映画『ドラゴンボール超 ブロリー』劇場版ドラゴンボール史上最高傑作確定の作品
上映時間 | 100分 |
製作国 | 日本 |
監督 | 長峯達也 |
原作・脚本・キャラクターデザイン | 鳥山明 |
主題歌 | 「 Blizzard 」 三浦大知 |
配給 | 東映/20世紀フォックス |
公開日 | 2018年 |
主な出演者 | 野沢雅子(孫悟空、孫悟天、バーダック) 堀川りょう(ベジータ) 久川綾(ブルマ) 草尾毅(トランクス) 古川登志夫(ピッコロ) 山寺宏一(ビルス) 中尾隆聖(フリーザー) 宝亀克寿(パラガス) 島田敏(ブロリー) 水樹奈々(チライ) 杉田智和(レモ) |
復活のFから3年8ヶ月ぶりとなる作品で、悟空とベジータに立ちはだかる今度の敵はブロリー。フリーザとは違って冷酷でもなければ姑息でもないキャラクターで、ドラゴンボール史上最強に好きなキャラクターです。
期待せずにはいられない。ということで、観てみました。ひと言でいえば、最高傑作でした。
あらすじ
「力の大会」後の平和な地球。宇宙にはまだまだ見た事のない強者がいると分かった悟空は、更なる高みを目指して修業に明け暮れていた。そんなある日、悟空とベジータの前に現れたのは、見たこともないサイヤ人“ブロリー”。惑星ベジータ消滅とともにほぼ全滅したはずの“サイヤ人”がなぜ地球に?再び地獄から舞い戻ったフリーザも巻き込み、全く違う運命をたどってきた3人のサイヤ人の出会いは、壮絶な闘いへ――。
感想
見どころはバトルシーンではなくて
いや、バトルシーンも確かに見どころではありました。
作画がきれいだと思ったらTVアニメ『ONE PIECE』や映画『プリキュアオールスターズNewStage3』の作画を務めたとして有名な新谷直大さんでしたし。なによりCGがめちゃめちゃきれいでした。
映像のなかに、「あれ?これはテレビゲームかな?」と感じさせるようなシーンもありました。確か悟空とベジータの2人が一緒になってブロリーへ攻撃するシーンだったかなと思います。
バトルシーンは相変わらずスピーディーでしたし。次から次へとよくもまあ、いろいろな技が出せるものだなと感心させられることもあって。多彩な攻撃を繰り広げるシーンは、正直退屈しませんでした。
ただ、本作が面白いと思うのは別のところにあって、主要人物一人ひとりの背景や説明が丁寧に描かれていたという点です。
ブロリーの父パラガスはまだしも、フリーザ軍の非戦闘員のチライとレモの2人にもしっかりと焦点が当てられていて、ブロリーにとっては心のより所みたいな存在になっていました。
昔のブロリーを知る人にとっては、その辺りは大きな変化に感じる部分だと思います。ただの暴君ではないということに。
こんな人間味あるブロリーを見たことがありませんし。だからこそ感情移入もできて、温かみのあるキャラクターでした。そういうキャラクターの部分でしっかり描かれていたことが、なによりの見どころであると感じました。
終わってほしくないなと思ったのは久々でした。
ブロリーの雄叫びがとにかくうるさすぎて
もちろん微妙に感じるところもあって、ある意味これはクレームものでした。
そうそう、ブロリーの雄叫びは気持ちは大いにわかりますが、やりすぎというかいい意味でいえば野性的でした。
成長スピードが早いことに対しては目をつぶるのが最善の選択であると思いますが、雄叫びだけはどうしようもなく耳障りで目をつぶるどころか耳をつぶりたい気持ちでいっぱいでした。
強くなるたびにその1点だけはとにかく苦痛でした。
バトルシーンに入ってからはなんだか常に叫んでいるイメージしか残っておらず、若干頭もガンガンしてましたし。悟空やベジータに対して、外側からだけでなく内側からもじんわりと弱らせる作戦だったのでしょうか。
ブロリーに限ってそんなことはないとは思いますが、見た目も性格も一新されたので絶対にとは言えない部分ではあります。
雄叫びの大きさは強さに比例していることがわかっただけでも、これはなにかの収穫になると思われます。わからないけど……。
あー、これはナロンエースを飲むしかないのかな。
懐かしと感じることもあれば残念に感じることもあって
テレビアニメやコミックを読んで、もう忘れてしまっていることもありますが、懐かしのキャラクターが登場するシーンには、思わずテンションがあがりました。
ファンにとってはたまらない展開で、フリーザ軍の部下のドドリア、ザーボン、ギニュー特戦隊辺りはほんと懐かしかったです。ずいぶんときれいな作画になっていましたが、それでも面影は残されていました。
あと個人的に上がりもしたけど下がりもしたのがゴジータです。
劇場版としては実に23年ぶりの登場で、ジャネンバ以来ゴジータはブロリーと並ぶ好きなキャラクターのひとりです。
ただ残念なことに、今回のゴジータに関して言えばクールなイメージとはうって変わり、ややおしゃべりではあったので完全にベジットとキャラクターが被っていました。
それぞれ独立したキャラクターとして確立されたものがあったからよかったものの、性格までフュージョンされてしまってはもともこうもありません。
昔のキャラクターの登場に懐かしむ一方で、悪いほうに変化している点は残念に思うところではありました。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
ゴジータも非常に、非常に捨てがたいキャラクターではありましたが、ここはやはりブロリーを選びました。敵ではありましたがある意味主役的な存在でした。
育った環境が影響しているのかほんと素直な性格の持ち主で、父への忠誠心だけは異常でした。
これも育った環境が大きく影響していると思いますし。仕方がないことではありますが、濁りなく清らかなまっすぐな心がときに眩しすぎることがありました。
バカ正直という残念なところもありますが、それがまたキャラクターとして成熟できる可能性を秘めているのかなと思います。
なにを食べたらどんなトレーニングをしたら、あのような肉体になるのか不思議ではありましたが、戦闘民族のなかでも別格の存在だったのかなと思います。
海外でも人気のキャラクターらしく、通常時と怒った時のギャップで女性からの人気も高いのだと思われます。
最も美しいで賞
悟空とラディッツの母親として今回初登場を果たしたギネを選びました。つまりバーダックの嫁ということになります。
理由は想像とは違って温厚な性格で、地球に飛ばされる悟空に涙を流すシーンはやっぱり母親なんだなと感じました。登場する時間こそ少ないですが、誰よりも悟空のことを愛しているんだなー、と思いました。
今までドラゴンボールでは感じたことがない、親と子の関係性に心に響くものがありました。
キャラクターとしてチチと被る点は大いにありますが、それもまたサイヤ人として遺伝的なものが影響しているのかなと思ったり。戦闘民族は好きな人のタイプまで似てしまうのかと思うと、そこに個性はないのかとツッコみたいところではありました。
さいごに
本作をきっかけに改めて過去ブロリーが登場した作品『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』を観てみました。あきらかに言えることは、本作はかなりレベルの高い出来栄えになっていると声を大にして言えます。間違いありません。
むしろ過去の作品の出来栄えの酷さに気づいて、途中観てられませんでした。苦痛でした。本作はドラゴンボール史上最高作と胸を張って言えます。
これは観るしかありません!