劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』ありきたりではない、特別な存在のふたりが贈る感動の青春作品
上映時間 | 108分 |
製作国 | 日本 |
監督 | 牛嶋新一郎 |
音楽 | 世武裕子 |
主題歌 | sumika「春夏秋冬」 |
配給 | アニプレックス |
公開日 | 2018年 |
主な出演者 | 高杉真宙(僕/志賀春樹) Lynn(山内桜良) 藤井ゆきよ(滝本恭子) 内田雄馬(隆弘) 福島潤(ガム君) |
過剰?誇大?……とにかく、理解の範疇を超えたタイトルの表現に今まで騙されていました。
これ、むっちゃ素敵な作品だった。あまりにも意味不明なタイトルでしたし、生まれてこのかたそんな言葉を使ったことも気持ちにもなったこともなかったので、今まで超絶に拒絶反応を示してた。
けど、観たら違った。なるほどな、と思った。『君の膵臓をたべたい』のタイトルには、きちんとした意味があったんだなと。2021年現在、今さらですが、知れてよかった。観てよかった。春樹と桜良の不思議な関係に涙が止まらんやったです。
あらすじ
他人に興味をもたず、いつもひとりで本を読んでいる高校生の「僕」。そんな「僕」はある日、偶然『共病文庫』と記された一冊の文庫本を拾う。それは、天真爛漫なクラスの人気者・山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。そこには、彼女が膵臓の病気で、余命いくばくもないことが記されていて……。病気を隠して日常を過ごす桜良と、その秘密を知った「僕」。
――二人の距離には、まだ名前がない。
引用:Filmarks
感想
本当にややこしー。なにがって、タイトルですよ。普通、「君の膵臓をたべたい」って、そんな言葉使います?いや、むしろどのシーンで使います?
考えた結果。どのシーンであっても、サイコパスじゃない限り使わないですよね。だからこそ、今まで観る気もしなかったわけですが。蓋を開けてみれば、とんだ詐欺でしたよ。いい意味で。なんだよ、あのエンディングは。春樹の1年後、3年後、5年後、10年後が見てみたくなったわ。ちゃっかり髪型変えているし。
いや、これは本当に素敵な作品だった。桜良の、あの無邪気な性格。自分の人生、死ぬとわかっていても本当は受容できていなくて、それでも周りには悟られないように振る舞うあの強さ。
特に親友の恭子に対しては桜良の優しさが全面的に出ていて。だけど、恭子にとってはその優しさによって逆に苦しめられるという、100%共感できる展開で。親友だからこそ伝えられない気持ちもわかる。親友だからこそ伝えてほしかったという気持ちもわかる。
つまり、どっちの気持ちもわかって辛かった。そんな恭子にとっては、春樹の存在が不思議でならなかったはず。未曾有な生物に見えててもおかしくない。桜良の死を唯一知っていた人物だったので、恭子は怒り、春樹のことを拒絶してしまう。
これはまさに「だよね」っていう展開で、予測できていたことだけど。そのあと春樹が起こした行動はまったく予想ができなかった。
桜良と交わした約束を守るために、桜良の存在をないものにしないために、桜良と共に過ごした時間をつなぐために、恭子と友達になるというもの。
桜良が最後に残した宿題は、春樹にとってはかなりハードルが高いもので。春樹が成長したことや、恭子が歩み寄ったこと、そのどれもが桜良の存在をきっかけに動いていて、人生の本質を考えさせられた。
劇中、桜良による桜良にとっての生きる言葉を聞かされたときには、もはや感動的でした。よっぽど変な演説を聞かされるよりも、その言葉のほうが何十倍、何百倍と心打たれた。
あかん。考えれば考えるほど胸の辺りがギュッと締め付けられるような感覚になって、えっ、34歳のおじさんが胸キュンからの号泣とか、一体誰が想像したでしょうか。こんなの誰も得しねぇー。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
主人公の志賀春樹を選んだ。理由は、変わらないものと変わろうとしていた部分が妙にかっこいいと思ったから。変わらないものとは、彼が桜良に対する関わり方の部分で、病気で死ぬことを告げられても彼女を変に気遣うこともなく、良くも悪くも普通でいた。
そのおかげで桜良は当たり前の日常を送ることができ、春樹はまるでそこに空間のようなものを作り出しているような、そんな雰囲気が感じられた。地味な人間の分類なのかもしれない。けれど、そんな人間が桜良という存在によって化学反応を起こし少しずつ変わっていく過程は見どころのひとつですし、かっいいなと思えた。ぜひ、人間性を見習いたい。
