『金魚妻』全裸監督を見習え!得るものがなにひとつない味気ない作品
ジャンル | ヒューマンドラマ |
公開日 | 2022年 |
製作国 | 日本 |
原作 | 黒澤R『金魚妻』 |
監督 | 並木道子 楢木野礼 松山博昭 |
音楽 | 末廣健一郎 MAYUKO 宗形勇輝 植田能平 |
主題歌 | sino R fine「Crazy for you」 |
話数 | 全8話 |
配給 | Netflix |
主な出演者 | 篠原涼子(平賀さくら) 岩田剛典(豊田春斗) 安藤政信(平賀卓弥) |
「なるほどね、これは殻に閉じこもった平賀さくらが脱皮するためだけの物語だ!」
この言葉を聞いて妙に納得した。終わり方がすっきりしないし、もどかしさ全開。
それならそうと、平賀さくらの脱皮説で脇を固めない限り、終わり方には納得できない。不完全燃焼もいいとこ。
あらすじ
下町に隣接する高層タワーマンションの最上階に住む平賀さくらは、夫・卓弥と、誰もが羨む華やかな人生を歩んでいるかと思われていたが、実は夫からのDVとモラハラなどに苦しむ日々を送っていた。 ある日、偶然立ち寄った金魚屋で春斗と運命的な出会いを果たす。 ドラマのタイトルでもある「金魚妻」以外にも、さまざまな“妻”が登場。
引用: シネマトゥデイ
感想
4話までの感想はそのまま引き継いでてて、全話観た感想はいまいちロマンスが感じられなかった。センセーショナルは一体どこぞへ?むしろ、もともとないものだったのかもしれない。しまいには、5話と6話の頭痛妻でとうとう笑かしにくるしまつで。事の経緯が不自然すぎて常識では考えられない。
不倫がテーマになっているドラマに常識で考えてはいけないんでしょうけど、観てるこちらの反応は間違いなく闇の彼方へ消えてしまうものだった。
なんだろう、役者が泣いているのに、感動の場面なのに、感情が微塵も動かないなんて。ありえます?でも、どうにかこうにかして動かしたい。けれど気持ちだけではどうすることもできない言葉の負荷抵抗力が脳裏で働いてしまう。
- 頭痛妻と体の関係をもってしまった相手が実は元夫だったというシナリオ。
- その元夫とは、河川敷にて犬の散歩中にたまたま出会うというシチュエーション。
- 記憶喪失になっているのは元夫の不倫によるストレスが原因という設定。
作中のセリフも含めて、このどれもが不自然だった。頭痛妻にいたっては、わざわざ2話割いてまで丁寧に描かれていましたけど、伏線の回収に関しても、真面目なひねりなのかどうなのかさえもわからなくなってくる。
ええんかな、あれで。たぶん、展開の早さが事の経緯を招いた原因なんやと思う。うーん、でも、もうちょっと動機付けに共感できるようなネタにしてほしかった。
つか、今までの◯◯妻の下り自体、主役の金魚妻にはさほど関係ないところが、まぢで意味不明だった。最悪なくてもよかったのでは?、とさえ思う。あっても、ほかのエロが拝めること以外得るものがほとんどかなったので、内容の薄さが今回の評価につながるものだった。
いるんかなー、外注妻。いるんかなー、弁当妻。いるんかなー、伴奏妻。関係していたのは改装妻ぐらいで、そんな改装妻もこれといって天罰が下るような展開でもなく、中途半端に終わらせたら一番いけないやつだったのに、なにがしたかったのか一番意味不明なかたちでキャラクター落ちしてた。引き立て役にもなっていないし、ドラマの冒頭からはじまる絡みのシーン以外、これといって役割がなかったように思う。長谷川京子のムダ打ち。残念すぎる。
問題だったのは最後のオチ。すべてを無にしてしまった感がある。篠原涼子のとった行動によって、岩田剛典が一生懸命決意をした意思や言葉が、あれよあれよと空を切ってしまった。
あんなにも威厳のあるお父さんを目の前に、「結婚」という決意表明をしたのにも関わらず、妹も元カノもそんな彼を見てほっと胸を撫で下ろしたに違いありません。観てるこちらも2人の祝福を期待していたのにも関わらず、まさかのハンドルをめいいっぱい切るという状況へと発展していく展開には、もはや驚きを通り越して呆れてしまった。
こんなにも簡単に人の気持ちってやつは緩いでしまうものでしょうか。いや、そうじゃないよ、というのも頭ではわかりますが、あいかわらず展開の早さに感情が追いつかなかった。
頭痛妻に2話割くくらいなら、この場面にこそ時間を割いて丁寧に描いてほしかった。僕たちからすれば、好きな人の気持ちを尊重して送り出した岩田剛典はかっこいい男のように見えますけど(一部、そんな優しさはいらないといった意見もありますが)、豊田家の立場からしたらただのダサい男にしか見えないと思う。
だって、かっこよく決意表明をした矢先に、やっぱり結婚だめでしたとかなったら、もともこうもないでしょー。鎌倉の花火を見たからといって、運命がそう都合よく働くわけにもいかないでしょうから。消化不慮はいなめない……。
でも、やっぱりよかったのは、安藤政信の演技とキャラクター性。ゲス男度の高さは一貫して変わらず、抜群の安定感だった。
