2022-04-09

映画『犬鳴村』恐怖を感じるどころか鼻で笑ってしまう作品

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上映時間108分
製作国日本
監督清水崇
音楽

海田庄吾

滝澤俊輔

主題歌

Ms.OOJA『HIKARI

配給東宝
公開日2020年
主な出演者

三吉彩花(森田奏)

坂東龍汰(森田悠真)

古川毅(成宮健司)

宮野陽名(籠井摩耶)

大谷凜香(西田明菜)

総合評価
『犬鳴村』:

 

どや、どや、久々に邦画の恐怖を味わってみようと思い、地元を題材にした『犬鳴村』を観てみた。貞子の恐怖よりも唸るものがあるかと期待してみたものの、これは完全に惨敗。

不思議なもので、恐ろしさで身震いするよりかは、むしろ笑ってしまう回数のほうが多かった。恐怖を売りにしている映画としては、これはあってはならない死活問題に値する。

あらすじ

臨床心理士・森口奏の周囲で、あるときから次々と不可解な出来事が起こり始める。奇妙なわらべ歌を口ずさみ気がふれた女性、突然消息を絶った兄弟、相次いで見つかる変死体。そしてそれらの現象の背景に、心霊スポットとして知られる「犬鳴トンネル」の存在が浮かび上がる。ことの真相を確かめるべく現地へ赴いた奏は、トンネルを抜けた先にあった地図から消された村「犬鳴村」に足を踏み入れる。

引用元:Google

感想

出典:坂東龍汰&STAFF 公式Twitter

怖がりたいのに怖がれなかったのは、なにも役者は悪くはない。ただし、一部イモ役者は除く。

誰かもしらない寄せ集めの役者をキャスティングしたかのような、あきらかにイモってた奴は数名いた。名前すら覚えていない、わかる範囲で言うなら悠真の友人の全員。ひと言、どうしょうもなかった。

だけど、これはそもそもイモ役者たちが悪いのか、それとも編集力の問題なのか、色味の問題なのか、演出の問題なのか、脚本の問題なのか、いろいろあって断定できないところはあった。

映像の色味に関しては、ここ一番のときに意図的に黒塗りされたかのような不自然さが目立つわ、根本的な話になると基本恐怖映画にはあるまじき一つひとつのシーンの明るさが、「これ、本当に鑑賞者に恐怖を味あわせてやりたいのか」といった疑問が浮かぶ。

もしかして、明るい映画なのかもしれないと、ある意味そう思ってしまうことのほうが逆に恐怖だった。もっとどんよりしててもいい。もっとダークな雰囲気がほしかった。

一番笑えたのは、演出含めた脚本になる。ところどころ完全に間違いなく笑かしにきてた。たとえば、ハンチングを被った謎の兄さん。

主人公の奏が犬鳴ダムに訪れたときに、突然なんの前触れもなく登場する。このとき鑑賞者としては、「?」が頭に浮ぶ。そして、大半の人はここで「お前、誰だよ!」て気持ちを抱く。

そんな奏も鑑賞者と同じく、誰かもわからないハンチング兄さんに話しかけたあと……。「しゃべるなよー、しゃべるなよー」といちを念じてはみたものの、普通にしゃべる。あたかも幽霊じゃない、普通の登場人物のごとくしゃべる。

その後場面は切り替わり、犬鳴村の昔の映像を見せられる。神妙な面持ちで昔犬鳴村で起こった惨劇をしゃべりだすも、「まず、そこどこだよ!」てなる。むしろ、完全に浮いているハンチング兄さんの格好が気になって、一切話に集中でいない。あと表情も胡散臭くて笑える。

そのあとも笑いの連鎖は断ち切れず、奏が車で自宅へ帰る道中で犬鳴ダム近くを通りかかったときに悠真の友人+彼女の霊が同乗する。ほとんどギャクみたいなシーンを見せられる。

どこをどのようにして怖がればよかったのか正解を見つけられない。そもそも正解なんてものが存在しているのかもわからず、三吉彩花の怖がる演技も、泣き叫ぶ演技も、虚しく空を切っているようにしか見えない。せっかくの美女の活かし方が、もったいない。

続いての場面では、犬鳴村へと足を運んだハンチング兄さんと奏。そこには鎖につながれた一匹の犬を発見する。なにやら女性の皮膚の一部をくわえている。耳のあたり。これはグロい。あまりのグロさに奏も驚く。

だけど、どうやったらそんな大きさで、しかもきれいに切り取れるんだよと、犬の成せる技ではないことに驚く。残り約26分、一向に怖がれない展開は続く。

2人は犬を追いかけた先にあるボロ小屋に入る。そこには奏の兄弟の悠真と康太の2人が、鎖のついた鍵なんて意味を成さないくらい、足で蹴ったら木が折れるであろうボロボロの牢屋に入れられているのを発見する。

まるでとってつけたかのような鍵を見つけなければいけないシーンへと展開される。そして、鍵はすぐ見つかる。なぜか、牢屋に入れられている悠真が知っていた。ライトを持っていない状態で、暗闇のなか目が慣れていたからたまたま見つけられたのかもしれないが、じゃー、一体誰がそこに鍵をかけたのかもわからず。自作自演としか思えない物語を見せつけられる。