ちなみに声優を務めているのは 鈴村健一になる。1994年にテレビアニメ『マクロス7』のモーリー役で声優デビューをし、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のシン・アスカ役をはじめ、『銀魂』の沖田総悟役など、人気作品の主役キャラクターを多く演じている。
[box class=”glay_box”]名前: 鈴村健一(すずむら けんいち)
生年月日:1974年9月12日 (年齢 46歳)
出身地:日本(新潟県)
身長:173 cm
血液型:A型
ツイッター:@SuzumuraVoice
公式ホームページ:株式会社インテンション
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]主人公・黒子テツヤのいる誠凛高校バスケ部が全国制覇を成し遂げた後のストーリーを描く。長い紫の髪と並外れた体格が特徴の紫原敦の声優を務める。
4期にわたって放送された人気テレビアニメ「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE」シリーズのひとつ。初の劇場版作品で、 3組のアイドルたちが華麗なパフォーマンスを繰り広げる。 古風な話し方が特徴の聖川真斗の声優を務める。
空知英秋による少年漫画『銀魂』を原作としたアニメーション映画。2010年に「新訳紅桜篇」、2013年に「完結篇 万事屋よ永遠なれ」、2021年に「THE FINAL」が公開。『銀魂』を代表するドSキャラの沖田総悟の声優を務める。
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最も美しいで賞
ヒロインの山内桜良を選んだ。理由はとにかく明るい、安村じゃなくて山内のほう。純粋に可愛いなと思う。性格も容姿も。それになによりも心が綺麗だなー、て思う。そこが一番。こんな人間、身近にいないから悲しくなる。ほしい、いてほしい。
人生も楽しくなるんだろうなー、と妄想するしか今のところ手立てがない。だからから、悲しさも2倍になるのは。どこかのグループに所属はしていないけど、個人的な推しメンです。
ちなみに声優を務めているのはLynnになる。2012年に公開されたテレビアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』でデビューを果たし、初のアニメレギュラーで『さばげぶっ!』の経堂麻耶役の声優を務める。2016年10月に放送されたテレビアニメ『競女!!!!!!!!』では、初の主人公・神無のぞみ役を演じる。
[box class=”glay_box”]名前:Lynn(りん)
生年月日:1992年6月1日 (年齢 29歳)
出身地:日本(神奈川県)
身長:158 cm
血液型:A 型
Twitter:@Lynn0601
Instagram:@lynn.06.01
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]今まで『なんとなく』過ごしてきた高校3年生4人の恋愛を描いた物語。部員が3人しかいない写真部に所属する2年生の小宮恵那の声優を務める。
原作は、瀬尾公治(講談社「週刊少年マガジン」連載)による人気漫画。バンドに青春をかける若者たちの姿を描く。マイペースな性格で自分なりのこだわりが強い、秋月風夏の声優を務める。
ふなっしーが出演する初のアニメ作品。ふなっしーが人間界を幸せにするために奮闘していく姿を描く。ふなっしーのライバルで良き友でもある、ぐれっしーの声優を務める。
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さいごに
青春映画のなかでもかなり好きな部類に入る作品。2人の関係からいろいろと学ぶ部分はおおいにあった。春樹と桜良の関係は一見すると理解できなさそうで理解できるもので、けしてありきたりものではないという言葉に集約されている。
セリフひとつとっても使っている言葉の選択がよすぎて、いちいち心に引っかかっては掴んで離してくれない、そのくらい惹きつけるものがあった。春夏秋冬のそれぞれのタイミングで観ると、また違った感想が抱けそうなので観てみたいと思う。
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