時に優しさをぽろっと表すシーンがありましたけど、あれだけ妻に対して暴言暴力を働いた男に、調停の場面で、羨ましかった、不安だった、愛してた、とか今さら涙ながらに言われても……ねー。
しかし涙もろさが影響してか、目の前の感情が持っていかれないようにこっちも必死だった。絶対許してはいけない相手という理性を働かせて、やっとだった。わかっちゃいけない内容なんでしょうけど、ダメ男から抜け出せない女性の心理が少しわかったような気がする。
一番同情しちゃいけない奴なのに、少しの慈悲の気持ちを抱いてしまったそんな自分を呪ってやりたい。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
寧々役の川﨑珠莉を選んだ。今回男性ではなく彼女を選んだ理由は、ほかの女優が出演しているなかで一番体当たりで演技に挑んでいたから。唯一、バストトップを醸し出していたので、その意気込みや覚悟に完全に惚れた。理由はそんなとこ。
本当にすごいと思う。平賀さくらの夫である平賀卓弥と不倫関係になるという、けしていい役柄ではありませんが、見事演じ切ったところは全力で拍手を送りたくなる。
この作品に関してはダークホース的存在。今後の飛躍に期待をしていきたい女優のひとりになった。
[box class=”glay_box”]名前:川﨑珠莉(かわさきじゅりかわ)
生年月日:1994年1月11日 (年齢 28歳)
出身地:日本
身長:166 cm
Twitter:@jurino10
Instagram:@juri.kawasaki
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]愛人作りの極意を研究している教授と、極意を学んでいく若者3人をコミカルに描いた作品。絶対にやってはいけない不倫をテーマに、板尾創路と大東駿介の演技の上手さに注目していただきたい。
失恋エピソードをおいしいく描いた“飯テロ”ドラマ。広瀬アリスを筆頭に豪華キャストが出演をしている。原案は、木丸みさきのコミックエッセイがもとになっている。
キム・スヒョン&チョン・ジヒョンが主演の韓国大ヒットドラマの日本リメイク版。大学講師に扮した宇宙人と大人気女優の恋愛模様を描いた作品。福士蒼汰と山本美月が主演を務めている。
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最も美しいで賞
坂東真沙子役の水上京香を選んだ。最もかっこいいで賞は役者魂で選んだのに対し、こちらは純粋にビジュアルで選んだ。むちゃくちゃきれいな容姿やスタイルをしている。作中では元カレである豊田春斗を近くで支える弁護士役を演じている。この辺も好感がもてるポイントになった。
彼女の放つオーラから、なぜか人柄のよさが滲み出ているかのように感じてしまった。それくらい真っ直ぐで、淀みがなかった。ドラマ後半からの登場で出演時間は少なめでしたが、その美貌から存在感は抜群だった。
[box class=”glay_box”]名前:水上京香(みなかみ きょうか)
生年月日:1995年12月3日(26歳)
出身地:日本
身長:165 cm
Twitter:@minakamikyoka
Instagram:@kyokaminakamiofficial
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]宮月新&神崎裕也原作コミックを映画化したスリラー・エンターテインメント作品。思い込みやマインドコントロールなど、絶対立証できない方法で相手を殺す男の暗躍ぶり描いている。主演は松坂桃李で、共演に沢尻エリカが出演している。
新人ケースワーカーが、生活保護受給者の“人生の困難”に寄り添い、右往左往しながら奮闘する物語を描いた作品。自殺や虐待などのデリケートな問題に直面しながらも、一人前ケースワーカーとして成長していく様は必見。新人公務員の桃浜都役として出演している。
ドラマの中で空気のように存在する、エキストラにスポットライトを当てた物語を描いた作品。エキストラの悲哀をコミカルに描いているので、笑えるシーンも多い。現場の中でも多くの責任を伴う助監督役として出演している。現場で時折見せる弱みが魅力的なのもグッド。
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さいごに
蓋を開けてみれば、つまらなかったという作品はこの世にごまんとあるもので、残念ながら本作もその分類になる。
川﨑珠莉以外体当たりで役に挑んでいないつまらなさがあり、『全裸監督』のような期待をもって観るのは非常に危険。せっかく多くの女優が出演しているのにも関わらず、魅力が引き出せていないところは残念に思う。
物語の内容も薄くて、これといって感情が揺らぐこともなく、不倫はやっちゃだめといった反面教師のような教訓が得られるわけでもないので記憶にも残らない。悲しいかな。むしろ、なにも残らず面を食らってしまった感があったので、欲情や話題作に流されるもんじゃない。身に染みてわかったのは、その部分だけになるのかな。