかったと思う。そっちのほうがいちいち気にすることなく楽しめたはず。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
ノーマン・ノードストローム役のスティーヴン・ラングを選んだ。理由は、今回は脚本の悪さが仇となっていましたけど、アクション自体は健在だったのでその辺は評価をしたい。60代で、あの動きですよ。考えられへん。
目が見えていないのに気配だけで戦う姿は、もはやこれぞラングのアクションといわんばかりに地位的なものを確立したといっても過言ではないと思う。(ジョン・ウィックでいうところのガンフーみたいなもの)
次回続編も衰え知らずのブラインド・アクションを期待したい。
[box class=”glay_box”]名前:スティーヴン・ラング(Stephen Lang)
生年月日:1952年7月11日(69歳)
出身地:アメリカ合衆国
身長:179 cm
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]スティーヴン・ラングを知るきっかけとなった作品。2より1の方がハラハラ・ドキドキして断然面白い。もはやこれで完結してもいいぐらい完璧だった。
西部劇映画の大傑作。これ以上の言葉は並べられない。胸熱作品なので、ぜひ観て感じてほしい。
ここでも最強おじさんとして登場する。ちなみに目は見えている。衰え知らずのアクションは必見。
[/aside]最も美しいで賞
ヘルナンデス役のステファニー・アルシラを選んだ。理由は、ちょい役で出番は少なかったですけど、普通に顔がきれいだったので作中では何気に存在感があった。
雰囲気がミシェル・ロドリゲスに似ていて、色気があったのも選んだ理由になる。日本での知名度は低いのか、調べてもたいして情報があまりない。美人さんなので、これからの活躍を期待したい。
[box class=”glay_box”]名前:ステファニー・アルシラ(Stephanie Arcila)
生年月日:1990年3月8日(31歳)
出身地:アメリカ合衆国
身長:168 cm
Twitter:@StephArcila
Instagram:@stepharcila
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]様々な人種やセクシュアリティが入り混じった家族が、それぞれアイデンティティで悩みながら人生を歩んでいく様子を描いた作品。リアル社会を追求しており、オチ以外は評価がわかれる。
2009年~2014年にわたり全米ドラマ視聴率No.1に輝いた犯罪捜査ドラマ。シーズン15の第15話で、ダニエル役として出演。
- ペニー・ドレッドフル:シティ・オブ・エンジェルス(2020年)
メキシコの民族信仰の女神・サンタムエルテ側についた者たちと、悪魔の側についた者たちとの間で起きる衝突を超自然な世界と現実を織り交ぜて描いた作品。
[/aside] [kanren postid=”9405″]さいごに
前作が面白かっただけに今回も期待をしていましたが、思いのほかアラが目立っていたもので……。とは言っても、盲目おじさんはまったく悪くはなくて、悪いのは脚本のただ一点のみ。タイトルでさえ『ドント・ブリーズ2』という、サブタイルでさえ考えるのがめんどくさかったのか、思いつかなかったのか。ただただ残念としかいいようがない。次作への期待は限りなく薄め、かな。
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