『悪の花』親が殺人者のせいで人生を壊されてしまった兄弟の物語が泣ける作品
ジャンル | ミステリー 犯罪ドラマ ラブサスペンス |
監督 | キム・チョルギュ |
脚本 | ユン・チョンヒ |
音楽 | キム・ジュンソク |
公開日 | 2020年 |
製作国 | 韓国 |
話数 | 全16話 |
配給 | Netflix |
主な出演者 | イ・ジュンギ(ト・ヒョンス:ペク・ヒソン) ムン・チェウォン(チャ・ジウォン) チャン・ヒジン(ト・ヘス) ソ・ヒョヌ(キム・ムジン) ナム・ギエ(コン・ミジャ) ソン・ジョンハク(ペク・マヌ) チョン・ソヨン(ペク・ウナ) |
『1リットルの涙』以上に、1リットルの涙流してたよ、これ。
ほら、ドラマって大抵は最終回らへんに究極の涙シーンをぶっこむのがセオリーだと思うんですよね。僕はそうやって育ってきましたし、そういうもんだと教わってきた。
でもね、最近の流行は違うみたい。
ドラマの途中でも泣かす。どんどん、泣かす。容赦ない。演出的に大袈裟だなと思っても、うるっときてしまう。
たぶん、これって年の功のせいじゃないかな。
あらすじ
金属工芸作家のペク・ヒソンは、刑事の妻ジウォンと愛娘に囲まれ、人並みに幸せな人生を送っている。 そんなある日、ヒソンの工房に週刊誌記者ムジンがやってくる。 18年前の連続殺人事件の真相を追う彼は、犯人が金属工芸作家だったことから軽い興味で工房に足を運んだのだ
引用元:cinemart
感想
昔の僕だったら、泣かなかった。どちらかといえば、こういったごりごりの家族愛とか見せられても、心半分冷めてたと思う。
涙袋いっぱいに涙を溜め込むとか、まずありえない。つか、いくらなんでも主役もヒロインも泣きすぎる。多用されてしまうと、それが当たり前になって、感動が薄れてしまうってもんでしょ。
当時の感受性について語るのなら、こんな感じ。
でも、今は違う。普通に泣く。
涙袋に涙を溜め込まないシーンなんて一度たりともない。むしろ溜まりすぎて、涙が頬を伝うってのはざらにあった。
ジウォンが泣けば、僕も泣く。ト・ヒョンスが泣けば、僕も泣く。おい、おい、また泣くのかよ、といい加減飽きてきたと思っても、泣く。
つまりこれは1リットルの涙以上に涙してた、てことになる。
ーー
感受性がバグってしまったきっかけは家族をもってから。
子どもを産むほうの性別ではないのだけれども、子どもが生まれてから見えないものが見えるようになった。それと同じで、感じられなかったものが感じられるようになった。
と、いっても、憑依されたといった類のものではなく共感の部分が強化されてしまった。
だから見るもの見るもの情報をキャッチして、その都度ジウォンやト・ヒョンスの立場になって考えることを繰り返しては、居た堪れない気持ちになってた。
どうしてこんな、めんどくさい人間になってしまったのか。この領域を知らない人からすれば、そのような人間に見えてしまうかもしれない。
なにも考えず、だらーっと傍観できるドラマを観たい人にとっては、このドラマとの相性は究極に最悪といっても過言ではない。断言できる。
相手の気持ちに寄り添い、考えて、共感した部分を棚卸ししていく作業が、むしろ醍醐味のドラマで。心を知るってことは人を知ることと同義語みたいなもの。逆も然り。
ーー
「愛したことは一度もない」
ドラマのなかで一番印象的だったセリフで、これ以上の衝撃はたぶんない。
このセリフは、ジウォンがト・ヒョンスから間接的に聞かされた言葉で、それでも一緒に居ようとするのがすげーよなって思う。
これまで歩んできた幸せな人生が嘘だった、てことですから。子どもの存在があるからと言っても、あまりにも残酷というか、この仕打ちはどう考えてもやばいのレベルを軽く超えてた。
でも実は違ってて、表現の仕方の問題だったりするので。表面の部分に大抵人は踊らされてしまうもの(相手への気持ちが強ければ強いほど表現の重要度が増す)ですが、本気で向き合うとは一体どういうことなのか。
このドラマにすべてが描かれています。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
ト・ヒョンス役のイ・ジュンギを選んだ。選んだ理由は、ジウォンへの思いや キム・ムジンに対しての関わり方が不器用だったけれども、根元にある気持ちの部分はまっすぐでしたし、最後の最後まで芯を貫いていたところとかは、こんな男性いないよねってぐらいまぢで男前だった。
それ以外、ルックスは鋭い目つきが特徴で完全なる塩顔。日本で言うなら綾野剛や及川光博、森山未来の系統顔をしている。
おすすめ作品3選
時代劇が苦手だなと思っている人にこそ観て欲しい作品。イ・ジュンギのおちゃらける一面と華麗なアクションを繰り広げるギャップが最高。
こちらも時代劇もの。若手のイケメン俳優が勢揃いしているなかで、イ・ジュンギのかっこよさはずば抜けている。OSTも最高。
アメリカのドラマをリメイクしたもので、ムン・チェウォンと共演している作品でもある。この2人が出演しているというだけで華がある。
最も美しいで賞
チャ・ジウォン役のムン・チェウォンを選んだ。選んだ理由は、言うまでもなくルックスが最高。かわいい&美しい。
それでいて、ドラマの役柄になるとまったくと言っていいほど欠点が見つからない。むしろ素敵すぎて、ト・ヒョンス以上にこんな人間どこ探しても見つからないって思う。まぢで反則級。
笑顔素敵だし、職業警察官だし、正義感とか信念も強いし。空気の悪い場面にいても嫌な顔ひとつせずに、自身に落ち度があると反省してしまうところとか、絶対辛いはずなのにどんだけいい人なんだって思う。
この役柄まぢでハマってた。
おすすめ作品3選
李朝朝鮮後期の時代に存在した天才絵師2人の物語を描いた作品。ムン・チェウォンは琴の名手役として出演している。
朝鮮版ロミオとジュリエットと言われている作品。朝鮮王朝激動の時代に、歴史に残るクーデターによって宿敵になった2人が、親の政権力争いの敵同士とも知らず愛し合う物語は必見。
サヴァン症候群の青年が小児外科医を目指し成長していくヒューマンストーリー作品。日本でリメイクされるほど感動的なドラマのひとつ。
さいごに
韓国ドラマといえばOSTと言われるくらい、今回もドラマを盛り上げる挿入曲が尋常じゃないくらいやばめだった。
どのくらいやばいのかというと、ドラマで多用されていた3曲をまとめてみたので聴いてほしい。どれもやばい、全部やばい。
2020年に韓国で放送されたテレビドラマが、やっとのこと2022年にNetflixで配信されるようになったので、この機会に鑑賞してみてはいかがでしょうか。