映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』騙されまいと警戒心MAXで観ても騙されてしまった痛快な作品
上映時間 | 116分 |
製作国 | 日本 |
監督 | 田中亮 |
音楽 | fox capture plan |
主題歌 | Official髭男dism「Pretender」 |
配給 | 東宝 |
公開日 | 2019年 |
主な出演者 | 長澤まさみ(ダー子) 東出昌大(ボクちゃん) 小日向文世(リチャード) 小手伸也(五十嵐) 織田梨沙(モナコ) 江口洋介(赤星栄介) 三浦春馬(ジェシー) |
えっ!?みんな、そんなに騙されてしまうの?
嘘でしょ。どんだけ根が真面目なんでしょうか。疑いの目と心、持ちましょうよ。と言いつつも、お恥ずかしながら僕もまんまと騙されてしまった人間のひとりです。
完全にダー子たち三人衆にしてやられた、といった感じで。悔しいですが認めるしかありません。見抜けなかったです。惨敗です。
……つか、よくよく考えたら演じているのプロの役者さんたちですから、騙されて当たり前の世界ですよね。
あらすじ
華麗に大胆に人を騙し続ける百戦錬磨のコンフィデンスマン(=信用詐欺師)、ダー子、ボクちゃん、リチャード、そして五十嵐。
次なるオサカナ(=ターゲット)は、香港マフィアの女帝で、その冷酷さから<氷姫>という異名を持つラン・リウ。
彼女が持つと言われている伝説のパープルダイヤを狙って、3人は香港へ。
ランに取り入ろうと様々な策を講じるが、なかなかエサに食いつかず苦戦する。
そんな中、天才詐欺師ジェシーが現れ、同じくランを狙っていることがわかる。
そして、以前ダー子たちに騙され恨みを持つ日本のヤクザ・赤星の影もちらつき始め、事態は予測不可能な展開に。
騙し騙されの三つ巴の戦いを制するのは誰なのか!?
感想
騙されまい騙されまいと、気を張り警戒心を高め、どんな些細なことでも見逃すまいと観察する目を画面いっぱいに張り巡らせながら、たとえ充血しようともなにがなんでもといった気持ちで観ました。
けど、この猛烈な意気込みが逆に仇になってしまったのか、それともそもそも足かせになっていたのか、途中までは僕の予想もいい線いっていたと思ったのですが、個人的に女帝ラン・リウ役を演じていた竹内結子にはしてやられました。
表舞台にはなかなか顔を出さない人物と言いつつも、終盤では公の場に登場していたので、若干の違和感はありましたがそれがなぜなのかまでは見抜けませんでした。
まさかそういう展開になるだなんて、思い付きそうでこれが意外と思いつかないような内容で。わかると単純ですけど、その小さなサインに気づくことができなかったのが僕の詰めの甘さ……そういうことです。
もちろんその前のダー子たち三人衆がいい仕事をしていたってのもありますが。天才恋愛詐欺師のジェシーとダー子がジェット機で立ち去ろうとする場面なんかは、ボクちゃんがガチ告白するシーンに心からジーンとくるものがありました。
「おいおい、まぢかよー。って、これって完全ロマンスじゃんかよー」
と、その数分後には、ピンク一色だったロマンスの雰囲気も一気に台無しとなり。
「あれ、あれは一体なんだったのか……」
どうやら、僕はそれ以前の前の前の段階で騙されていました。
ドラマを観たことがなかったのでダー子とボクちゃんの2人の関係がわからなかったのもありますが、これにはちょっとがっかりでした。
期待していたんですけどねー。お二人のロマンス的な展開を。でも、作品的にはやっぱそうなるんでしょうね。
まぁ、最終的な結末としてはにすっきり……というかスカッと痛快でしたから結果オーライでした。騙しているはずが逆にいつの間に騙されているという、ナイスな脚本、そして演出です。
最後、ジェシー役の三浦春馬さんがちょっぴりダサく見えてしまったのが逆によかったです。
あいかわらずといった感じでしょうか、ツワモノ揃いの役者さんたちで構成されているので見応えがあって十分楽しめました。
最も○ ○で賞
出演者のなかから、個人的に目に留まった人物を勝手にピックアップしてかっこいいで賞&美しいで賞という名目で表彰しています。表彰の基準は様々で、見た目だけでなく役柄も重要視した上での判断となります。
最もかっこいいで賞
キャラ的には五十嵐役を演じていた小手伸也さんを選びたかったのですが、かっこいいというよりも面白い部分が大半を占めていたので、今回は見送る形にしました。
残るはボクちゃん役の東出昌大さんか赤星栄介役の江口洋介さんか、それともジェシー役の三浦春馬さんかで悩みましたが。それぞれに男としてかっこいいと思えるような魅力がありまして……。
なかでも野心的な男気溢れる男として思わず惚れ惚れしてしまいそうな人物で、劇中では公益財団会長の赤星栄介役で出演していた江口洋介さんあたりは、第一印象がめちゃめちゃ渋い。うんでもってその次はワイルド。
役柄が極道みたいに行き過ぎた感じはなくて、かといってごくせんみたいに生温い感じもなくて、ほんとちょうどいい雰囲気が醸し出されていました。バシッとスーツ姿もお似合いでした。あの雰囲気は江口洋介さんだからこそ出せるもんなんかなー、と。
ひとつ屋根の下のあんちゃん時代が懐かしく、これからはダンディズムな役柄が似合ってきそうです。
最も美しいで賞
モナコ……。うーん、個人的にはタイプではなかったので、ダー子役を演じていた長澤まさみさんを選びました。
ラン・リウ役の竹内結子さんも大人の色気が出ててよかったのですが、やっぱり長澤まさみさんかな、と。普通に可愛いです。そして普通にお美しいです。
映画『キングダム』では楊端和として出演しずいぶんと色気がありました(表情とか視線とか容姿とか……。「えっ、これって本当に長澤まさみさんなの?まぢでやばい、どストライクなんですけどー」と思いました)けど、今回の役柄はかなりおちゃらけムード全開で明るく元気のいい、まさしくダー子の名にふさわしい女性でした。
しかしあいかわらず演技の振れ幅の広さに驚嘆してしまいますけど、久々にロボコンぶりの弾けっぷりが見られて最高に嬉しかったです。しかも衰えぬ可愛らしさがあったのでなおのことよかった。いや、本当によかったです。
と、まぁ、彼女についてウィキペディアで過去の出演作品を確認しましたが、ドラマに映画に舞台に、さらにCMとキャリアウーマンぷりがハンパありません。
さいごに
ドラマになっているとは知らずに、映画を観た限りではドラマも面白いんじゃないかと思って観たくなりました。騙されるとわかってても、いい意味で期待を裏切られましたし痛快でした。
第2弾の映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』が2020年5月1日(金)に公開されることが決まっています。ダー子のお色気七変化には厭らしい意味で期待が膨らみます。
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