映画『子宮に沈める』【※閲覧注意※】心が弱っているときに絶対観てはいけない作品
上映時間 | 95分 |
製作国 | 日本 |
監督 | 緒方貴臣 |
音楽 | 田中誠 |
配給 | paranoid kitchen |
公開日 | 2013年 |
主な出演者 | 伊澤恵美子(由希子) 土屋希乃(幸) 土屋瑛輝(蒼空) |
「観なければよかった」と後悔した……。
いや、これは案外まぢな話で。子どもを持つお父さん、お母さんなら、終始心しか痛まない。タイトルを見てわかるように、ハッピーエンドなんて迎えるわけでもなく、後味の悪さだけがただただ残ってしまう。
まぢで気持ち悪いし、具合悪い。強烈なストレスしか感じない。観たとしても、一切得することはない。
「不倫なんてしているバカヤローは、今すぐこれを観ろ!」とさえ思う。
あらすじ
2人の子を抱えたまま離婚した女性。経済的苦難から生活は次第に荒れていき、彼女は家に帰らなくなる。温かかった家庭、幸福だった人生。急転直下の末に深い孤独と不安に追い詰められた彼女は、現実から目を背け、凄惨な悲劇を子供たちに強いてしまう。
引用元:Google
感想
本作は2010年に大阪で起こった2児放置死事件をもとに、シングルマザーが育児放棄(ネグレクト)に至る過程を淡々と描いた作品。ゆえに描かれている内容は、悲劇といった言葉では片付けられないほど、むしろ言葉を失くしてしまう。酷い。極めて残酷。
映像のつくりには最低限の配慮が施されている。それは制作陣側による、幼くして亡くなってしまった子どもたちへの敬意の表れだと思う。
こんな事件、2度と起きるべきではないし、起こすべきではない。いたたまれないこの気持ちを、一体どうやって消化すればいいのか。本作を鑑賞した誰しもが、そう思うはず。無力で、打ちのめされた気持ちにすらなってしまう。子どもには絶対こんなことしちゃいけない。
皮肉にも誰しもが、そうなる可能性を秘めている以上は、このことは胸に刻まなくてはいけない。母親の由希子ひとりが悪者扱いされてしまいがちですが、問題はほかにもあったと思う。
なぜ、3歳児と1歳児の子どもたちが自宅に置き去りにされてしまうような状況が生まれてしまったのか。祖父や祖母、元夫の存在がチラついて離れない。彼らも、あまりにも無責任な人間としか言いようがない。もっと言えば、兄弟がいたらその人も対象になる。
結局は、命あるもの、他人事では済まされないことであって、それが血を分けた人間同士ならばなおのこと責任重要で。見過ごしてしまう行為自体も、悪になってしまう。感情や欲望に溺れて盲目になりがちですが、関係をもつというのは少なからずそこに責任が生じてしまうことだと思う。
「俺は関係ねー、私は関係ねー」と無責任に腰を振り続けるのは、その時点で罪にすら値する。溺れるのは簡単。そこから這い上がるには、ひとりの力では難しい。誰かが助けてあげないと、起きてしまったあとでは遅い。
3歳の幸が台所の包丁を取り出して、パイナップルの缶詰を開けようとするシーンでは、これから幸に起こるであろう最悪のシナリオを想像できるからこそ、正直、直視できるものではなかった。
1歳の蒼空が餓死したあと、幸が懸命に起こそうとテレビをつけて音量を上げようとするも、ただただそこにはホワイトノイズ音がむなしく聞こえるシーンも言葉にならなかった。衝撃映像の限度を超えていた。空腹を満たすために、マヨネーズの容器に水道水を入れて飲むシーンもしかり。
日常ではありえない出来事が淡々と繰り広げられてて、もはや苦痛の戦場化というべき光景を見せられて、ある種の拷問のような仕打ちに感じられた。
ハエが飛び回る音もリアルで、うじ虫は発生するわで、子どもを自宅で放置&監禁状態という悪手には、さすがに堪えてしまった。
あー、まぢで気分が優れない。誰ひとり、まともにケジメもつけられない本作に救いなどなく、鑑賞者の心の奥深くに不快感だけを残してくれる。
そんな映画になる。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
蒼空役の土屋瑛輝を選んだ。選んだ理由は、撮影当時1歳という時点で、もはやすごすぎる。かっこいいよりも、すごいといった言葉が自然と出てしまう。
それくらい、おかしな表現とは思いますけど、ほんと、赤ちゃんらしさが出ていた。演技というよりも自然体の意味合いのほうが、この場合適切な表現になるかもしれない。
作中ではむごい結末を迎えてしまい、観る者に深い傷跡を残してしまう。
[box class=”glay_box”]名前:土屋瑛輝(つちや えいき)
年齢:12歳
出生地:日本
[/box]最も美しいで賞
幸役の土屋希乃を選んだ。選んだ理由は、土屋瑛輝同様、撮影当時3歳だということに驚きしかない。まぢでありえない。演技の表現力が高すぎる。
この年齢で演技を習得できること自体が、神レベル。どんな演技指導をすれば、こんなにも上手に表現することができるのか、むしろそちらのほうが知りたくなる。
まぢで本当にありえないほど感受性豊かな表現をするので、とても3歳とは思えないほどまぢでやばすぎるから観てほしい。
[box class=”glay_box”]名前:土屋希乃(つちや きの)
生年月日:2008年8月25日(14歳)
出身地:日本
身長:152 cm
[/box]おすすめ作品3選
[aside type=”boader”]安田顕がオカマ姿をお披露目している作品。寂れたスナックを舞台に、さまざまな人間模様を描いている。観るとほっこりしてしまう。
浜岡賢次による漫画をドラマ化した作品。土屋希乃は菊池あかね役として出演している。
ロボコンシリーズの作品。クセの強い作品ではあるものの、土屋希乃がコスプレをして可愛らしい姿をお披露目している。
[/aside]さいごに
今まで胸糞作品をたくさん観てきましたが、その中でも1位2位を争うくらい、まぢで本当に胸糞度の高い作品でした。どうして今まで観ようとしなかったのか不思議なくらい。
まー、でも、この胸糞度の高さは子どもがいてからでないと、共感は薄くなってしまうのかなー、と。
胸糞作品の代表どころで言えば、映画『ミスト』のように、あのときもう少し待っていれば救えたのにといった自責の念に駆られてしまうといった類のものではなく、不自然にも母親の由希子がチャーハンをてんこ盛りに作ってからのシーン以降に終わりまで不快感による心のダメージが蓄積してしまう。
これだけは言える。心が弱っているときには絶対観てはいけない。
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