『ディストラクション・ベイビーズ』最悪にして最高のクズ映画!柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、お三方のクズさかげんがハンパない!
上映時間 | 108分 |
製作国 | 日本 |
監督 | 真利子哲也 |
音楽 | 向井秀徳(主題歌:「約束」) |
配給 | 東京テアトル |
公開日 | 2016年 |
主な出演者 | 柳楽優弥(芦原泰良) 菅田将暉(北原裕也) 小松菜奈(那奈) 村上虹郎(芦原将太) |
どうも、バンコです。
久々に胸クソ悪い映画を観ました。予告編を観て柳楽優弥の暴力映画とわかってはいたけど、ほんと不快でしかなくて、出演している柳楽優弥以外にも、菅田将暉や小松菜奈、お三方の作中で繰り出される言動や行動のすべてが狂っていました。
まぢでこいつらクズ人間って思うような内容でした。また同時に、そう思わせるお三方の演技は素晴らしいものがありました。
ただ言えることは、あまりにも過激な描写が多いため妊婦にはおすすめしないということ。
どう考えてもお腹の胎児に悪影響ですから。
では今からは、『ディストラクション・ベイビーズ』についての感想をぶっこんでいきたいと思います。
あらすじ
と、その前にまずはあらすじをご覧ください。
愛媛県松山市西部の小さな港町・三津浜。海沿いの造船所のプレハブ小屋に、ふたりきりで暮らす芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)。日々、喧嘩に明け暮れていた泰良は、ある日を境に三津浜から姿を消す──。それからしばらく経ち、松山の中心街。強そうな相手を見つけては喧嘩を仕掛け、逆に打ちのめされても食い下がる泰良の姿があった。
街の中で野獣のように生きる泰良に興味を持った高校生・北原裕也(菅田将暉)。彼は「あんた、すげえな!オレとおもしろいことしようや」と泰良に声をかける。
こうしてふたりの危険な遊びが始まった。
やがて車を強奪したふたりは、そこに乗りあわせていたキャバクラで働く少女・那奈(小松菜奈)をむりやり後部座席に押し込み、松山市外へ向かう。
その頃、将太は、自分をおいて消えた兄を捜すため、松山市内へとやってきていた。泰良と裕也が起こした事件はインターネットで瞬く間に拡散し、警察も動き出している。果たして兄弟は再会できるのか、そして車を走らせた若者たちの凶行のゆくえは──
引用:「ディストラクション・ベイビーズ」公式サイト
これぞ、THE暴力映画といった感じでしょうか。
映画「クローズ」では、学生同士がケンカに明け暮れているのに対して、本作では小さな町で無差別に暴力を振るうといった、もうこれはお遊びの領域を超え事件性の高いものになっています。
いや〜、それにしてもクズだなあ。
今どきこんな輩いるの?
寝るとき以外ほぼ喧嘩の日々を送っている泰良。
こんなやつ実際にこの世にいるの?と思ってしまうほど、クレイジーな輩です。
飯を食うときでさえケンカをしていますから、ほんと理性がぶっとんでいます。
しかも誰かれ構わず喧嘩をふっかけたりして、相手からしたらめちゃくちゃいい迷惑なわけです。ただ泰良はちゃんと相手を選んでいました。基本、男で若そうなやつを相手に。
いきなりバンドマンを襲ったときのシーンは、取っ組み合って返り討ちに合う感じがとてもリアルに描かれていて、なんだか笑えました。
「楽しければええけん」という言葉から感じ取れる彼の狂気が、繁華街とか商店街とかで爆発しているシーンもだいぶ見ものです。
何をしているんだ警察、何をしているんだ組の者となりますけどね。
菅田将暉のクズさかげんに絶望!
泰良以上にクズな男だったのは、菅田将暉演じる北原裕也です。
最近雑誌でも、テレビでも、CMでも、頻繁に彼を見る機会があるのですが、これほどクズすぎて嫌いになったことはありません。
作中の一部シーンで、中学生にまわし蹴りをかましたり、通行人や占い師に暴力を振るったりと、一人ではなにもできないヘタレにも関わらず、泰良と一緒にいるというだけであたかも自分の強さに心酔している様は、不快でしかなかったです。
しかも暴力を振るう相手がすべて女性という点も、クズさかげんがいつになく増していました。
『地味にスゴイ!』の折原幸人役ではほんわかしたイメージがあって、auのCMの鬼ちゃん役ではノリノリで明るいイメージがあったのですが。今回ばかりはどうしょうもないクズ野郎というイメージが染み付いてしまいました。
小松菜奈の変貌ぶりに注目!
裕也の一番の被害者でもあった、キャバクラで働く少女の那奈を演じた小松菜奈。
彼女自身にも問題はあって、キャバクラで働いててお金はあるはずなのに万引きをする癖があったり、同じ職場の中国人にイジメをしたりと性格に難ありの人物です。
まあ、どこにでもいそうな女の子という印象ですが、たちの悪いクズということには違いありません。
そんな彼女は不幸にも、クレイジーコンビ泰良と裕也の無差別暴行ゲームに巻き込まれてしまいます。
ちょうど、2人が暴れていた動画を見ている最中に。
2人に拉致られてからは、裕也から罵声を浴びせられたり、胸を触られしまいには下着のなかに手を入れられたりと、散々な目に遭います。
完全に被害者でかわいそうな感じは否めませんでしたが、物語が進んでいくうちにあることがきっかけで彼女のなかに眠っていた本性が目を覚まします。
この変貌ぶりは、映画『渇き。』に通ずるものがあります。
人は何がきっかけで変貌するかわからない、そんな人間の本性が垣間見れるマニアックな一本です。
さいごに
柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、お三方のことを散々クズ呼ばわりしてきましたが、そう思わせる彼らの演技力の高さは素晴らしいものがありました。
柳楽優弥に至ってはセリフなんてごくわずかで、演技だけで強烈な存在感をアピールしていましたから、今後彼が出演する作品には注目していきたいと思います。
108分のほとんどが暴力描写で見る人を選ぶ作品ではありますが、個人的にはハラハラ・ドキドキしながら楽しませてもらいました。
超おすすめとまではいきませんが、お三方の迫真の演技を見たいという方は鑑賞してみてください。