鍵は、先ほどまで目がピンピンしてた犬が寝ているところを横切った場所にある。緊張感漂うなか、奏は鍵を手に入れたあとに2人のもとへ戻ろうとするも、突然ハンチング兄さんから「こっちだ!」と指示を受ける。このとき、悠真と康太の救助は完全に二の次扱いをされてしまう。

恐怖というよりもその後に起きてしまう不安が刻々と迫るなか、その不安は見事に的中をしてしまう。それは、ハンチング兄さんの妻によるデジモンの進化シーンばりの尺の長さで、犬型人間へと変貌するシーンを見せつけられる。その間、ハンチング兄さんが苦しみながらも妻の暴走を体を張って食い止めるシーンがある。3回くらいある。

リアルさを必死に描こうとしているのがバレバレで、最後にはトレンドマークのハンチングを失うという、今まで貫いてた物を失う悲しさのほうが僕にとっては大きかった。ハンチングを失った以上、彼のことをなんと呼べばいいのか路頭に迷った。

妻を必死に止めようとする、ハンチングを失った兄さんと悠真。いつまで、茶番でしかない寸劇に付き合わなければいけないのか、ここにきてクライマックスを迎えるまでもなく、停止ボタンを押すか押さないかで迷った。

結果、見届ける価値もなく、村人による呪いを推したかったのか、犬による呪いを推したかったのかさえわからない、うやむやなクライマックスを迎えてしまう。

本作で唯一得られたのは、三吉彩花が美しかったというだけだった。これ以上の価値はない。

 

最も○ ○で賞

出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。

 

最もかっこいいで賞

出典:映画『犬鳴村』公式サイト

中村隼人役の石橋蓮司を選んだ。選んだ理由は、どいつもこいつもイモ役者には感情移入できず違和感でしかなかった。唯一、できたのが石橋蓮司演じる中村隼人だけだった。

ほんと、いい味出してた。役どころでいうと、頼みの綱だった。

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名前:石橋蓮司(いしばし れんじ)

生年月日:1941年8月9日 (年齢 80歳)

出身地:日本

身長: 178cm

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おすすめ作品3選
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石橋蓮司が素敵なオカマ役を演じている作品。物語は、豊川悦司と薬師丸ひろ子が結婚10年目の夫婦を演じるラブファンタジーになる。

長野県の大鹿村で300年以上も続く大鹿歌舞伎を題材にした群像喜劇作。原田芳雄、岸部一徳、石橋蓮司、でんでん、三國連太郎、歴史に名の残る方々が集結しているというだけでもすごい作品。

売れない小説家が殺し屋のフリをして、実は殺しの依頼は本物のヒットマンに依頼して、それを小説に書いているだけなのに、妻からは浮気を疑われ、敵のヒットマンから狙われるハメになるという散々な物語が描かれている。内容はコメディではなく、ガチのハードボイルドとなっている。

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最も美しいで賞

出典:(C)2019 「犬鳴村」製作委員会

森田奏役の三吉彩花を選んだ。選んだ理由は、完全にビジュアル。いつ見ても透き通った肌艶がいい。美しすぎる。

作中の悠真の視点で観ると、こんな美しい姉がいることが羨ましく思えてしまう。彼女の魅力を堪能するなら、『ダンスウィズミー』や『Daughters』を観たほうがよっぽど幸せになれる。

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名前:三吉 彩花(みよし あやか)

生年月日:1996年6月18日 (年齢 25歳)

出身地:日本

身長: 171cm

Twitter:@fakemiyoshi

Instagram:@miyoshi.aa

公式オフィシャルサイト:アミューズWEBサイト

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おすすめ作品3選
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沖縄の離島である南大東島を舞台に、高校進学のため島を出ることになった女子中学生とその家族の思いを描いたヒューマンドラマ。三吉彩花の映画初主演作であり、あどけなさが残る彼女の姿にほっこりしてしまう。

音楽を聞くとミュージカルスターのように歌って踊らずにはいられない体質へと変えられた主人公が、街中がステージ化してダンシングパーティーを繰り広げてしまう作品。三吉彩花のふっきれ感は最高。

ファッション、音楽、構図、色味のどれもが、とにかくおしゃれに映った作品。ルームシェアをする仲のいい女の子2人が、片方が妊娠をしたことでシングルマザーという選択に関係性が揺れ動く様を描いたヒューマンドラマ。

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さいごに

とびっきりの恐怖を味わうどころか鼻で笑ってしまうかのようなシーンは、逆に観る価値があるのかもしれない。映画のジャンルは、ホラーというよりかはコメディでも全然いける。三吉彩花を主演に迎えて、せっかくの美女をキャスティングしているというのに本当にもったいと思う。

恐怖を全面的に出すどころか、なんだか犬鳴村のリアルな恐ろしさに完全にびびっているかのような気遣いすら感じてしまった。観たい人だけ観ればいい、といったそんなスタンスの作品になるので、本当に興味のある方のみ鑑賞をしていただけたらと思う。

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