映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』けして正統派ではない遊び心のあるSF作品
上映時間 | 137分 |
製作国 | フランス / 中国 / アメリカ合衆国 アラブ首長国連邦 / ドイツ |
監督 | リュック・ベッソン |
音楽 | アレクサンドル・デスプラ |
配給 | ヨーロッパ・コープ(フランス) STXフィルムズ(アメリカ合衆国) キノフィルムズ(日本) |
公開日 | 2017年(フランス / アメリカ合衆国) 2018年(日本) |
主な出演者 | デイン・デハーン(ヴァレリアン少佐) カーラ・デルヴィーニュ(ローレリーヌ軍曹) クライヴ・オーウェン(アルン・フィリット司令官) リアーナ(バブル) イーサン・ホーク(客引きジョリー) ハービー・ハンコック(国防大臣) クリス・ウー(ネザ軍曹) ルトガー・ハウアー(世界連邦大統領) |
最近観た『レディ・プレイヤー1』も結構な勢いでがちゃがちゃしているSF映画と思っていましたが、本作はそれ以上でした。見るに堪えないという話ではなく、むしろ圧倒的な映像美を目の前に言葉になりませんでした。どの程度の美しさなのか観てみてください。それが一番早いと思います。
ほとんどのシーンでCGを駆使していると思いますが、こういった類の作品は演じている俳優とか女優がいちばん大変だろうなあと……。どんだけ想像力が豊かなんでしょうかね。とにかく、すごいとか、そんな単調な言葉しか出てきません。
あらすじ
西暦2740年。宇宙の平和を守るため、銀河をパトロールしている連邦捜査官のヴァレリアン(デイン・デハーン)とローレリーヌ(カーラ・デルヴィーニュ)。アルファ宇宙ステーションに降り立った彼らは、長い時間をかけて規模を広げ、多種多彩な種族が共存している“千の惑星の都市”の繁栄を目にする。だがその裏にはある秘密が存在し……。
引用:シネマトゥデイ
感想
骨の髄まで観て楽しめた娯楽映画
どこ探してもなかなかないですよ、こんな作品は。演出にしたって発想が面白くて、未来以上に未来過ぎる超バーチャル世界を眺めているだけで心が幸せでした。『レディ・プレイヤー1』よりも先に観ていなくてほんとよかったです。間違いなく、『レディ・プレイヤー1』を観ても物足りなかったと感じていたはずです。きっと。
ヴァレリアン少佐が時空を超え壁を超え走り去るシーンは、まるでアトラクションに乗っているかのようでした。大げさかもしれませんが、この臨場感は観た人にしかわからない特別な現象だと思います。劇場で観ていたらもっとやばかったのかな。今さらですが、こんなことなら映画館へ足を運んどきゃよかったです。
キャラクターのイメージが意外だった
ヴァレリアン少佐はてっきりクールで真面目なキャラクターと思いきや、思っていたこととはまったくの真逆で、ほんと騙されました。普通にチャラくてしつこい奴でした。作中これでもかあというくらいに、ローレリーヌ軍曹へひたすら求婚をしていたので、途中くどすぎるだろうと思いつつ、「ほかでやってくれ、こっちは映画を観てるんだ」と、こっちが第四の壁をぶち破ってやりたい気持ちでした。
しかも失笑レベルだったのが、終盤辺りのあるシーン。彼女のひと声で、ものの数秒後には意思が180度がらっと変わってしまい、「おいおい、君には信念というものがないのかね」と、優しく諭してあげたかったです。とにかくローレリーヌ軍曹に対するヴァレリアン少佐の右向け右感がハンパありませんでした。
生物界きってのクズは人間
いやー、残念ながら、リュック・ベッソン監督のこの作品ではそうだった。いろいろな宇宙生物と共存共栄しているなかで、人間が一番最低なことをしでかしていました。むしろどんだけパール人は人間に対して優しいんだか。事故とはいえ娘を殺されてしまいましたから、普通は復讐心が芽生えるはずなんですが……。
その辺を描いてしまうと、単なる宇宙戦争になってしまう可能性もなきにしもあらず。まあ、それはそれで面白そうな気もしますけどね。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
アジア系らしきかっこいい俳優がいましたが、それを上回るぐらいかっこよかった人物として主人公でありタイトルにもなっているヴァレリアン少佐役を演じたデイン・デハーンを選びました。
あのなんとも言えない凛々しいルックス。イケメンすぎます。女性陣からすると、鬱屈した雰囲気にやられるみたいですけど。現代版ディカプリオといったふうに言われていますが、個人的にはターミネーターのときのエドワード・ファーロングと雰囲気が被ってしまいます。今はまったく似ていませんが。しかしこう見えても、31歳(2018年現在)というのには驚きました。どんだけベビーフェイスなんでしょうか。
代表作でもある『アメイジング・スパイダーマン2』や『クロニクル』は面白くておすすめです。
本作ではローレリーヌ軍曹に猛烈に求婚する姿や、戦闘がはじまると思った以上に強さを発揮する姿に注目して観られてください。そのギャップに世の女性たちはやられてしまうのでしょうか。ボクにもそのギャップがほしいです。
最も美しいで賞
エリザベス・デビッキも美しいと思うのですが、やはりこの人しか考えられないのはボクだけでしょうか。そう、この方、カーラ・デルヴィーニュです。
はじめて彼女のことを知ったのは、映画ではなくてメディアをきっかけに、えらい特徴的な眉毛をしているなあと思いました。しかし、顔は美人。独特な雰囲気があって、なぜか彼女のことを追い求めたくなる、そんな感じの人物です。どんな演技力のあるお方なのか、興味がふつふつと湧いたので本作を観ました。結果、最高でした。ますます彼女に興味が湧きました。
スタイル抜群の水着姿を拝めたのには、もうなにも文句ありません。これだけで評価の基準の大半を占めているといっても過言ではありません。魅力的です。ただ、いつくか彼女のことについて調べていくなかで、坊主姿の経験があったり、女性と付き合っていたり、過去にうつ病を患わっていたり、と。まあ、いろいろと人生紆余曲折あったようで、一般の人となんら変わらないくらい悩んで、苦しんで、それを乗り越えて。輝かしい人生の裏に隠された苦悩は想像を絶するものだったと思います。いろいろ記事を読んでみて、彼女のことをより一層応援したくなりました。
さいごに
SF映画のなかでも『インターステラー』『ゼロ・グラビティ』『オデッセイ』辺りの正統派の作品に対し、本作はどちらかといえば遊び心のある作品でした。宇宙が舞台ではありますが、いろいろな宇宙生物が登場して冒険心満載の展開になっています。観て楽しむことを追求した先にあるものが、本作のような気がします。SF好きな人なら一度観ておいても損はないかと思います。