映画『スプリット』ジェームズ・マカヴォイの圧巻の演技と解離性同一性障害というものがなんとなく想像できた作品
上映時間 | 117分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
監督 | M・ナイト・シャマラン |
音楽 | ウェスト・ディラン・ソードソン |
配給 | ユニバーサル・ピクチャーズ(アメリカ合衆国) 東宝東和(日本) |
公開日 | 2017年 |
主な出演者 | ジェームズ・マカヴォイ(多重人格者) アニャ・テイラー=ジョイ(ケイシー・クック) ベティ・バックリー(カレン・フレッチャー医師) ヘイリー・ルー・リチャードソン(クレア・ブノワ) ジェシカ・スーラ(マルシア) |
どうも、バンコ(@banco_oc)です。
ジェームズ・マカヴォイのつるっぱげ姿のパッケージがかなり印象的で、半ば興味本位で観てみました。
率直な感想、観てよかった思える作品です。
最後の最後までハラハラ・ドキドキする場面の連続で、途中飽きることなく観つづけることができました。
それに本作のテーマのひとつとして解離性同一性障害が扱われていたのは非常に興味深かったです。
福祉の仕事に携わっていて今までこのような症状のある方と出会ったことがなく、いまいちピンときませんでしたが、本作を観ることで興味が増しました。ますます会ってみたくなりました。
どんな感じなのかな。
でもまあ、ビーストにだけは出会いたくはありませんが。(笑)
雰囲気を盛り上げるBGMも最高によかったです。
あらすじ
高校生のケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)は、クラスメートのクレア(ヘイリー・ルー・リチャードソン)の誕生パーティーに招待される。帰りは、彼女とクレアの親友マルシア(ジェシカ・スーラ)をクレアが車で送ってくれるが、途中で見ず知らずの男性(ジェームズ・マカヴォイ)が車に乗り込んでくる。彼に拉致された三人は、密室で目を覚まし……。
引用:シネマトゥデイ
感想
すごいよ!ほんとに凄すぎるジェームズ・マカヴォイ
なんといってもジェームズ・マカヴォイのつるっぱげ姿・・・ではなくて、彼の演技力の高さにはすごく驚かされました。
とはいっても今まで彼が出演していた作品の演技力も下手と感じることはなく、むしろ上手すぎると感じていました。
ただ、今回本作では解離性同一性障害を伴う人物の役を演じ、人格が変わるたびに完璧な演技を魅せていました。
いやー、ガチで凄すぎるとしか言いようがありません。
見た目の変化は服装などを変えさえすれば誰にでもできますけど。
あるときはデニス、あるときはパトリシア、あるときはヘドウィグ、あるときはケビン、あるときはバリー、あるときはオーウェル、あるときはジェイド。
といったふうにそれぞれ口調や表情、言葉遣いを使い分けていて、この人まぢ天才と思いました。
一度に多くの役柄を演じていたので、役に没頭しすぎてプライベートに支障が出たんじゃなかろうかと思えるほど、ビビリ上がります。
X-MENのプロフェッサーXのイメージを完全に払拭したといえるほどのレベルです。
出演キャストの女優がなにげに美人なのがこれまたよかった!
これボクのなかで、作品の評価基準で重要視している部分だったりします。
だって好みの美女がいないというだけで、観る気が失せることもありますから。
よほど物語にひねりがあって面白いというのではあれば話は別ですが。
本作に関しては、なかなかいいキャスティングだと思いました。
個人的に好みだったのが、ケイシー演じるアニャ・テイラー=ジョイとクレア演じるヘイリー・ルー・リチャードソンのお二方。
アニャ・テイラー=ジョイは、若干目と目のあいだが離れていて気にはなりましたが、大きな瞳にウルッときた瞬間の表情はまぢでやばかったです。ズキューンと射止められてしまいました。
かたやヘイリー・ルー・リチャードソンはというと、眉毛の太さが気にはなりましたが、ほわっとした雰囲気が普通によかったです。
マルシア演じるジェシカ・スーラは、ただ単に顔が好みではなかったというだけの話です。
本作を観るまでは美女お二方の存在を知りませんでしたので、意外な発掘になりました。
冒険してみてよかったです。
物語後半の展開は好みが分かれるかと・・・
ジェームズ・マカヴォイ演じる人物のなかには、23人もの人格が存在していてなんの前触れもなく次々と入れ替わり登場します。
恐ろしいほど性格や口調が変わるため、不気味にすら感じました。
しかもケイシーもクレアもマルシアも問答無用に拉致られて監禁されたかと思えば、卑猥なことなんて一切ありませんでしたから。期待外れといえば内心そうなります。
3人一緒の部屋で、そこには寝心地がよさそうなベッドや綺麗なバスルーム&トイレが完備されていて逆に不安を煽るような雰囲気が醸し出されていました。
不気味な印象しかない男は、一体なんの目的があって彼女らを拉致ったのか、前半はそのことだけがずっと気になって観てました。
その後、中盤から終盤にかけての流れは、いいテンポで展開が進んでいました。
ただし、24人目のビーストの存在があらわになったあたりから、あまりにも現実離れした内容で残念に感じました。
人を超越したあるモノに進化していましたし、これ普通に考えてX-MENのミュータント化となんら変わらないんじゃないかな。
もっとマシな展開はなかったのか。いまいち共感しにくく微妙でした。
さいごに
すごく面白かったとまではいかなくても、解離性同一性障害のことについてなんとなくこういうものというのがわかって、個人的には得るものがありました。
最近の映画で、福祉絡みをテーマにした作品が多いと感じるのはボクだけでしょうか。
教養として映画を楽しめるので、ボクとしては二度おいしい話ではありますが。
障害者福祉で働く人は、見方を変えて観るだけでもいい勉強になると思います。
ちなみに
鑑賞後、本作のことについて調べてみたところなにやら続編となる作品『Glass(原題)』が、2019年1月18日に米劇場公開を予定しています。
それに『スプリット』の前作は、『アンブレイカブル』ということがネットの調べでわかりました。本作についてまったく知りませんでしたから。
最後の最後にあの人物が登場した理由がわかって、そういうことかと腑に落ちました。
まぢでとんだサプライズですよ。