映画『スイッチ・オフ』つまらないけど見方によっては面白い作品

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上映時間 101分
製作国 カナダ
監督 パトリシア・ロゼマ
音楽 マックス・リヒター
配給
エレヴェイション・ピクチャーズ(カナダ)
A24(アメリカ合衆国)
ツイン(日本)
公開日
2016年(カナダ / アメリカ)
2017年(日本)
主な出演者
エレン・ペイジ(ネル)
エヴァン・レイチェル・ウッド(エヴァ)
マックス・ミンゲラ(イーライ)
カラム・キース・レニー(ロバート)
総合評価
『スイッチ・オフ』:

 

どうも、バンコです。

もしこの世界から電力がなくなったならば、人はどんな生活を送るのか。そして、世の中はどんな風に変わってしまうのか。

考えただけでも恐ろしい。というよりもそのくらいボクたちにとって電力というのは、なくてはならないものです。

電力がないと、スマホも使えないパソコンだって使えなくなるんだから、仕事がどうのうこうのうという話ではなくなります。

だって生活を送る上で必要な冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電子レンジ、電気ポッドのありとあらゆるものが使えなくなるわけですから、生きる術が脅かされるというのは精神的にも辛いような気がします。いや、絶対につらい。

その瞬間から生きていけるかどうか考えただけでも不安しか過ぎりませんけど、本作では全世界的に電力供給がストップした近未来でネルとエヴァの姉妹が必死に生き延びようとするさまが描かれています。

正直言って内容自体は面白いとは思いませんでしたが、本作を観終わったあとはとても感慨深いものがありました。

では今からは、感想について書いていきたいと思います。

 

あらすじ

電力が失われた世界で生き延びようとする姉妹の姿を、「JUNO ジュノ」のエレン・ペイジ&「レスラー」のエバン・レイチェル・ウッド共演で描いたサバイバル劇。ジーン・ヘグランドの小説「森へ 少女ネルの日記」を、「キット・キトリッジ アメリカン・ガール・ミステリー」のパトリシア・ロゼマ監督が映画化した。カリフォルニア北部の森の中で、父親と一緒に自然に囲まれた暮らしを送る姉妹エバとネル。ところがある日、突如として世界中の電力が消失し、電気も電話も使用できなくなる。生活物資も手に入らなくなり不便な生活を強いられながらも、3人は家族で力を合わせて乗り越えようとするが、今度は父親が大怪我をして命を落としてしまう。社会と完全に切り離された森の中で2人きりになった姉妹は、自分たちの力だけを頼りに生き延びることを決意する。

引用:映画.com

 

感想

意味不明な箇所が多々あって理解に苦しむ

世界中の電力が失われたとき、人にはどんな心境の変化が生まれどんな行動をとるのか。

個人的にとても興味深いテーマのひとつで、きっと人間同士の醜い争いが起こるに違いないと確信していました。

山奥で暮らす3人家族もその争いに巻き込まれて、父親が子どもを守ろうとして命を落として、残された姉妹はあの手この手を使い立ちはだかる試練を乗り越えるんだろうと思っていました。

本作には、『ウォーキング・デッド』にも通ずるものがあるに違いないと思っていましたから、鑑賞してみたわけですが。

予想に反して思っていた内容とはだいぶ違っていました。

まず思ったのが、ストーリー展開が異様に早いうえに説明不足を招きすぎです。

今さっきのシーンはなんだったんだ、必要だったの、と思うところもたくさんありまして、いまいち感情移入しずらいと感じました。

細かい説明はなくてもいいから、不可解なシーンを織り交ぜるのだけはやめておくれ。

 

ロバートの死に方は絶対どうかしてほしい

本作で一番気持ちが萎えてしまったシーンは、父親ロバートの死に方です。

危機的状況から子どもを守るための犠牲で死んでしまったのなら、父親としてすごくかっこよかったものの。

木を伐採しているときに手元が狂ってしまった拍子に電動ノコギリで自らの足を切ってしまい、はい人生終了なんてオチは、もうね、呆れるというかなんじゃこの展開は、と全力で萎えました。

しかも父親も姉妹も諦めるのが早すぎて、逆に笑えました。これ、本当に面白いですから絶対に観た方がいいです。

いや、わかるんだよ。世界中の電力がなくなってしまい、食料がまともに確保できずに移動するためのガソリンもなくて危機的な状況なのに、ひとり先に父親が逝ってしまったその悲しさというのは。

でもね、できることならこの場面だけ撮り直しをしてもらいたいと思えるぐらい、ほんとやめてほしい。

ロバート役を演じるカラム・キース・レニー本人がなによりも可哀想ですから。

顔はハンサムなのに死に方がダサいって。

今まで数えきれないほど映画を観てきましたが、ある意味来世に語り継がれてもおかしくないシーンです、これは。

この先、このようなシーンに出会うことはきっとないと思います。

 

考えは人それぞれだってこと

幻滅的なロバートの死とは反対に、すごく考えさせられたシーンがあります。

それはエヴァがスタンからレイプされてしまい、その後妊娠が発覚したときのシーンです。

ネルは中絶をと考えていましたが、妊娠した当の本人エヴァは子どもを産むと言い出します。

”これ以上なにも失いたくない。罪は大人にあって子どもにはない。”

確かにその通り・・・ではありますけど、レイプされた子を育てることなんて果たして可能なんでしょうか。

子どもが大きくなって父親に段々似てきたときに、その子の顔を見る度に辛い記憶が呼び起こされてしまうのではないか、と思いますけど。

ボクが女性だとして、同じ立場の状況だったらどうしていたか。

産むという選択はなかったと思います。たぶんね。

だからこそエヴァの選択は素直にすごいなと思いました。

言っていることはわかるんですけどね。でもね、という感じで煮え切らないものがあります。

 

垣間見えた“自立”のテーマ

ネルやエヴァの2人が一生懸命生き延びようとする姿からは、自立というものを感じました。

で、この自立。よく耳にする意見が、誰にも頼らずに生きていくということ。

このことに対しては、甚だ疑問しか感じません。

誰にも一切頼らずに自分ひとりの力で生きていくことが自立かと言えば、ボクはそうではないような気がします。

だって、それって相当大変ですよね。この世の中に誰にも頼らないで生きている人間なんて果たしているのでしょうか。

いや、いませんよね。

「頼る=依存」と表現しますけど、誰しもが人や物、そのほか制度なり法律なり見えないルールに依存していきながら生活を送っていると思います。

むしろ、人間誰しも依存というものがなければ生きていくことは難しいように思います。

ネルやエヴァが父に依存してたように、父もまた娘2人に依存していて。

そんな矢先に依存先が絶たれてしまう出来事(父の死)が起こってしまい、それでも2人は共に生きるために新たに依存先を見つけていきます。

難しいテーマともあってなかなか多くは語ることができませんが、自立について改めて考えさせられるいいきっかけになりました。

 

さいごに

ツッコミどろこ満載の作品でイマイチ退屈に感じることもありましたけど、観終わったあとに時間をおいて考えてみると、いろいろと発見がありました。

けして全員におすすめできるほどすごく面白いとは思いませんが、見方を変えてみると深いテーマが織り交ぜられていることに気づかされます。

観る人を選ぶ作品で、教養のひとつとして鑑賞してみるといいかなと思います。

 

バンコ
余談ですが、本作に出演しているエレン・ペイジとエヴァン・レイチェル・ウッドの2人の女優は、超がつくほど美しいと思いました。ただ、綺麗な女優が出演しているからといって、それだけが目的なら痛い目を見ますよ。この作品は。
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